カテゴリ:民家改修 天理の家( 22 )

天理の家 進捗状況1 

内部の解体が始まりました。今回の工事は間取りの変更、耐震改修、断熱改修を行うため、一旦、内部を骨組みに近い状態に解体します。
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間口2間の通り庭(土間)のある住まいです。
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建具と畳を取り、天井や床もめくり、隠れていた部分の壁や柱の足元の状況を確認します。
耐震改修は、井手晃二建築研究室の井手さんに限界耐力計算方で検討していただきました。井手さんは古民家の構造家で、民家再生のための構造設計を多く手掛けておられます。志賀直哉旧居の再生や奈良町の紀寺町宿なども井手さんが耐震設計をされています。
今日は、骨組み状態になった現場を再度ご確認いただき、下がっている柱を上げて下がりを止めるために新設する基礎の構造について、施工者、お施主さんと一緒に打ち合わせをしました。
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古い建物は柱と梁で構造されており空間には壁が少ないのが特徴ですが、建具の鴨居の上には小壁があり構造上の耐力になっています。
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天井が張ってあるところは天井から上に小壁がついていないケースが多いのですが、こちらではほとんどの箇所で梁まで壁がついていました。壁が上まで到達しているかどうかで耐力が変わってきます。
壁の色が違うところの上が天井から上の部分です。(仕上げていないので土壁のままです。)ここに壁があるかどうかは天井を取ってみないとわかりません。
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天井の吊木は竹の吊木です。竿に蟻で掛かっています。座敷の天井は天井板のみの張替えで出来ればと思い残してもらっています。
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座敷の床柱は足元は柱勝ちで柱頭は梁まで達していました。床柱は後から入れて構造になっていないことも多いのですが、構造柱として建前の時に入れられたようです。
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2階は階高の低いつし2階ですが、小屋組みの一部に扠首(さす)が入っており大空間を構成しています。今回の改修で2階も居室として利用することになりました。元はこの上に10センチ近く土が乗っていましたが、土がなくなりすっきりしました。
床に段差がありますが、1階に天井が張ってある部屋の床は高く上がっており、大和天井のところは天井板が床になるため低くなっています。

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斜めにかかる扠首が大きな丸太の棟木と母屋を受けています。野地は竹野地で半割の竹の上に杉皮が張ってあります。
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2か所の扠首の直行方向に筋違が入っています。井手さんにお聞きしますとこの筋違は構造的にも効いているとのことでした。
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虫小窓は格子を取りました。今回2階を居室にするにあたり、これらの低い位置の窓だけでは内部の採光が不十分になるので、天窓をつけて明るさを補うことにしました。
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屋根は瓦葺きです。現在は下地に土が乗っていますが今回の工事で桟葺きにして瓦を葺き替えます。桟葺きの方が重量が軽くなり、耐震的には有効になります。
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by frontdesign | 2017-02-23 07:10 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

天理の家 着工

天理の家の改修工事が始まりました。
135年前に建てられた整形六間取り、2間の通り庭を持つ民家です。
今回の工事では、間取りの変更の他に耐震改修、断熱改修、つし2階を居室にするなどの主屋全体の改修が主な工事です。
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工事に先立ち、大工さんたちを集めて工事概要説明と打ち合わせをされました。施工は(株)伏見建築事務所さんです。
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四間取りや六間取りなどの古民家は、部屋と部屋が襖などの建具で仕切られており冠婚葬祭の時には建具をはずして広間として使われていたため、開放的であると同時に壁が少ない建物です。
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太い梁柱が使われた伝統工法の民家の良さを生かして改修をするので、限界耐力計算という構造計算方法で検討することにしました。(構造設計事務所)
外部廻りは土壁、室内には荒壁パネルを使い一部壁を増設し、既存の構造のフレームは崩さずフレーム軸上で耐力を持たせます。
耐力壁の位置と種類を示す軸組図です。
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南側と北側には長い縁側が通っています。北にも南にも庭がありますので夏場は風が通り抜けてさぞ涼しいことでしょう。
これから解体が始まりスケルトンの状態になります。
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今日は建具を外す前に建具の状況を再確認させていただきました。
建具は引き戸ばかりですので引手金物が大活躍。引手は作り替える建具にも使わせていただく予定です。
和風金物は良いですね。今の住宅普請ではほとんど使われなくなった金物類がたくさん使われており、目の保養になります。
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by frontdesign | 2017-02-14 23:27 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 奈良県生駒市


by yuriko iwaki