カテゴリ:設計について考える( 197 )

シロアリ

シロアリ(羽蟻)が飛び立つ季節になりました。

季節柄ということではありませんが、最近シロアリについてお尋ねいただく機会が何度かありました。蟻害は樹種によっても違いがあり、シロアリが好む木とそうでない木があります。この写真は、数年前に奈良県森林技術センターで見せていただいた蟻害の標本の写真です。
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同じ環境下でもヒノキは被害が少なく、スプルースはやベイマツ、ベイツガはたくさん食べられています。また、同じスギでも心材と辺材では違いがあります。

スギ丸太の断面。
外側の白いところ(白太)が辺材で、中心の色の濃いところ(赤身)が心材です。スギは赤白がはっきりしており、辺材と心材の区切りが分かり易い木です。
表面を覆う樹皮の下に形成層があり、内側(白太・辺材側)には新しい層を作り外側には内皮(外皮の内側)を形成して成長します。白太(辺材)はここ数十年に出来た若い部分で、栄養分が多くてやわらかく美味しいところです。
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この写真はマツの集成材の蟻害。かなり食べられています。筋になって残っているところは集成材の接着剤の部分です。
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木造建築にとってシロアリは害虫ですが、自然界では朽ち木や枯葉を分解する「分解者」で益虫です。
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by frontdesign | 2017-06-02 08:49 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

住まいと植栽

新緑が繁り、緑が眩しい季節になりました。

先週の事になりますが、枚方T-SITEで開催されました造園家 荻野寿也さんの著書「美しい住まいの緑85のレシピ」刊行記念トークイベントに行きました。荻野さんのお仕事は、伊礼智さん設計の京都サロン(松彦建設さんモデルルーム)を見学させていただいた時に、拝見したことがあります。建築物に木影を映し纏う植栽は非常に自然を感じ道を通る人に癒しをもたらし、窓から見える景色は、そこに住む人に季節や時間を感じさせるような自然の造形でした。今回の本では、今までのお仕事のコンセプトや庭づくりのポイントの他、庭の手入れ方法や、木の樹種と適性・下草や花の種類リストも掲載されており、家と庭の関係・庭づくりのヒントを多く頂ける本です。
トークイベントで印象に残ったことは、奥入瀬の自然の風景を原風景としてお持ちということや、グランドラインを自然のままに生かして庭を作られること、”外飯のすすめ”。それから「朝、鳥の声で目が覚めるといいじゃないですか」と笑顔で仰っていたのもとても印象的でした。
ゲストの照明デザイナー花井架津彦さんは、ご自邸のお庭(荻野氏作庭)のことや夜に眺める庭、外部の照明のポイントについてお話しされました。外部の光は月の光(上からの光)が理想的、という話も大変興味深かったです。
イベントのはじめに、編集者の木藤さんより「荻野さんは”造園は、町を森に戻していく作業”と仰られ、荻野さんのその作業を手伝いたいと思いました」とご紹介されました。木藤さんの本づくりへの強い思いを感じ、この本を読む楽しみも増えました。
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先日、生駒山の家の風致申請を出した時に緑地計画の樹種記入を見られた役所の方から「出来るだけ在来種を植えるようにしてください」とコメントいただき、行政の方もそのような意識でお仕事されていることを知りました。
具体的な例として、コハウチワカエデを植えるのならイロハモミジに、ハナミズキはヤマボウシに、、とおっしゃっていました。

風致地区とは関係はありませんが、この界隈の住宅地でも空き家が増えており「空き家問題」が表面化してきています。築50年を超える住まいの改修の仕事をさせていただく機会もあり、改修しながら愛着を持って長く住み続けることが出来ればという想いがありますが、空き家→解体されるケースが圧倒的に多くなるように思います。ふと、荻野さんの「町を森に戻していく作業」という言葉を思い出しました。空き家が更地になったらその区画に木を植えて緑地にすると、町並みに潤いが生まれるように思いました。維持管理には手間がかかるかもしれないですが、地域で自然を楽しめる工夫が出来ると良いように思います。


荻野さんのイベントの数日後、お付き合いのある生駒のplantaさんで開催されたオープンガーデンにお伺いさせていただきました。生駒市高山町の獅子が丘という自然の林の中にある住宅地。造園家のお庭だけあって、手の入れられた素晴らしいお庭です。以前にお伺いした時にはなかったツリーハウス(ツリーデッキ)が出来ていて、しばしその上で過ごさせていただきました。
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この日は爽やかなお天気でした。
木のデッキに敷かれたキリム絨毯の上に座っていると、デッキの上を覆う木がまるで屋根のようで、外なのに室内にいるような感覚になり、とても新鮮な体験をさせていただきました。
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話は変わりますが、昨日は太陽熱空気集熱式ソーラー 床暖房&採涼システム「びおソーラー」のセミナーがあり、浜松に行ってきました。セミナー開催前に浜松城近くの松韻亭(1997年 谷口吉生氏設計)へ行きました。

