カテゴリ:設計について考える( 194 )

本 "家を建てたくなったら"


丹羽修さんの「家を建てたくなったら」。
この本を読んで設計事務所に依頼しようと思ったとお施主さんからお聞きし、読んでみました。とても読みやすく家づくりのことがよくわかる良い本でした。
丹羽さんの住宅設計に対するお考えやプロセスはとても共感でき、「そうそう」と思うことばかりでした。

土地探しのこと、家を建てる依頼先(ハウスメーカー、地域の工務店、設計事務所等)による違い、予算の考え方、良い住まいをつくるノウハウ、庭のことなど、ひとつひとつ丁寧に説明されています。
また、自分に合った設計事務所を選ぶポイントのなかで”屋根”について言及されていたのは、まさにその通りだと思いました。地域の工務店に依頼されるときにも同様のことが言えると思います。

家づくりをお考えの方にお勧めの一冊です。
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by frontdesign | 2016-12-01 17:13 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

照明器具


昨日は老松町に行く用事があり、ついでに淀屋橋のKASHIWA木工のショールームに寄ってダイニングチェアやソファーなどを見てきました。展示処分品のランプに目が行き衝動買いをしてしまいました。家具カタログ一式を含め結構重たい荷物になりましたが、電車に乗って持ち帰りました。事務所で点灯すると、何とも温かみのある灯りになりました。(ランプは40Wの電球。)

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仕事の場には昼間の太陽の光の色(太陽高度の高い時の光・白っぽい昼白色)の方が脳が覚醒して作業効率が良いそうですが、光を灯す時間帯には夕日の色(太陽高度の低い時の光・黄色っぽい電球色)の光を浴びる方が、人間の体内時計(サーカディアンリズム・概日リズム)を崩さないそうです。逆に深夜まで白い光を浴びていると、体が昼間と勘違いをして自然な睡眠誘導を損なうようです。

照明と高齢者の関係について大光電機の中尾晋也さんのセミナーを受けたときに、電球色の光と昼白色の光について高齢者のものの見えやすさを比較すると、電球色の方が見えやすい結果になったとお聞きしました。黄色っぽい光はなんとなく暗いように感じますが、ものの見え方は明るさの感じ方とは違うようですね。

住宅のくつろぎの場の照明は、夕日の色に近い電球色で、照度は明る過ぎず、そして少し低い位置に灯すと落ち着くと言われています。






by frontdesign | 2016-08-05 19:29 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

ピアノの置き場

住宅の計画をする時に、ピアノを置く場所は悩む場所のひとつです。

木の楽器ですので、LDKに置く場合は湯気が上がるキッチンからは離したいところ。直射日光が強く当たるような場所も避けたいです。椅子を引いて弾きますので、椅子の後ろのスペースもある程度は必要です。
部屋の形は正方形の部屋よりも長方形の部屋の方が断然音響が良く、長方形必須とも言われています。
また、落ち着いて弾くことが出来る場所がいいですね。

法華寺町の家は居間にアップライトのピアノを置かれる計画で、回り階段の下をピアノ置き場にしました。
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10畳ほどの居間食堂の空間でピアノがあまり出っ張らないようにするための工夫ですが、回り階段の下なので天井が低くなります。
ピアノを置くところの天井は他の天井より一段低くても音響的には良いらしいのですが、楽器やスピーカーは実際にその場に置いてみないとどんな音の響きになるかわかりません。

設置後にピアノを弾かれたら、今までと比べてまるで別のピアノと思えるぐらい音がまろやかになり、とても良くなったとお聞きしました。無垢の木を内装に多く使っているのも影響しているように思います。

先日お伺いした時に、お子さんがピアノを弾いて聞かせてくれました。響き良くとても熟成した音色でした。
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お使いのピアノの音の響きが良くないとお感じの場合、置く場所や内装の仕上げを変えるだけで音が良くなることもあるかもしれませんね。

ピアノは大きな空間を占めますが、楽器のある暮らしは良いなと思います。





by frontdesign | 2015-12-04 21:44 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

床の間と 茗荷の引手  旧大西家住宅(奈良町にぎわいの家)

