生駒山の家 進捗状況2

基礎の工事が始まりました。
地盤調査の結果、設計GLのすぐ下に均一な支持層があり、とても良好な地盤でしたので直接基礎になりました。
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石積みの一部と石の階段は既存のものを利用することにしました。
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何もなかった更地に基礎ができると建物の配置がよくわかり、外部計画も検討しやすくなりました。
掃き出し窓から出たところに、食事をしたりコーヒーを飲んだり読書が出来るようなちょっとした半外スペースが作れそうです。空気を通す為に、もう少し低木を剪定した方が良さそうですね。
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イロハモミジの木陰にデッキを敷いて。
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梅の木が数本あり、実がついていました。
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奥へ入ると、市中の山居。
このあたりには巨石がたくさんあります。
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# by frontdesign | 2017-05-22 15:22 | 新築 生駒山の家 | Trackback | Comments(0)

住まいと植栽

新緑が繁り、緑が眩しい季節になりました。

先週の事になりますが、枚方T-SITEで開催されました造園家 荻野寿也さんの著書「美しい住まいの緑85のレシピ」刊行記念トークイベントに行きました。荻野さんのお仕事は、伊礼智さん設計の京都サロン(松彦建設さんモデルルーム)を見学させていただいた時に、拝見したことがあります。建築物に木影を映し纏う植栽は非常に自然を感じ道を通る人に癒しをもたらし、窓から見える景色は、そこに住む人に季節や時間を感じさせるような自然の造形でした。今回の本では、今までのお仕事のコンセプトや庭づくりのポイントの他、庭の手入れ方法や、木の樹種と適性・下草や花の種類リストも掲載されており、家と庭の関係・庭づくりのヒントを多く頂ける本です。
トークイベントで印象に残ったことは、奥入瀬の自然の風景を原風景としてお持ちということや、グランドラインを自然のままに生かして庭を作られること、”外飯のすすめ”。それから「朝、鳥の声で目が覚めるといいじゃないですか」と笑顔で仰っていたのもとても印象的でした。
ゲストの照明デザイナー花井架津彦さんは、ご自邸のお庭(荻野氏作庭)のことや夜に眺める庭、外部の照明のポイントについてお話しされました。外部の光は月の光(上からの光)が理想的、という話も大変興味深かったです。
イベントのはじめに、編集者の木藤さんより「荻野さんは”造園は、町を森に戻していく作業”と仰られ、荻野さんのその作業を手伝いたいと思いました」とご紹介されました。木藤さんの本づくりへの強い思いを感じ、この本を読む楽しみも増えました。
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先日、生駒山の家の風致申請を出した時に緑地計画の樹種記入を見られた役所の方から「出来るだけ在来種を植えるようにしてください」とコメントいただき、行政の方もそのような意識でお仕事されていることを知りました。
具体的な例として、コハウチワカエデを植えるのならイロハモミジに、ハナミズキはヤマボウシに、、とおっしゃっていました。

風致地区とは関係はありませんが、この界隈の住宅地でも空き家が増えており「空き家問題」が表面化してきています。築50年を超える住まいの改修の仕事をさせていただく機会もあり、改修しながら愛着を持って長く住み続けることが出来ればという想いがありますが、空き家→解体されるケースが圧倒的に多くなるように思います。ふと、荻野さんの「町を森に戻していく作業」という言葉を思い出しました。空き家が更地になったらその区画に木を植えて緑地にすると、町並みに潤いが生まれるように思いました。維持管理には手間がかかるかもしれないですが、地域で自然を楽しめる工夫が出来ると良いように思います。


荻野さんのイベントの数日後、お付き合いのある生駒のplantaさんで開催されたオープンガーデンにお伺いさせていただきました。生駒市高山町の獅子が丘という自然の林の中にある住宅地。造園家のお庭だけあって、手の入れられた素晴らしいお庭です。以前にお伺いした時にはなかったツリーハウス(ツリーデッキ)が出来ていて、しばしその上で過ごさせていただきました。
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この日は爽やかなお天気でした。
木のデッキに敷かれたキリム絨毯の上に座っていると、デッキの上を覆う木がまるで屋根のようで、外なのに室内にいるような感覚になり、とても新鮮な体験をさせていただきました。
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話は変わりますが、昨日は太陽熱空気集熱式ソーラー 床暖房&採涼システム「びおソーラー」のセミナーがあり、浜松に行ってきました。セミナー開催前に浜松城近くの松韻亭(1997年 谷口吉生氏設計)へ行きました。