主棟と離れの茶室の間に、芝の庭が広がります。
離れ(小間の茶室)の待合からの風景。日本庭園というよりは幹の木立が自然の山の中を彷彿とさせ、離れ側からの風景はまさしく市中の山居です。
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待合から離れへ。
大きく弧を描く自然石のアプローチが面白いです。
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主棟。
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作庭は、東京の岩城造園さんとのことです。


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跳ねだした名栗の月見台が象徴的で、面白く思いました。ここで能を舞われるそうです。
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新建築家技術者集団発行「建築とまちづくり」5月号も庭と緑地特集です。
「量の緑地から小さくても輝く都市の緑へ」
ひとに近い緑のあり方について知識を深めたいと思います。


いろいろな場面で庭のことに触れる機会が多い今日この頃です。


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by frontdesign | 2017-05-20 08:00 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

本 "家を建てたくなったら"


丹羽修さんの「家を建てたくなったら」。
この本を読んで設計事務所に依頼しようと思ったとお施主さんからお聞きし、読んでみました。とても読みやすく家づくりのことがよくわかる良い本でした。
丹羽さんの住宅設計に対するお考えやプロセスはとても共感でき、「そうそう」と思うことばかりでした。

土地探しのこと、家を建てる依頼先(ハウスメーカー、地域の工務店、設計事務所等)による違い、予算の考え方、良い住まいをつくるノウハウ、庭のことなど、ひとつひとつ丁寧に説明されています。
また、自分に合った設計事務所を選ぶポイントのなかで”屋根”について言及されていたのは、まさにその通りだと思いました。地域の工務店に依頼されるときにも同様のことが言えると思います。

家づくりをお考えの方にお勧めの一冊です。
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by frontdesign | 2016-12-01 17:13 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

四角いキッチン

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二年前にリノベーションをさせて頂いた、生駒のマンションにお伺いました。
このリノベーションでは、ご家族で調理をする為の使い易いキッチンとして、四角いキッチンを設計させて頂きました
もともと和室だった場所を広めのキッチンにして、窓から外の緑が見える気持ちの良いキッチンになりました。

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四角いキッチンは、テーブルを囲むように調理作業が出来ます。
学校にあった家庭科室の流し台や、理科実験室の作業台も四角いステンレスの台でしたね。

このキッチンは、天板が大きすぎても小さ過ぎても使い難くなるので、寸法はシビアに検討しました。

二年ほどこのキッチンをお使いになられ、使いごこちについてお聞かせ頂きました。大変使い易いキッチンなので、是非今後も設計に取り入れられると良いですよと仰って頂けました。

調理台は一段下げて、水を流すことができるようにしています。水が手前に垂れることがなくて良いとのことでした。シンクに向けて少しテーパーをつけていますが、もう少しテーパーをつけた方が水はけは良さそうです。
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コンロは四つ口コンロで、操作ツマミが上面にあるタイプです。
右の通路側に油ハネが飛ばないように、ガラスのつい立てをつけました。
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このようなキッチンの設計は始めてでしたので、実際に置いてみた時に大きさによる圧迫感を感じないかどうか気になりましたが、意外と小ぶりに感じ、違和感なく納まりました。

台の下は収納スペースをたっぷり作っています。

テーブルのような四角いキッチン。
いかがですか。
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by frontdesign | 2016-08-26 00:04 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

照明器具


昨日は老松町に行く用事があり、ついでに淀屋橋のKASHIWA木工のショールームに寄ってダイニングチェアやソファーなどを見てきました。展示処分品のランプに目が行き衝動買いをしてしまいました。家具カタログ一式を含め結構重たい荷物になりましたが、電車に乗って持ち帰りました。事務所で点灯すると、何とも温かみのある灯りになりました。(ランプは40Wの電球。)

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仕事の場には昼間の太陽の光の色(太陽高度の高い時の光・白っぽい昼白色)の方が脳が覚醒して作業効率が良いそうですが、光を灯す時間帯には夕日の色(太陽高度の低い時の光・黄色っぽい電球色)の光を浴びる方が、人間の体内時計(サーカディアンリズム・概日リズム)を崩さないそうです。逆に深夜まで白い光を浴びていると、体が昼間と勘違いをして自然な睡眠誘導を損なうようです。

