住まいと植栽

新緑が繁り、緑が眩しい季節になりました。

先週の事になりますが、枚方T-SITEで開催されました造園家 荻野寿也さんの著書「美しい住まいの緑85のレシピ」刊行記念トークイベントに行きました。荻野さんのお仕事は、伊礼智さん設計の京都サロン(松彦建設さんモデルルーム)を見学させていただいた時に、拝見したことがあります。建築物に木影を映し纏う植栽は非常に自然を感じ道を通る人に癒しをもたらし、窓から見える景色は、そこに住む人に季節や時間を感じさせるような自然の造形でした。今回の本では、今までのお仕事のコンセプトや庭づくりのポイントの他、庭の手入れ方法や、木の樹種と適性・下草や花の種類リストも掲載されており、家と庭の関係・庭づくりのヒントを多く頂ける本です。
トークイベントで印象に残ったことは、奥入瀬の自然の風景を原風景としてお持ちということや、グランドラインを自然のままに生かして庭を作られること、”外飯のすすめ”。それから「朝、鳥の声で目が覚めるといいじゃないですか」と笑顔で仰っていたのもとても印象的でした。
ゲストの照明デザイナー花井架津彦さんは、ご自邸のお庭(荻野氏作庭)のことや夜に眺める庭、外部の照明のポイントについてお話しされました。外部の光は月の光(上からの光)が理想的、という話も大変興味深かったです。
イベントのはじめに、編集者の木藤さんより「荻野さんは”造園は、町を森に戻していく作業”と仰られ、荻野さんのその作業を手伝いたいと思いました」とご紹介されました。木藤さんの本づくりへの強い思いを感じ、この本を読む楽しみも増えました。
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先日、生駒山の家の風致申請を出した時に緑地計画の樹種記入を見られた役所の方から「出来るだけ在来種を植えるようにしてください」とコメントいただき、行政の方もそのような意識でお仕事されていることを知りました。
具体的な例として、コハウチワカエデを植えるのならイロハモミジに、ハナミズキはヤマボウシに、、とおっしゃっていました。

風致地区とは関係はありませんが、この界隈の住宅地でも空き家が増えており「空き家問題」が表面化してきています。築50年を超える住まいの改修の仕事をさせていただく機会もあり、改修しながら愛着を持って長く住み続けることが出来ればという想いがありますが、空き家→解体されるケースが圧倒的に多くなるように思います。ふと、荻野さんの「町を森に戻していく作業」という言葉を思い出しました。空き家が更地になったらその区画に木を植えて緑地にすると、町並みに潤いが生まれるように思いました。維持管理には手間がかかるかもしれないですが、地域で自然を楽しめる工夫が出来ると良いように思います。


荻野さんのイベントの数日後、お付き合いのある生駒のplantaさんで開催されたオープンガーデンにお伺いさせていただきました。生駒市高山町の獅子が丘という自然の林の中にある住宅地。造園家のお庭だけあって、手の入れられた素晴らしいお庭です。以前にお伺いした時にはなかったツリーハウス(ツリーデッキ)が出来ていて、しばしその上で過ごさせていただきました。
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この日は爽やかなお天気でした。
木のデッキに敷かれたキリム絨毯の上に座っていると、デッキの上を覆う木がまるで屋根のようで、外なのに室内にいるような感覚になり、とても新鮮な体験をさせていただきました。
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話は変わりますが、昨日は太陽熱空気集熱式ソーラー 床暖房&採涼システム「びおソーラー」のセミナーがあり、浜松に行ってきました。セミナー開催前に浜松城近くの松韻亭(1997年 谷口吉生氏設計)へ行きました。

主棟と離れの茶室の間に、芝の庭が広がります。
離れ(小間の茶室)の待合からの風景。日本庭園というよりは幹の木立が自然の山の中を彷彿とさせ、離れ側からの風景はまさしく市中の山居です。
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待合から離れへ。
大きく弧を描く自然石のアプローチが面白いです。
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主棟。
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作庭は、東京の岩城造園さんとのことです。


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跳ねだした名栗の月見台が象徴的で、面白く思いました。ここで能を舞われるそうです。
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新建築家技術者集団発行「建築とまちづくり」5月号も庭と緑地特集です。
「量の緑地から小さくても輝く都市の緑へ」
ひとに近い緑のあり方について知識を深めたいと思います。


いろいろな場面で庭のことに触れる機会が多い今日この頃です。


ホームページをリニューアルしました。
一級建築士事務所 FRONTdesign

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by frontdesign | 2017-05-20 08:00 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 奈良県生駒市


by yuriko iwaki