先日、ならをつなぐ家づくりの会で奈良町町家見学会をしました。
現在改修中の町家の改修現場(築200年江戸期)を見学させていただくことがメインでしたが、この4月から奈良町にぎわいの家として利活用されている旧大西家住宅(築100年大正期)も見学させていただきました。

広間の茶室(八畳)の床の間。
昨年の珠光茶会の奈良町会場として旧大西家住宅が使われていたそうで、その時に広間の一室が茶室へ改装されたようです。この床の間の監修は、茶道具工芸家の川﨑鳳嶽氏がされたそうです。
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床脇の前柱は二月堂のお水取りの松明です。
框は神代栗の名栗で落とし掛けは桂の神代古木。床柱は東大寺の小屋組の改修材、お松明の後ろに隠れている脇床柱は西大寺の欅の古材だそうです。
(方位的にも東大寺が東、西大寺が西の配置になっていました。)
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奈良の古いお家のお茶室など拝見させていただくと、社寺で使われていた古材や祭事のお下がりのものを使われていることも珍しくないのですが、お松明を床柱として使われているのは初めて拝見しました。



こちらは15畳の大広間。
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床の間の向かい側に位置する大きな仏間。
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地方によっては大きな仏間を備える民家がたくさんあるところもありますが(その地の宗派の関係もありますが)、奈良では初めてみました。
かなり立派な仏間でした。


こちらの屋敷の引き手は、茗荷(みょうが)紋様のものが多く使われていました。
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床脇の建具が凄い。工芸品のようです。


襖の引き手でこのようなものもありました。
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これもたぶん茗荷でしょうね。大変素晴らしかったです。
by frontdesign | 2015-07-19 18:49 | 設計について考える | Trackback | Comments(2)

天窓 

天窓専門メーカーのVELUXの方が新しいカタログを持って来られました。

天窓からの採光はとても明るく、また、開閉式の天窓をつけると効果的に風の道を作ることが出来るので
今まで多くの設計に天窓を取り入れています。
雨が降ると自動的に閉まる電動式のタイプを設置する事も多いのですが
電動用リモコンが新タイプに変わったそうで、実物サンプルを見せて頂きました。

タッチパネルのタブレット式のリモコンです。
今までのスティックタイプのカタカナ表示のものに比べると、とてもわかり易くなりました。

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絵の表示でプログラムの設定もし易そう。
今までの商品でも同様の設定を出来たようですが、操作がかなり難しくてあまり利用されていなかったそうです。


天窓や越屋根の窓など、家の上部に空気の抜ける道を作ることで夏場は1階も2階も随分涼しくなります。

事務所の建物にも天窓がついています。
夏は涼しく、冬は太陽の恵みを感じることができて本当に快適です。
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 住まいの設計 「木の家づくり」 奈良県生駒市 一級建築士事務所 FRONTdesign  



by frontdesign | 2015-06-06 13:35 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

防災のこと 避難所HUG体験

先日も大きな地震がありました。
私の住む奈良はあまり揺れなかったのですが、地震が起こるたびに防災の重要性を思います。

少し前のことになりますが、2月27、28日に東京で開催された全国女性建築士連絡協議会(建築士会の女性委員会の全国大会・全建女)に参加しました。
今年度のテーマは「未来へつなぐ居住環境づくり ~大切にしたい暮らし方~」でした。
基調講演は“ネイバーフッド(neighborhood=近所近隣)デザイン”を提唱されている荒昌史氏による「東日本大震災から学ぶ“よき避難者”を育成する防災減災」でした。ネイバーフッドデザインと言う言葉は
「近くで暮らしている人々の人間関係のデザインを通じた“社会課題の解決”」
という意味で、“都市にご近所付き合いを作って、社会の課題を解決しよう!”という方法論を意味するそうです。
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“よき避難者を育成する“というテーマでは
避難の原点
自助と共助の重要性
時間の経過により発生する問題の変化
帰宅困難者や避難所の運営
等についての話をお聞きしました。よき避難者の育成と言う観点は、人口密集地の首都圏に限らず地方や地域でも減災につながると感じました。