照明と高齢者の関係について大光電機の中尾晋也さんのセミナーを受けたときに、電球色の光と昼白色の光について高齢者のものの見えやすさを比較すると、電球色の方が見えやすい結果になったとお聞きしました。黄色っぽい光はなんとなく暗いように感じますが、ものの見え方は明るさの感じ方とは違うようですね。

住宅のくつろぎの場の照明は、夕日の色に近い電球色で、照度は明る過ぎず、そして少し低い位置に灯すと落ち着くと言われています。






by frontdesign | 2016-08-05 19:29 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

ピアノの置き場

住宅の計画をする時に、ピアノを置く場所は悩む場所のひとつです。

木の楽器ですので、LDKに置く場合は湯気が上がるキッチンからは離したいところ。直射日光が強く当たるような場所も避けたいです。椅子を引いて弾きますので、椅子の後ろのスペースもある程度は必要です。
部屋の形は正方形の部屋よりも長方形の部屋の方が断然音響が良く、長方形必須とも言われています。
また、落ち着いて弾くことが出来る場所がいいですね。

法華寺町の家は居間にアップライトのピアノを置かれる計画で、回り階段の下をピアノ置き場にしました。
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10畳ほどの居間食堂の空間でピアノがあまり出っ張らないようにするための工夫ですが、回り階段の下なので天井が低くなります。
ピアノを置くところの天井は他の天井より一段低くても音響的には良いらしいのですが、楽器やスピーカーは実際にその場に置いてみないとどんな音の響きになるかわかりません。

設置後にピアノを弾かれたら、今までと比べてまるで別のピアノと思えるぐらい音がまろやかになり、とても良くなったとお聞きしました。無垢の木を内装に多く使っているのも影響しているように思います。

先日お伺いした時に、お子さんがピアノを弾いて聞かせてくれました。響き良くとても熟成した音色でした。
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お使いのピアノの音の響きが良くないとお感じの場合、置く場所や内装の仕上げを変えるだけで音が良くなることもあるかもしれませんね。

ピアノは大きな空間を占めますが、楽器のある暮らしは良いなと思います。





by frontdesign | 2015-12-04 21:44 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

床の間と 茗荷の引手  旧大西家住宅(奈良町にぎわいの家)

先日、ならをつなぐ家づくりの会で奈良町町家見学会をしました。
現在改修中の町家の改修現場(築200年江戸期)を見学させていただくことがメインでしたが、この4月から奈良町にぎわいの家として利活用されている旧大西家住宅(築100年大正期)も見学させていただきました。

広間の茶室(八畳)の床の間。
昨年の珠光茶会の奈良町会場として旧大西家住宅が使われていたそうで、その時に広間の一室が茶室へ改装されたようです。この床の間の監修は、茶道具工芸家の川﨑鳳嶽氏がされたそうです。
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床脇の前柱は二月堂のお水取りの松明です。
框は神代栗の名栗で落とし掛けは桂の神代古木。床柱は東大寺の小屋組の改修材、お松明の後ろに隠れている脇床柱は西大寺の欅の古材だそうです。
(方位的にも東大寺が東、西大寺が西の配置になっていました。)
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奈良の古いお家のお茶室など拝見させていただくと、社寺で使われていた古材や祭事のお下がりのものを使われていることも珍しくないのですが、お松明を床柱として使われているのは初めて拝見しました。



こちらは15畳の大広間。
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床の間の向かい側に位置する大きな仏間。
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地方によっては大きな仏間を備える民家がたくさんあるところもありますが(その地の宗派の関係もありますが)、奈良では初めてみました。
かなり立派な仏間でした。


こちらの屋敷の引き手は、茗荷(みょうが)紋様のものが多く使われていました。
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床脇の建具が凄い。工芸品のようです。


襖の引き手でこのようなものもありました。
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これもたぶん茗荷でしょうね。大変素晴らしかったです。
by frontdesign | 2015-07-19 18:49 | 設計について考える | Trackback | Comments(2)

天窓 

天窓専門メーカーのVELUXの方が新しいカタログを持って来られました。

天窓からの採光はとても明るく、また、開閉式の天窓をつけると効果的に風の道を作ることが出来るので
今まで多くの設計に天窓を取り入れています。
雨が降ると自動的に閉まる電動式のタイプを設置する事も多いのですが
電動用リモコンが新タイプに変わったそうで、実物サンプルを見せて頂きました。

