国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 FRONTdesign

国産材・県産材でつくる木の住まいを設計しています。 奈良県生駒市

天理の家 進捗状況6

今日はとても春らしい1日でした。
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柱のジャッキアップが順番に外されはじめ、柱が基礎に乗りました。基礎と柱の間には鉛の板を敷いていただきました。
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現場には取り替え・新設用の材木が運び込まれています。立派な桧の平角材はシロアリにやられた縁框の差し替え材です。
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色艶とも美麗な吉野桧の赤身材。これなら白蟻も来ないことでしょう。
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縁側は、座敷前のみ縁側として残して居間空間は部屋に取り込みます。
天井は2重天井で、既存天井の上部に断熱材を入れることが出来そうなので、このままの仕上げにできればと考えています。
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主屋西側の改修工事が始まっています。
この部分には大正時代に増築された水廻り(浴室、便槽)がありましたが、痛みもありましたので全解体して半間ほどの増築をすることになりました。主屋の他、蔵と南の縁廊下につながる部分ですので、大工さんに歪補正をしていただきながら施工していただいてます。
正面には開口部を設けます。奥の間に光と風を取り入れることのできるこの開口部は、有効に活用できると思います。
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これは床脇の違い棚を撤去した部分ですが、昭和の改修の時に仕上げられた砂壁の下から青漆喰の壁が出てきました。
金沢の伝統建築には群青色の漆喰壁が多く使われており「加賀の青漆喰」と言われています。高貴な色として使われていたそうです。

こちらの座敷も建築当初は青漆喰の床の間だったのかもしれません。
立派な襖絵の描かれた襖も入っておりましたので、大変華やかな座敷空間であったことが想像できます。
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ここは通り庭の大和天井ですが、この梁の間に2階に上がる階段を計画しています。
階段部分の板を撤去していただき、2階天井が見えるようになりました。
上下階とのつながりのある部分や2階の壁の位置は、既存の架構に沿って計画をしています。
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構造体の補正が終わると、耐力になる壁の設置工事が始まります。
伝統的な整形六間取りの広々とした空間ですが、限界耐力計算で耐震性を検討していただいた結果、ある程度の壁の設置で耐震性を補えることが確認でき、広い空間の良さを活かして計画をすることができました。
新設の耐震の壁は、外周まわりは土壁、室内壁は荒壁パネルを使用します。
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今回の改修はこの建物の「平成の改修」になりますが、時を経て次の時代へつなぐ改修工事であることを意識しています。



by frontdesign | 2017-03-30 23:53 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

by yuriko iwaki