建築士会女性委員会の事業報告では、福島、宮城、岩手、千葉の4県の方の報告がありました。
福島の女性委員会では放射線対策住宅の仕様の研究をされていて「考えよう!明日を担う子供達のための住まいづくり」という冊子になって、連合会女性委員会から700円で販売されています。放射線の種類による透過性の違いなどの詳しいデータも掲載されています。
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放射線対策の住まいを作らなければならない現状は何とも言えないものがありますが、想定外の大地震の発生と原発の問題を考えると日本のどの地域でも今後課題になりうることで、子どもの未来を思うと根本的な問題を感じ非常に複雑な気持ちになります。

宮城の報告“ふるさと再生&「記憶の中の住まい」”は、震災で家を失くした方に向けた活動でした。(女性建築技術者の会との共同事業) 
それまで長く暮らしていた家のことについて何度もヒアリングをして、暮らしぶりのコメントを書き込んだ図面(平面図)を作成してお渡しするというボランティア活動で、完成した図面を受け取られた方はみなさま大変喜ばれたそうです。日常の暮らしの“記憶”が生きる心の支えになることを思うと、とても感慨深いものがありました。
この「記憶の中の住まい」の活動は女性建築技術者の会でされている活動で、「アルバムの家」という本も出版されています。設計を生業としている女性の“子どもの頃の自分の家”に対する目線は、大変面白かったです。
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二日目の分科会では「震災①防災への取り組み」に参加しました。
大阪と神奈川の二府県の女性委員会の方が発表をされ、建築士としてどのように防災に取り組むかを考えました。大阪の発表は「小学校高学年の子供たちがいのちを守る住まいづくりについて学ぶ“こども住まいらぼプロジェクト”」の実践報告でした。ストローハウスづくりの出前授業で家の構造と仕組みを学ぶ子供たちの様子や反応をお聞きしました。参加者の私たちも実際にストローハウスを作ってみました。ストローハウス作りは他県の建築士会等でも実践されているところがいくつかあるとのことでした。

神奈川の発表は「避難所の空間構成と建築士のかかわり」と「避難所運営の疑似体験“HUG”」の実践報告でした。
避難所HUG
(避難所HUGは、平成19年度に静岡県が開発した防災ゲーム。)

グループに分かれて実際にHUGを体験しました。
設定場所は、地震発生後2時間経過した避難所(小学校)です。次々と来られる避難者(名前、年齢、住所情報がアナウンスされる)ひとりひとりの情報が書かれたカードを小学校の大きな平面図に配置する作業ですが、次々と手際よく対応しなければなりません。避難者の居場所を体育館に設定するグループが多かったのですが教室に設定するグループも有りました。家族づれ、高齢者、体調の悪い人、親とはぐれた子どもたち、外国人のボランティア志望者、そして仮設トイレも運ばれます。トイレはどこに。そのうち大量に救援物資が届きますが置場はどこに、車はどこに。
予測しながら考えているつもりが、パニックに陥りやすいことがよくわかりました。
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実際にJビレッジで避難所を運営されていた方や避難所体験をされた方も参加されており、ワークショップ終了後の意見交換会では避難所での多種多様な問題の発生について話をお聞きしました。
避難所を運営していた方の提案として、避難所の場所を知らない方が意外と多いので(観光者等の地域の住人以外の方も含め)、指定避難場所の常備品の中にアドバルーンを設置し、災害発生時にはまずアドバルーンを上げ、徒歩の方も車の方も遠くからでもアドバルーンを目がけて避難所に来ることが出来るようにすると、避難の混乱が避けられるとおっしゃっていました。
また、小学校が避難所の場合は体育館に避難者が寝泊まりするケースが多いそうですが、体育館の環境は劣悪なので避難者は教室に誘導する方が望ましいという意見も有りました。(体育館は大量の救援物資置場に望ましい。屋根が必要。)
しかしながら、小学校は早期の再開が望まれるので、長期化する可能性がある場合の教室の使用は難しく、そのような意味で小学校は避難所として不向きであるという意見も出ました。
いろいろな意見をお聞きしていると、自分自身の防災意識の低さや知識の無さがよくわかり、大変勉強になりました。

今回、地震や津波にによる災害の教訓を元に防災の仕組みや避難所運営のことを学びましたが、いま世界で起きている戦争で被災した市民も同様の避難所生活を送り、苦しみ悲しみに加え恐怖をも味わっているであろうことを、被災をテーマとした話をお聞きする中で想像しました。
国家や権力の犠牲になって被災し、住み慣れた地域や家や家族をなくすことが無い世の中であってほしいと願います。