主棟と離れの茶室の間に、芝の庭が広がります。
離れ(小間の茶室)の待合からの風景。日本庭園というよりは幹の木立が自然の山の中を彷彿とさせ、離れ側からの風景はまさしく市中の山居です。
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待合から離れへ。
大きく弧を描く自然石のアプローチが面白いです。
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主棟。
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作庭は、東京の岩城造園さんとのことです。


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跳ねだした名栗の月見台が象徴的で、面白く思いました。ここで能を舞われるそうです。
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新建築家技術者集団発行「建築とまちづくり」5月号も庭と緑地特集です。
「量の緑地から小さくても輝く都市の緑へ」
ひとに近い緑のあり方について知識を深めたいと思います。


いろいろな場面で庭のことに触れる機会が多い今日この頃です。


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# by frontdesign | 2017-05-20 08:00 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

天理の家 進捗状況11 太陽熱利用温水器

屋根の改修工事が進んでいます。大変立派な屋根で、瓦の葺きあがりが楽しみです。
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今日の定例打ち合わせでは、主屋の水廻りで利用する太陽熱利用温水器の機種を検討しました。
お施主様宅では、現在も離れ棟の浴室の給湯にはタンクを屋根に乗せるタイプの太陽熱利用温水器を利用されています。今回の主屋工事では、キッチンを含めた水廻り全体に温水を利用できるエコキュート併用方式(熱源は電気)を採用することになりました。
太陽熱利用給湯システムにはさまざまな種類があり、タンク一体型・分離型、水循環・不凍液循環、他機器との併用の方法、熱源(ガス・電気・石油)、そして利用方法などで選択することができます。太陽熱利用温水器の中には既存の給湯器に接続できるものもあり、あとから設置することもできます。
今回屋根に乗せるものは不凍液循環タイプで、タンクを屋根に乗せるタイプに比べて屋根への荷重負担が少なく、形状が薄くて小型なので見た目もすっきりします。今回は、外から見えない東側の落ち屋根部分にパネルを設置します。

太陽熱利用温水器は太陽光の40~50%を熱として利用でき、再生可能エネルギー利用機器の中でも、エネルギー変換効率や費用対効果が最も高いそうです。家庭内で消費するエネルギーのうち給湯の占める割合は1/3程度ですので、効果は大きいと思います。
今回採用する太陽熱利用エキュート方式の省エネ比較ですが(LPガス給湯器利用の場合との比較)
・年間Co2消費量は杉の木56本分。(杉の木1本当たりのCo2吸収量=14㎏/年 換算)
・ランニングコスト 115,800円/年 → 20,400円/年  
だそうです。

具体的な数値も示されていまますが、それ以上に、太陽の温もりで直接的にお湯を作ったり部屋を温めることができると、太陽の恵みを活かすことを楽しむ暮らしが出来るように思います。



太陽熱利用エコキュートシステム(長府製作所)

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# by frontdesign | 2017-05-17 00:39 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

天理の家 進捗状況10 鬼瓦の焼直し

今回の工事では屋根の土を下ろして瓦をふき替えます。これまで使われていた鬼瓦は七福神などの趣のあるものが多く、痛みの少ないものは焼き直しをして再び屋根に乗せることになりました。

淡路の瓦屋さんで燻(いぶし)ていただき、新品のように生まれ変わりました。

大黒天
打ち出の小づちを持ち米俵に乗っています。衣装の胸と米俵に宝珠がついています。
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恵比寿さん
大きな鯛を持っていて岩の上に座っています。
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寿老人
鹿を連れた老人は寿老人のことだそうです。鹿だけで寿老人を表すこともあるそうで、鹿は寿老人の留守模様だそうです。
寿老人は身の丈3尺(90cm)の小さい神様だそうです。
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亀を連れているので福禄寿だと思われます。福禄寿は寿老人と異名同神だそうです。
右手に軍配を持ち、波に乗り、動きのある意匠ですね。
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元の屋根に乗っていた七福神。
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にこやかなお顔が下からも伺えます。
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現場は屋根の下地の工事が進んでおり、ちょうど破風板が取り付けられました。
入母屋の破風が良い恰好です。曲線を描く破風板に眉を二重につけていただき、良い仕事をしていただいています。
瓦が乗るのがますます楽しみになります。
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つし2階を居室にするために天窓を2カ所設置します。屋根の開口、天窓の取付けも完了。
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# by frontdesign | 2017-05-12 18:47 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

