カテゴリ:民家改修 天理の家( 32 )

天理の家 進捗状況20

部屋内の荒壁パネルの設置が始まりました。
限界耐力計算で耐震の検討をしており、内部の耐力壁は荒壁パネル、外周部は竹小舞下地の土壁です。建物を固める方向ではなく、柔らかく粘りのある構造です。

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先週から京都建築専門学校の学生さんがインターンシップで来られていて、現場も同行してもらっています。
造り付け家具の打ち合わせのあと、伏見さんが現場のことを説明してくれました。
現場にもとても興味を持っているようで、何か話をするとささっとメモを取っていて、大変感心しています。
図面を描くのも好きとのことで、事務所では図面も描いて貰っていて、とても助かります。

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断熱材もだいぶ入りました。天井は高性能グラスウールにしていますが、土壁部分はウールブレスを使います。

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土壁部分の断熱方法は大変悩ましいところでしたが、壁内結露を起こさないウールブレスを土壁に密着させる方法をとることにしました。

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荒壁パネルとウールブレスが入り始め、下地の工事も終盤です。


昨日の打ち合わせのメインは、門屋から玄関までのアプローチ空間のことでした。
プランタの清野さんに来て頂き、お施主様と一緒に打ち合わせをしました。

どのようなご提案を頂けるか、とても楽しみです。




”木の住まいの設計”
一級建築士事務所 FRONTdesign  岩城由里子
国産材・県産材を使って木の家づくりをしている設計事務所です。
yiwaki@kcn.ne.jp
奈良県生駒市北田原町1052-2










by frontdesign | 2017-08-23 17:58 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

天理の家 進捗状況19

現場の方は着々と工事が進んでいます。お盆休み前に職人さん達の質疑を受けてきました。

1階は床の下地がほぼ出来上がり、床レベルが整いました。

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差鴨居の通る基本の構造は荒らさずに間取りを形成しています。新たな区切りは基本区画に箱を入れ込んだような形にして、構造には関係のない間仕切り壁にしています。

対面式キッチンの壁下地が出来上がり、コンセントやリモコンの位置と高さを確認しました。対面式なのでキッチンの手元は見えませんが、間に壁が無いので比較的開放的です。
キッチンに人が立つとこのような感じになります。(モデルは電気屋さんです。)
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キッチン側からは、居間、座敷から南の庭まで見渡せます。
最終的には建具が入りますがなかなか開放的な空間です。
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キッチン横は北の庭で風がよく通ります。庭の向こうに別棟が見えます。
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キッチンの隣は洗面室で、こちらも北の庭から直接入ることが出来ます。この開口部も風の通り道です。
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先日、お施主様と打ち合わせをして玄関回りやキッチン周りのイメージをパースで見ていただきました。
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玄関扉の意匠により空間の印象がずいぶん変わるので、何案か検討して見ていただきました。

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玄関内の土間は当初は洗い出し仕上げで検討していましたが、大きなハナカミ柱が象徴的な玄関に似合う焼物調のタイルで再検討しています。
ご先祖様より代々引き継がれている重みのある建物ですので、現場に通いながらこの建物の空気や建物の意思を十分に感じることが、設計者の私の責任であるように思います。



つし2階は天井の下地が完成して天井の断熱材が入り始めています。
丸太を現わしにするところの納まりについては、お盆中に答えを出します。
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ここもうまく現しにしたいところ。ちょっとしたところですが、なかなかの難題です。
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今日は給排水設備工事の関係で塀のくぐり戸が開いており、こちらから入場させていただきました。風情のある入口です。

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飛び石を進み主屋の庭へ。
飛び石の高さも比較的高く、縁側の沓脱石へもスムーズに進むことが出来ました。
正面へ進むと、門屋とお玄関の間へ出ることが出来ます。

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今回の改修で外部周りに断熱を施して縁側空間を室内側に取り込むことにしましたので、庭が暮らしに近くなると思います。







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by frontdesign | 2017-08-09 17:36 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

天理の家 進捗状況18

現場は着々と工事が進んでいます。
食堂とキッチン部分は床の下地板が張り終わりました。
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今日は大工さんと電気屋さんと打ち合わせをしました。
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縁側のある住まいは庭に面して開口が大きいためエアコンの設置場所や室外機置場が課題になりますが、今日の打ち合わせで経路や納まりも検討出来ました。
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玄関まわり。
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とても大きな欅の大黒柱。このあたりは部材の貫禄を綺麗に現わしで納めたい部分です。
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2階の廊下は中廊下になるため、間仕切り壁の高い位置に光を取り入れるための大きな開口を作ります。下地が出来ていました。丸太は出たりへっこんだりしていますので、調整しながら下地を作っていただいています。
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門屋の巣で生まれたツバメの子もとても大きくなりました。おしくらまんじゅうで巣に入っています。
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巣から出たツバメの子たちは、門屋横の納戸で飛行練習をしていました。仮設電線で羽を休めていることろ。
からだのサイズは親とあまり変わりませんが、飛び方が初々しいです。