 住まいの設計 「木の家づくり」 奈良県生駒市 一級建築士事務所 FRONTdesign  



by frontdesign | 2015-06-02 19:28 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

細部のつづき  畳の目

「逸話に学ぶ茶室と露地」という本を読みました。
南方録や茶譜、山上宗二記、古田織部正殿聞書、槐記、茶道四祖伝書、、、等々に記された話(現代語)とその補足解説が分類別にまとめられてあり、気軽に楽しめる面白い本でした。

埋め木の座敷
利休の門下の茶人がどのような座敷が良い茶室かを利休に訊ねると、
「埋め木の多い座敷」と答えたそうです。(茶話指月集)
埋め木とは再利用した古材のほぞ穴に埋める埋め木のことで
貴重な再利用の古材を多く用いている座敷を良い座敷とする、という意味です。
そこまで言いいますか、とも思いますが、古いものが伝わり使われることに価値を認めていたことがわかる話ですね。
利休の好みや嫌いな事はみな周知のことですが、あえて利休の禁じ手を実践する茶人も少なくなかったようです。

畳の目の話
畳の目には本(モト 縫い初め)と末があり、縫い初めは丸目(1目)になり目もまっすぐでよじれも有りません。末は半目になってしまいよじれも生じるので、だらしない風にもなるようです。(槐記)
だから炉の周りは本(丸目)がくるようにしなければならず
そうするときちっとして、程よい緊張感のある茶室になるとの事。
以前に茶室を設計させていただいた時に、
4畳半全ての畳の丸目半目の位置についてしっかり畳屋さんとも打ち合わせをして指示しましたが、
(茶事では畳の目数も指標にしますので、大事なところが丸目からはじまるようにということ。)
ああ、根本的にはそういう事(よじれのだらしなさと、程よい緊張感)の為だと言うことを知りました。


この写真の畳は、15年ぐらい前に表替えした和紙畳です。(茶室ではありません。)
その前の畳表があまりにもささくれたもので、子どもが小さかったこともあり丈夫な和紙畳にし、縁も目立たない色にしました。
和紙畳は丈夫で良いのですが、国産イグサにして茶か黒の縁にしておけばよかったなと思う今日この頃です。
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 住まいの設計 「木の家づくり」 奈良県生駒市 一級建築士事務所 FRONTdesign  
by frontdesign | 2015-05-22 13:37 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

細部 和室の引手

銅製の御殿引手。底の部分に可憐な桐が彫られています。
先日お伺いした純日本建築の家屋のお座敷の引手です。大き目の引手ですが、桐紋様も座の形もなんともゆったりとしていて、写真を撮らせていただきました。
金属の引手は底、胴、座、小座で構成されていて、それぞれひとつひとつ金属板から加工された手の仕事です。
座と胴の間に嵌っている細い輪が小座で、この小座はやすりで引いたギザギザが入っている引き小座です。
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引手の材質は金属製の他、木製や陶器製の物もあります。
小さなものですがそこに意匠が求められ、手の込んだ仕事がされているものも珍しくありません。家主や棟梁の趣向の表れる部分でもあり、和室を拝見する時に興味を持つところです。
和室まわりは金物の類が多く使われており、普通に和室がつくられていた一昔前までは加工する職人さんも多かったことだろうと思います。

こちらは光琳桐。底のからし色の部分は宣徳という落ち着いた仕上げです。
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by frontdesign | 2015-05-19 15:56 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

記憶の中の住まい

2月末に開催された全国女性建築士連絡協議会で、福島県建築士会女性委員会の被災地でのボランティア活動の報告をお聞きしました。震災で家を失われた方に、家のことやそこでの暮らしについてのヒアリングをして、住み慣れた家の平面図(暮らしのコメントの入ったもの)を作成してお渡しするという活動です。震災から数年が経ち改めて大きな喪失感を感じておられる時期のようで、図面を受け取られた方々は大変喜ばれたとの事でした。話をお聞きしていると、過去の住まいの記憶が甦ることも、これからを生きる心の支えになるように感じました。