タッチパネルのタブレット式のリモコンです。
今までのスティックタイプのカタカナ表示のものに比べると、とてもわかり易くなりました。

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絵の表示でプログラムの設定もし易そう。
今までの商品でも同様の設定を出来たようですが、操作がかなり難しくてあまり利用されていなかったそうです。


天窓や越屋根の窓など、家の上部に空気の抜ける道を作ることで夏場は1階も2階も随分涼しくなります。

事務所の建物にも天窓がついています。
夏は涼しく、冬は太陽の恵みを感じることができて本当に快適です。
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 住まいの設計 「木の家づくり」 奈良県生駒市 一級建築士事務所 FRONTdesign  



by frontdesign | 2015-06-06 13:35 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

防災のこと 避難所HUG体験

先日も大きな地震がありました。
私の住む奈良はあまり揺れなかったのですが、地震が起こるたびに防災の重要性を思います。

少し前のことになりますが、2月27、28日に東京で開催された全国女性建築士連絡協議会(建築士会の女性委員会の全国大会・全建女)に参加しました。
今年度のテーマは「未来へつなぐ居住環境づくり ~大切にしたい暮らし方~」でした。
基調講演は“ネイバーフッド(neighborhood=近所近隣)デザイン”を提唱されている荒昌史氏による「東日本大震災から学ぶ“よき避難者”を育成する防災減災」でした。ネイバーフッドデザインと言う言葉は
「近くで暮らしている人々の人間関係のデザインを通じた“社会課題の解決”」
という意味で、“都市にご近所付き合いを作って、社会の課題を解決しよう!”という方法論を意味するそうです。
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“よき避難者を育成する“というテーマでは
避難の原点
自助と共助の重要性
時間の経過により発生する問題の変化
帰宅困難者や避難所の運営
等についての話をお聞きしました。よき避難者の育成と言う観点は、人口密集地の首都圏に限らず地方や地域でも減災につながると感じました。

建築士会女性委員会の事業報告では、福島、宮城、岩手、千葉の4県の方の報告がありました。
福島の女性委員会では放射線対策住宅の仕様の研究をされていて「考えよう!明日を担う子供達のための住まいづくり」という冊子になって、連合会女性委員会から700円で販売されています。放射線の種類による透過性の違いなどの詳しいデータも掲載されています。
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放射線対策の住まいを作らなければならない現状は何とも言えないものがありますが、想定外の大地震の発生と原発の問題を考えると日本のどの地域でも今後課題になりうることで、子どもの未来を思うと根本的な問題を感じ非常に複雑な気持ちになります。

宮城の報告“ふるさと再生&「記憶の中の住まい」”は、震災で家を失くした方に向けた活動でした。(女性建築技術者の会との共同事業) 
それまで長く暮らしていた家のことについて何度もヒアリングをして、暮らしぶりのコメントを書き込んだ図面(平面図)を作成してお渡しするというボランティア活動で、完成した図面を受け取られた方はみなさま大変喜ばれたそうです。日常の暮らしの“記憶”が生きる心の支えになることを思うと、とても感慨深いものがありました。
この「記憶の中の住まい」の活動は女性建築技術者の会でされている活動で、「アルバムの家」という本も出版されています。設計を生業としている女性の“子どもの頃の自分の家”に対する目線は、大変面白かったです。
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二日目の分科会では「震災①防災への取り組み」に参加しました。
大阪と神奈川の二府県の女性委員会の方が発表をされ、建築士としてどのように防災に取り組むかを考えました。大阪の発表は「小学校高学年の子供たちがいのちを守る住まいづくりについて学ぶ“こども住まいらぼプロジェクト”」の実践報告でした。ストローハウスづくりの出前授業で家の構造と仕組みを学ぶ子供たちの様子や反応をお聞きしました。参加者の私たちも実際にストローハウスを作ってみました。ストローハウス作りは他県の建築士会等でも実践されているところがいくつかあるとのことでした。

神奈川の発表は「避難所の空間構成と建築士のかかわり」と「避難所運営の疑似体験“HUG”」の実践報告でした。
避難所HUG
(避難所HUGは、平成19年度に静岡県が開発した防災ゲーム。)