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by frontdesign | 2017-07-26 19:18 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(3)

天理の家 進捗状況17

内部は床下地の工事が進んでいます。

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座敷の床下地は杉板張りです。断熱材も入れていただいています。
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板の間部分は根太を敷き、その上に吉野桧の厚板を張ります。
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今日はお施主さんと現場で打ち合わせをさせていただきました。
奥の間の天井は、既存の丸太梁の天井をそのまま現しにすることになりました。2階の納戸の床土も撤去して床を張りますので、綺麗に納まりそうです。
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熟練大工さんが若手大工さんに手ほどきをされています。



座敷まわりには欄間が数カ所あり、縁側に向いた部分には障子が入っていました。
縁側の天井に反射する光が入り綺麗ですね。縁側の天井には断熱材を入れ、この欄間はそのまま障子欄間を戻します。
現場に伺う度に民家の力強さや工夫、美しさに触れ、新たな気づきがあります。安全で暮らしやすい住まいに改修すると同時に、建物本来の意に沿った改修をしたいと思います。
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2階は部屋の間仕切りの柱が立ちました。
建物の架構(柱梁)のフレーム上に部屋の仕切りを作るようにして、元の構造に素直な計画にしています。
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外部は門屋横建物の改修工事が進んでいます。車の出入り口の木製のシャッターの下地を作っていただき、今日は色の打ち合わせもさせていただきました。門屋横ですので違和感なく仕上げたいと思います。

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門屋から玄関までのアプローチの設えをどのような意匠に納めるかが現在の課題です。
相応しい設えになるよう、まとめたいと思います。







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by frontdesign | 2017-07-18 22:19 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

天理の家 進捗状況16

現場は着々と工事が進んでいます。
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間仕切り壁の柱が立ち、部屋の区切りが分かるようになりました。元は2間幅の通り庭(土間)でしたが、南側は玄関にして北側は水回りを設けることになり床を上げました。
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今日は2階の納まりの打ち合わせをしました。1階と違い丸太で作られているため各箇所の凹凸に合わせて調整が必要になります。
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2階の床下地の隙間から1階が見えます。
既存の丸太張りに今回の床梁が掛けられています。昔の仕事に今の仕事を足しながら工事を進めていただいています。
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大事な部分の納まりについてはまだ考えがまとまらず、宿題になっています。
(もう少しお待たせします。)



現場のツバメの巣はヒナがかえり、子育ての真っ最中。元気に巣立ちますように。
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by frontdesign | 2017-06-28 20:20 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

天理の家 進捗状況15

工事は着々と進んでいます。
1階は床下地の工事中。土台は総入れ替えで、元の床高さに合わせて新しい土台が敷かれました。
室内の耐力壁になる部分と、新たな間仕切り壁のできるところには柱が入れられました。
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民家の特徴でもある長い縁側は、とても開放的です。
こちらの住まいは南と北に長い縁側があり、どちらも緑豊かな庭を臨むことができます。
断熱性能を高めて室内側に取り込み、明るさと解放感を取り入れる設計にしています。
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屋根工事はほぼ完成。鬼瓦と鳥衾も取り付けられ、元通りの風格のある屋根になりました。
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熨斗が高く積まれ、大きな屋根に相応しい美しい陰影が感じられます。
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by frontdesign | 2017-06-19 14:35 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

天理の家 進捗状況14

外部は瓦葺き工事が進んでいます。
門屋越しに見る主屋の屋根。熨斗瓦が積まれると元の立派な屋根の風景が戻ってきました。
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棟の熨斗瓦はあと数段高く積まれます。
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焼き直しをしていただいた角字の「水」の鬼瓦。
火災への厄除けのおまじないに、水という字や魚など水にまつわるものを屋根の上に乗せる風習があります。妻壁に「水」の字が書かれている民家も多くの地域で見られます。
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翁面の鬼瓦も焼き直しをしていただき屋根に乗りました。下から見上げると優しいお顔が拝めます。いいお顔ですね。
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今日は、門屋横につくる車の進入路の開口部の打ち合わせがありました。
当初は木製両開きの大戸も検討しておりましたが、操作性等を考慮して木製電動シャッターを取り付けることになりました。半解体して現場の寸法に合わせて作っていただきます。
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内部も着々と工事が進んでいます。1階、2階とも床下地の工事が進められています。
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縁側の縁框も入れ替えられました。
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2階はつし2階で、床レベルは2段階になっています。
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うねうねと曲がった地松の梁の上に床をつくるのでご苦心いただいています。
1階も2階も、全てが現場合わせなので手の仕事の力強さを感じます。このような建物には、手の仕事が建物の力量に相応しい仕事だと思います。
古民家の改修は、そこに在り続ける建物との対話から生まれるものづくりで、その経緯が難しくもあり楽しい仕事だと感じています。
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現場ではツバメの夫婦が巣作りの場所を探して飛びまわっています。
こちらは門屋の巣で一段落。ツバメは立派な左官屋さんですね。
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天井の際に作るのは外敵からヒナを守る為でしょう。天井の低い住まい。