この被災地での活動は、福島県建築士会女性委員会と女性建築技術者の会が一緒にされていたとのことですが、”記憶の中の住まいの図面による再現の活動”は以前より女性建築技術者の会でされており、「アルバムの家」と言う本も出版されています。
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会員33名の方が10歳の頃に住んでいたそれぞれの家について、図面とそこでの暮らしが描かれています。現在40~70歳代ぐらいの方の10歳の時の住まいなので時代背景が今とは全く違いますし、家に父権主義が色濃くあったり、住まいが稼業の場であったり、古民家もあり、また、官舎などの借家であったりと、さまざまな「家」と「記憶」が描かれています。10歳の頃にくまなく見ていた家、家で働く母親の気持ちも子ども(娘)ながらに察している年頃です。楽しかったことばかりではなく、辛かった家の思い出なども。
個々の家のことではありますが、昭和の生活史の一端を見るようで大変面白かったです。

昨夜実家で、母(86歳)が小学校6年生まで住んでいた家の昔話を聞きました。話の発端は、私が子どもの頃に住んでいた家の畳の話で、「前の家では庭で畳を干したりしていたよね」と言う話から始まりました。母が子どもの頃に住んでいた家は杉並の住宅地の平屋の小住宅で、8畳、6畳と、4畳半の間がふたつあったそうです。どの部屋も畳なので畳がたくさんあり、重たい畳を干すのはなかなか大変だったそうです。年末になると、どの家も庭で畳を三角にもたれ掛けさせて干しており、畳屋さんが来て庭で畳の表替えの作業をしているのがあちこちで見られ、畳の匂いもまた12月の風物詩だったそうです。職人さんが縁を縫うのを見るのが面白かったそうで、「こんなカッコで」と肘を立てて縫うしぐさを何度もしていました。庭の奥には共同の井戸が有り(家の中にも水道のカランはあったようですが)、その井戸が近所の人の集まり場になっていたそうです。(江戸時代みたいですね・・・。)ガスは引かれていましたがお風呂は無くて、近くの銭湯に行っていたとの事でした。当時の住宅地にはどこでも銭湯が在ったとのことでした。テレビは無く情報はラジオから。2・26事件の雪の夜は戒厳令が出てとても怖かったとか。戦前の、というか、戦争に向かう時代の東京の話です。このあと母一家の暮らしは戦争に巻き込まれ、大変な数年を過ごすことになります。

母も高齢で物忘れもひどくなってきていますが、子供時代のことはよく覚えており随分懐かしそうに話をしていました。亡くなった父親にも子どもの頃に住んでいた家の話を聞いたことが有りますが、この時も楽しそうに話をしていました。

私が子どもの頃に住んでいた家の話もあと数十年経つとすっかり昔話になるだろうと思いますが、時代は変わっても変わらない日本の住まいの”何か”について、いつも考えています。







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by frontdesign | 2015-04-24 12:57 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

古い建具 舞良戸

昨年竣工した茶室のある家。

この写真は畳敷きの玄関の間で、写真の左に少し写っている建具が古い舞良戸です。(水屋入口)
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この舞良戸は桜井の民家の玄関の間で使われていたもので、解体時の劣化調査に行ったときに出会いました。このまま廃棄処分されるものだとお聞きし、そちらの住まい手の方と施工者のご了解をいただいて頂戴してきました。

古いものですが杉の柾目で大変目が細かく、見るからに質がよく風格のある舞良戸です。
お施主さんにも気に入っていただきここで使うことになりました。
元は1対のけんどんの戸でしたので引き戸にするために調整をしてもらいました。

たまたま劣化調査に行った先での出会いでしたが、この場にこの建具が落ち着いてこれから何十年も使っていただけることを思うと、良い出会いだったのではないかと思います。

正面の戸襖の引手は光琳桐です。お施主さんが吟味して入手されました。
小さいものですが細工が細かく、離れて見ても味があります。

日本の間は建具で仕切られており、建具の意匠がミソのように思います。



 住まいの設計 「木の家づくり」 奈良県生駒市 一級建築士事務所 FRONTdesign  
by frontdesign | 2015-03-31 15:05 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 奈良県生駒市


by yuriko iwaki

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木の住まいの設計

一級建築士事務所 FRONTdesign

岩城由里子 yiwaki@kcn.ne.jp

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