焼杉板の外壁

生駒山の家は外壁に焼杉板を張ります。
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建築地は生駒山の自然景観を維持する風致地区区域内で、建物の外観に関しては屋根の形状や屋根勾配の規制がある他、屋根や外壁の色がある程度指定されています。
屋根の色は濃灰、黒、濃茶、濃緑などの濃い色に指定されており、外壁は白、ベージュ、グレー(薄い)、薄茶等の薄い色に指定されていますが、自然素材の外壁については素材の色のままで大丈夫とのことで、焼杉や黒漆喰などの壁は許可されています。
生駒で指定されている自然景観系の風致地区の他、奈良県内では歴史的景観を維持するための風致地区がたくさんあります。明日香村や奈良公園の近隣等の第1種風致地区では、多くの規制がかかります。

風致地区(ふうちちく)とは

「1919年(大正8年)に制定された旧都市計画法において、都市内外の自然美を維持保存するために創設された制度である。指定された地区においては、建設物の建築や樹木の伐採などに一定の制限が加えられる。制度としては、1926年に、東京の明治神宮周辺地区が初の風致地区に指定され、その考え方や指定基準、運用方法等が整備された。1930年には京都府や東京府(当時)で風致地区の指定がなされ、その後、全国各地に広がりをみせた。」(Wikipediaより)



今までも何度か風致地区の許可申請を出していますが
風致地区の制度が出来て100年近くなることを初めて知りました。


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# by frontdesign | 2017-05-12 08:05 | 新築 生駒山の家 | Trackback | Comments(0)

生駒山の家 地鎮祭

本日は生駒山の家の地鎮祭が執り行われました。
天候にも恵まれ、よい節目の一日になりました。
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こちらは、緑に囲まれた敷地です。
窓から見える景色をお施主さんと一緒に確認しました。
地盤調査の結果も良好でしたので、これから基礎の工事がはじまります。
加工場では、6月半ばの棟上げを目指して大工さん達が墨付け刻みを始めておられます。

計画から設計期間を経ていよいよ着工。感慨ひとしおです。







# by frontdesign | 2017-05-07 18:31 | 新築 生駒山の家 | Trackback | Comments(0)

吉野の森見学バスツアー

奈良をつなぐ家づくりの会主催の第17回吉野の森見学バスツアーに参加しました。
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川上村の林業地を見学させて頂き、標高600m超えの高原地区から水源地の山にも登りました。

こちらは280年生の杉の林業地。間伐が繰り返され、植生が豊かな完成された森です。
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途中、植林地の一部が伐採されて森の断面が見えているところがありました。

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密植された森は樹々が光を求めて上へ上へと競い合って成長し、葉がついているのは主に幹の上の方(樹冠)だけで、幹は通直です。吉野では皆伐ではなく間伐が主な施業方法ですが、幹の足元を伐採して3、4mごとにカットして搬出され、家をつくる構造材や仕上げ材などに加工されます。
吉野は日本一急峻な斜面を持つ林業地で、歴史的な背景もあり今も主な搬出手段がヘリコプターですが、森の手入れの為にも車が山に入ることが出来るように少しずつ林道が整備されてきています。


少し前のことになりますが、3月の末に藤森隆郎氏の講演会に行きました。藤森氏は半世紀にわたり森林生態系と造林の研究に携わってこられ、生産林としても持続可能で生物多様性に満ちた美しい日本の森林の姿について”林業がつくる日本の森林-後進に伝えたいこと-”と題してご講演されました。吉野林業で脈々と続けられている間伐、国が推進している皆伐、持続可能な森をつくるためにはどうしていかなければならないか等々、疑問に感じていたことの答えをお聞きすることが出来たように思います。針葉樹のみの林業地の植生に広葉樹を混ぜることで、昆虫→鳥などの生物多様性が豊富になるというお話もとても興味深かったです。また、建築の話をお聞きしていたときに「家づくりはその人の生き方そのもの」とおっしゃられたのも大変印象に残りました。
講演会の後、近著「林業がつくる日本の森林」を読みました。ご講演内容と同じく大変勉強になりました。
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藤森氏の話をお聞きした後という事もあり、生産林である森の生物多様性(持続可能な森の姿)という考え方を意識しながら見学させて頂きました。

