国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 FRONTdesign

国産材・県産材でつくる木の住まいを設計しています。 奈良県生駒市

生駒の家 工事中7 手刻み

生駒の家 工事中7 手刻み_a0116442_1145395.jpg生駒の家は手刻みです。
お施主さんと一緒に刻みの加工を見学させてもらいました。

施工は王寺の藤見工務店さんです。
最近では、手刻みの加工は随分少なくなっていますが
藤見さんのところではいつも手刻みでされているとのことでした。


加工場では5人の大工さんが黙々と作業をされていました。
若い大工さんも多くいらっしゃいました。
「本当の大工になりたい」
と言って”藤見部屋”に弟子入りを希望されるそうです。




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昨日はちょうど梁の加工。まだ梁の部材しか置いてありませんでしたが、
加工場いっぱいの部材、かなりの量でお施主さんも驚かれていました。

棟梁が次々と墨つけをして、4人の大工さんが黙々と刻んでいました。

棟梁は竹の墨刺しで墨をされていました。








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鶴亀の墨壷。

昔は自分で墨壷を作っていたそうです。(鶴亀などの彫り物も)


(映画「みんなのいえ」では父:田中邦衛の墨壷がシンボリックに登場しました 笑)







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かんばん板。

大工さん手製の昔ながらの図面です。

棟を上げる時に一緒に上げるそうです。
昔の家を解体すると、よく上からかんばん板が出てきたりしますが
いまでも出来る限り昔ながらの方法を続けているそうです。


(映画「火天の城」では番匠:西田敏行のかんばん板がシンボリックに登場しました )


棟梁、ハイライトですか  ・・・ 職人さんっぽい。


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刻みの終わった梁が積んであります。












生駒の家 工事中7 手刻み_a0116442_1147184.jpg手刻みの良さは、機械のように真っ直ぐではなく、
組んだ時に外れないような抵抗ができるように少し斜めに刻むところです。
一度組むとはずれない、叩けば叩くほど組めば組むほどしっかりと締まる。
木のクセも1本ずつちがうもの。クセを生かすのも人の手だからできること。

そんなところに木造の本当の面白さを感じます。
若い人が大工になりたいと思う所以も、そういうところだと思います。
仕事が楽しいって素晴らしい。

手刻みは、時間も予算も掛かるので
なかなかいつもそういうわけには行きませんが
いい材料を大工さんの手で刻んでいただけるような仕事をしたいと思います。

やっぱり、日本ってこういう国 。


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材料はヤング係数、含水量とも測定済みのJAS合格品。
設計者としてはここもチェック。






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Commented by spica at 2010-09-01 11:08 x
生駒の家は手刻みですかー
プレカットにはない良さがありますよね。
ちゃんとJAS材ですね(汗)。
熱海の家はグリーン材です。
Commented by frontdesign at 2010-09-01 11:48
いつもいつもってわけには行かないだろうと思うけれど
刻まれる手を持った大工さんに仕事をしていただきたい気持ちは
いっぱいです。
そうすることも世の中に対して私の出来る仕事だろうと思うので
(私のすることなどは些細なことですが)
もっと使命感を持たないといけないなと改めて思いました。
by frontdesign | 2010-08-31 13:13 | 新築 生駒の家 | Trackback | Comments(2)

by yuriko iwaki