国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 FRONTdesign

国産材・県産材でつくる木の住まいを設計しています。 奈良県生駒市

木の大きさ

先日行った吉野の森(130年生の杉の植林地)の風景です。

吉野林業は、植林時には大変密に木を植えて年輪が細かく1本1本が通直(太さが真っ直ぐ)になるように育てられますが、
途中何度も伐採を行い、木と木の間隔があいて下草にまで陽が届くように施業されます。
木の大きさ_a0116442_15355763.jpg

1本の樹高が30~40m弱程度と思いますが、写真ではスケールが分かりにくい。

ふと気が付いたのですが、
この日伐採をして下さった方が写っていました。どこにいらっしゃるでしょうか。(答えは最後に)



木は大抵の場合は4mごとに切られて、下から1番玉、2番玉、3番玉、、、と言う風に名前が付けられます。
木は毎年すこしずつ大きくなり上に延びますので、切った断面の年輪の数は上に行くほど少なくなります。
例えば、40年生1番玉(一番根元に近い部分)と60年生の3番を比べると、断面の太さや年輪の数はあまり変わらないかもしれません。(例えば、です。)
しかし見た目は同じように見えても、樹齢によって木の細胞の質(成熟度合い)が違うそうで
(人間でも毎日新陳代謝を繰り返しているものの、同じ皮膚の細胞でも年齢によって違うのと同じような事だそうです。)
木は樹齢の高い木ほど細胞が成熟していて、材木としてもしっかりとするそうです。(樹齢40-50年以降の細胞の成熟の変化はゆるやかだそうです。)



さて、先ほどの写真ですが、左から二本目の木の下の方にいらっしゃいます。
(拡大)
木の大きさ_a0116442_9564982.jpg

再び上の写真を見て頂くと、この森の木々の大きさがよくわかります。
人間が、予想以上に小さいように思われませんか。


林業は、自分たちの次の世代、またその次の世代で使われる事を楽しみに
植林をして手入れを続けられるという、他の産業に類を見ないとても息の長い産業です。




 住まいの設計 「木の家づくり」 奈良県生駒市 一級建築士事務所 FRONTdesign  
Commented by e-mihi0216 at 2014-07-29 13:52
こんにちは!
昔は山守という 職業が あったと記憶していますが
山が荒れてしまっては大変です。
永永と続く忍耐力の賜物でしょうが・・・
続けて下さる方に感謝です。
Commented by frontdesign at 2014-07-30 15:33
今も山守制度が続いています。
どことも高齢化が問題になっていますが、最近若い人が入ってくる動きもあるようです。
林業の施業技術の継承もとても大切ですね。
Commented by sumi-ka2008 at 2014-07-31 22:16
初めまして、住み家ともうします。
吉野の山林は、見事ですね。
昔は、全国的にこのような立派な山林だったでしょうに。
このような素晴らしい材とお仕事出来る事、よいですね。
Commented by frontdesign at 2014-08-01 00:09
住み家さま はじめまして。
コメント有難うございます。
本当に立派な材で、これらをちゃんと生かせる設計をしなければと身が引き締まります。
住み家さまのブログとホームページも拝見させていただきました。
素敵な木のお仕事をされておられますね。勉強になります。
これからも宜しくお願い致します。
by frontdesign | 2014-07-29 10:28 | 山のこと | Trackback | Comments(4)

by yuriko iwaki