この界隈は降水量が多く、また霧の発生も多く、杉の林業地には適したところです。非常にたくさんの種類の苔が生息しているそうで、木の切り株の多くに苔が生えています。足元の腐葉土はふかふかです。
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”一人静”もあちこちに芽吹いていました。
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今回のツアーでは、吉野の木で作られた建物見学として、吉野川のほとりに建つAirbnb”吉野杉の家”を見学させていただきました。
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吉野杉と吉野桧が使われていて仕上げは全て無地ものです。(節がありません。)
吉野材の特徴ともいえる色艶の良さが際立っています。
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2階は宿泊室。東西に2間あります。詳しくはコチラ→ Airebnb吉野杉の家
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FIX窓の足元の木のふたを開けると通気口で、風が入りとても快適でした。
非常に狭い空間がなかなか居心地がよく、一度泊まってみたいと思いました。
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ツアーの最後は、桜井市の泉谷木材商店さんで製材のことを教えていただきました。山で大事に育てられた木が町の製材所に運ばれ、木の特徴を生かしながら丁寧に製材され、家をつくる材料になります。

ご参加いただきました皆様、有難うございました。

奈良をつなぐ家づくりの会では定期的に吉野の森見学バスツアーを開催しています。
次回は秋の予定です。奈良をつなぐ家づくりの会ホームページfacebookでお知らせさせていただいておりますので、是非ご参加ください。





# by frontdesign | 2017-05-01 07:04 | Trackback | Comments(0)

生駒山の家 進捗状況1

解体工事が終わり、更地になりました。
石積みの一部と石の階段は外構として残すことにしました。
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元の住まい手の方がお庭を丹精されており、庭木と自然の借景のバランスが良い具合で素晴らしい眺めです。設計の上でも、この景色を活かせるように窓を配置しました。
更地になると、想像以上に広々としており安心しました。土はさらさらの真砂土でした。地盤の地耐力は、これから調査をします。
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解体した外構には石が多く使われており、その一部は新たにつくる外構に使う予定で置いておいてもらいました。
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伏見建築事務所さんの加工場では、墨付け・刻みが始まっています。若手の大工さんも切磋琢磨されています。
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構造材仕上げ材とも吉野材を使い、職人さんによる手刻み手加工の家づくりです。



# by frontdesign | 2017-04-28 20:06 | 新築 生駒山の家 | Trackback | Comments(0)

天理の家 進捗状況9

屋根の瓦が下ろされて下地の補修を進めて頂いてます。
破風板は総取替え。大工さんがひとつずつ釘を抜きながら丁寧に取り外されています。現代の木造は構造金物も含めビス(ネジの切ってあるもの)が多用されていますが、いろいろな意味で木造には本来的に釘が使われる方が望ましく、今回の工事では釘を使うようにされているとのことです。
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取り外された破風板。下におろすと、とても大きな1枚板です。これは新品に取り替えます。
破風は美しい屋根を形づくる一つの要素です。
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現在、別棟の浴室のお湯取りに太陽熱利用温水器を使用されており、改修後には主屋の浴室用に太陽熱利用温水器を利用することになりました。

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このタイプはお湯をそのまま屋根に循環させてお湯を作る方法で、システムとしてはシンプルな方法です。このほかの方法としては不凍液を屋根の上のパネル内に循環させて、暖まった不凍液で温水器の中の水を温める方法があります。それぞれメリットデメリットがあります。
どちらも給湯時には温度調節が可能で、温度が低い時にはガスや電気のエネルギーを補充してお湯を沸かすことができます。給湯エネルギー消費は家1軒が使うエネルギー消費の1/3程度を占めますので、太陽の熱でお湯がつくれると省エネになりますね。




# by frontdesign | 2017-04-23 01:38 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 奈良県生駒市


by yuriko iwaki