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by frontdesign | 2017-06-05 21:22 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

天理の家 進捗状況13

主屋の大屋根から瓦葺きが始まりました。瓦は淡路のいぶし瓦です。

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棟の頂部についている棒は耐震棟というもので、地震の時に棟の熨斗瓦が落ちないようにするためのものです。
高く熨斗を積みますのでまだ上に上がるそうです。
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元の屋根で使われていた鬼瓦類は七福神のものをはじめ立派な手作りの瓦でしたので、焼き直しをして再び屋根に乗せることになりました。今日は、それぞれの鬼瓦を乗せる場所について打ち合わせをさせていただきました。
瓦の写真と屋根の図を瓦屋さんが用意して下さり、とてもわかりやすかったです。

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これは門屋の屋根の東側覆輪の下についている鶴亀巴の鶴。
造形が細かく羽の流れも優雅で、鳳凰のようにも見えます。

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普段あまり目にしないような箇所にも渾身の仕事がなされています。そのようなことも、建物全体の魅力を形成しているように思います。

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by frontdesign | 2017-05-31 07:56 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

天理の家 進捗状況12

土壁の下地の工事が始まりました。
傷んでいた増築部分を解体し、改めて離れにつながる廊下を作ります。この掃き出し窓からの採光は良いものになりそうです。
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下地の竹木舞。
下地づくりから左官屋さんの仕事ですが、今日は少し手伝わせてもらいました。荒縄で締めていくと弾力のある強い下地になります。
いつもmmの話をしていますので、こんなにラフに壁が出来るのが面白く思います。
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土づくりも始まりました。
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伝統工法の良さを活かすために限界耐力計算方法で耐震性能を確保しており、壁も靭性の高い土壁で計算しています。外周部は土壁、内部は荒壁パネルというものを使います。断熱のある壁ない壁、壁の種類などの組み合わせが何通りにもなるので、耐力壁の位置と種類、断熱を施す区分を色を付けて図示しました。
今回は竹木舞下地の土壁と断熱材を併用します。結露が回避できるように断熱材はウールブレスを使うことにしました。
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内部に使う荒壁パネル。
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縁框の一部に蟻害が見られ、部材の入れ替えが始まりました。長い縁側が開放的で気持ちが良いですね。
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縁側の柱の下がりはほとんどなかったのですが、礎石が低かったので基礎を作り柱の足元を地面から離しました。
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そして、いよいよ瓦葺きが始まりました。
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by frontdesign | 2017-05-24 23:02 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

天理の家 進捗状況11 太陽熱利用温水器

屋根の改修工事が進んでいます。大変立派な屋根で、瓦の葺きあがりが楽しみです。
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今日の定例打ち合わせでは、主屋の水廻りで利用する太陽熱利用温水器の機種を検討しました。
お施主様宅では、現在も離れ棟の浴室の給湯にはタンクを屋根に乗せるタイプの太陽熱利用温水器を利用されています。今回の主屋工事では、キッチンを含めた水廻り全体に温水を利用できるエコキュート併用方式(熱源は電気)を採用することになりました。
太陽熱利用給湯システムにはさまざまな種類があり、タンク一体型・分離型、水循環・不凍液循環、他機器との併用の方法、熱源(ガス・電気・石油)、そして利用方法などで選択することができます。太陽熱利用温水器の中には既存の給湯器に接続できるものもあり、あとから設置することもできます。
今回屋根に乗せるものは不凍液循環タイプで、タンクを屋根に乗せるタイプに比べて屋根への荷重負担が少なく、形状が薄くて小型なので見た目もすっきりします。今回は、外から見えない東側の落ち屋根部分にパネルを設置します。

太陽熱利用温水器は太陽光の40~50%を熱として利用でき、再生可能エネルギー利用機器の中でも、エネルギー変換効率や費用対効果が最も高いそうです。家庭内で消費するエネルギーのうち給湯の占める割合は1/3程度ですので、効果は大きいと思います。
今回採用する太陽熱利用エキュート方式の省エネ比較ですが(LPガス給湯器利用の場合との比較)
・年間Co2消費量は杉の木56本分。(杉の木1本当たりのCo2吸収量=14㎏/年 換算)
・ランニングコスト 115,800円/年 → 20,400円/年  
だそうです。

具体的な数値も示されていまますが、それ以上に、太陽の温もりで直接的にお湯を作ったり部屋を温めることができると、太陽の恵みを活かすことを楽しむ暮らしが出来るように思います。



太陽熱利用エコキュートシステム(長府製作所)

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by frontdesign | 2017-05-17 00:39 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 奈良県生駒市


by yuriko iwaki