グループに分かれて実際にHUGを体験しました。
設定場所は、地震発生後2時間経過した避難所(小学校)です。次々と来られる避難者(名前、年齢、住所情報がアナウンスされる)ひとりひとりの情報が書かれたカードを小学校の大きな平面図に配置する作業ですが、次々と手際よく対応しなければなりません。避難者の居場所を体育館に設定するグループが多かったのですが教室に設定するグループも有りました。家族づれ、高齢者、体調の悪い人、親とはぐれた子どもたち、外国人のボランティア志望者、そして仮設トイレも運ばれます。トイレはどこに。そのうち大量に救援物資が届きますが置場はどこに、車はどこに。
予測しながら考えているつもりが、パニックに陥りやすいことがよくわかりました。
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実際にJビレッジで避難所を運営されていた方や避難所体験をされた方も参加されており、ワークショップ終了後の意見交換会では避難所での多種多様な問題の発生について話をお聞きしました。
避難所を運営していた方の提案として、避難所の場所を知らない方が意外と多いので(観光者等の地域の住人以外の方も含め)、指定避難場所の常備品の中にアドバルーンを設置し、災害発生時にはまずアドバルーンを上げ、徒歩の方も車の方も遠くからでもアドバルーンを目がけて避難所に来ることが出来るようにすると、避難の混乱が避けられるとおっしゃっていました。
また、小学校が避難所の場合は体育館に避難者が寝泊まりするケースが多いそうですが、体育館の環境は劣悪なので避難者は教室に誘導する方が望ましいという意見も有りました。(体育館は大量の救援物資置場に望ましい。屋根が必要。)
しかしながら、小学校は早期の再開が望まれるので、長期化する可能性がある場合の教室の使用は難しく、そのような意味で小学校は避難所として不向きであるという意見も出ました。
いろいろな意見をお聞きしていると、自分自身の防災意識の低さや知識の無さがよくわかり、大変勉強になりました。

今回、地震や津波にによる災害の教訓を元に防災の仕組みや避難所運営のことを学びましたが、いま世界で起きている戦争で被災した市民も同様の避難所生活を送り、苦しみ悲しみに加え恐怖をも味わっているであろうことを、被災をテーマとした話をお聞きする中で想像しました。
国家や権力の犠牲になって被災し、住み慣れた地域や家や家族をなくすことが無い世の中であってほしいと願います。





 住まいの設計 「木の家づくり」 奈良県生駒市 一級建築士事務所 FRONTdesign  



by frontdesign | 2015-06-02 19:28 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

細部のつづき  畳の目

「逸話に学ぶ茶室と露地」という本を読みました。
南方録や茶譜、山上宗二記、古田織部正殿聞書、槐記、茶道四祖伝書、、、等々に記された話(現代語)とその補足解説が分類別にまとめられてあり、気軽に楽しめる面白い本でした。

埋め木の座敷
利休の門下の茶人がどのような座敷が良い茶室かを利休に訊ねると、
「埋め木の多い座敷」と答えたそうです。(茶話指月集)
埋め木とは再利用した古材のほぞ穴に埋める埋め木のことで
貴重な再利用の古材を多く用いている座敷を良い座敷とする、という意味です。
そこまで言いいますか、とも思いますが、古いものが伝わり使われることに価値を認めていたことがわかる話ですね。
利休の好みや嫌いな事はみな周知のことですが、あえて利休の禁じ手を実践する茶人も少なくなかったようです。

畳の目の話
畳の目には本(モト 縫い初め)と末があり、縫い初めは丸目(1目)になり目もまっすぐでよじれも有りません。末は半目になってしまいよじれも生じるので、だらしない風にもなるようです。(槐記)
だから炉の周りは本(丸目)がくるようにしなければならず
そうするときちっとして、程よい緊張感のある茶室になるとの事。
以前に茶室を設計させていただいた時に、
4畳半全ての畳の丸目半目の位置についてしっかり畳屋さんとも打ち合わせをして指示しましたが、
(茶事では畳の目数も指標にしますので、大事なところが丸目からはじまるようにということ。)
ああ、根本的にはそういう事(よじれのだらしなさと、程よい緊張感)の為だと言うことを知りました。


この写真の畳は、15年ぐらい前に表替えした和紙畳です。(茶室ではありません。)
その前の畳表があまりにもささくれたもので、子どもが小さかったこともあり丈夫な和紙畳にし、縁も目立たない色にしました。
和紙畳は丈夫で良いのですが、国産イグサにして茶か黒の縁にしておけばよかったなと思う今日この頃です。
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 住まいの設計 「木の家づくり」 奈良県生駒市 一級建築士事務所 FRONTdesign  
by frontdesign | 2015-05-22 13:37 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 奈良県生駒市


by yuriko iwaki