奈良 吉城園 (よしきえん)
2011年 04月 04日
東大寺西隣に位置する吉城園。 知人よりお茶会のお招きを受けました。
右が吉城園入口で
左は依水園入口です。
入口を入ってすぐの「池の庭」。池泉回遊式庭園です。高低差のある、奥行きを感じる庭園です。
高台のあずまやから東を臨むと依水園のお庭の向こうに若草山と東大寺大仏殿の屋根が見えます。
この界隈は奈良のとても良いところ。
離れ茶室玄関。
左側に立派な手水鉢があります。
アプローチ。 露地の向こうへ回ると小間の茶室入口です。 大勢お客様が来られています。
扁額の”羅浮山”の言われとなった手水鉢です。
扁額と、武者の描かれた板戸。 奥に広々とした苔の庭が見えます。
天井が圧巻です。素晴らしい。
つくばいも素敵。 軒柱は皮付き丸太や変木です。自然観が漂います。
渡りの部分の三角の床板は、間に煤竹が入っています。
縁の角に桜が活けられていました。 花器はすり鉢。 明るい庭の前、逆光のシルエットも美しく。
この右手の奥の間が広間の茶室です。
玄関左手の路地を通って、建物裏側になる副席小間の茶室へ。
草履を揃えて、躙り口から中へ。
この中は別世界!
3畳台目のお茶室です。
お茶席ではカメラを構える余裕はなく、また、失礼に当たってはいけませんので写真は撮りませんでしたが
大変風流で趣のある設えで、ご亭主の品格の溢れたおもてなしを受けました。
ご亭主は尾州久田流土屋氏。ご本職は作庭家さん( 土屋作庭所 )です。
袴姿の立ち居振る舞いは、静寂な中によどみのない流麗さを感じました。
お茶碗に、風炉に水差しに茶筅に、軸に花器に活けられたお花も、ため息が出るほど素晴らしく。
亭主さまが会話の中で、” もののもつ力強さ ”に触れられたこともとても印象的でした。
正客さま、次客さまともお茶をたしなまれる大変立派な方で
会話をお聞きしながらお茶席の雰囲気も十分に堪能させていただきました。
ちり穴はこんな形。
露地を通って広間に戻り、本席広間で表千家流のお茶をいただきました。
広間は9畳。南天の大きな床柱がありましたが、貫穴も空いていて古材のようでした。
お茶の作法も知らず、恥ずかしいこともたくさんありましたが
お席に呼んでいただき、大変貴重な体験が出来ました。感謝です。
←これは関守石(せきもり石)。または留石。
飛び石の上に置かれる結界を示すもの。客人はこれ以上先に入らないでほしいという亭主の気持ちを伝えるものです。
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by frontdesign
| 2011-04-04 17:25
| 建物探訪&散歩
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