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奈良近代化の心フォーラム と 旧奈良県庁舎(天理教一れつ会館)

公益法人日本建築家協会近畿支部奈良地域会主催の「近代化の心フォーラム」が開催されました。
東京芸大名誉教授の前野まさる先生と建築家好川忠延さんのお話をお聞きすることが出来、大変充実したフォーラムでした。

会場の日本聖公会奈良基督教会。近鉄奈良駅より徒歩5分。
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設計は同教会信徒の宮大工大木吉太郎氏で
興福寺に隣接する立地条件のなか、キリスト教会の形式を守りながら見事に日本建築様式で建てられた教会です。(昭和5年)

礼拝堂内部。
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奈良公園界隈は、興福寺、東大寺、春日大社などの社寺仏閣が自然と調和して景観を形成していますが
明治27年に同公園内に宮内省の建築家片山東熊が帝室奈良博物館(現国立博物館)を建てた時、古都の景観にそぐわないと酷評され、
その後は政治的判断がはたらき、この界隈では和風の外観をとる建物が建築される事になりました。(いくつかの例外を除く。)

東大寺二月堂からの風景。正面は大仏殿。
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その後の建築の模範となったのが、長野宇平治設計の旧奈良県庁舎とのこと。(明治28年)
旧奈良県庁舎については、どのような建物であったのか写真も見たことが無く、また図面や資料も残っているかどうか不明と聞いたことがありました。
今日のお話をお聞きしてどのような建物か知りたくなりインターネットで調べてみると、小さな外観写真を数点見ることが出来ました。
旧奈良県庁舎は昭和40年に移築され「天理教一れつ会館」として使われいたようですが、現在は「解体保存中」となっています。
昭和63年(まだ現存していた頃)に、保存要望書が出ていることも分かりました。
また、建っていた場所は天理大学の現在体育館の建っている場所のようで、
国土地理院の航空写真で当時のものを見ると、その場所にそれらしいものがありました。
また、昭和20年の奈良公園界隈の航空写真でも旧奈良県庁舎を確認する事ができましたが、
天理の写真と比べてみると少し形が変わっている部分があるようでした。
古い航空写真を見ていると、ここ数十年の間に町並みの屋根が随分変わっているなぁと思いました。


この旧奈良県庁舎は、同時期の近代和風建築の中でもプロポーションが美しいそうで
そのような美しさが模範とされていたことも興味深く思います。




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by frontdesign | 2013-04-26 08:58 | 建物探訪&散歩 | Trackback | Comments(0)

四君子苑 と とらや

四君子苑に行ってきました。(春の公開)
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四君子苑は吉野の林業家、北村謹次郎氏の居邸。名工北村捨次郎による作で昭和19年に完成した数寄屋建築です。
茶室部分と居住部分に分かれていますが、居住部分は戦後進駐軍に接収・改修されたこともあり、
進駐軍撤退後に吉田五十八氏の設計で建て替えられ、昭和38年に完成した鉄筋コンクリート造平屋建ての建物です。

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内部は、栗、杉、アテ、松、等いろいろな材料が使われておりますが、茶室部分はアテの細い出節丸太がたくさん使われていました。
北村謹次郎氏、名工捨次郎氏両氏で材料から吟味し、大変凝った仕事をされたそうです。
材料については北村家の吉野の山の木は一本も使わず、供出の危機(普請は戦時中)に遭っていた銘木で普請されたとの事。
吉田五十八氏設計の増築部分は、天井高さが高く、床はカーペット敷き、外部建具も天井まで、部屋の角に柱が無く、庭を一望できる空間。
居間の横に北村謹次郎氏が座られていたであろう書斎デスクがありますが、そこから見る庭の眺めの良いこと。
二間続きの和室の間を仕切る建具は、天井までの高さの欄間付き襖。
全てを壁の中に引き込むと大広間になりますが、納まる壁のところに柱があり、その柱を軸回しで回転させて開閉して収納する仕掛けです。これは所員さんの発案とのこと。

室内は撮影禁止の為写真は無いのですが、庭を囲む贅沢なつくりで場面によって大きく違う空間構成と高さ感が興味深かったです。

四君子苑は庭の石造物でも有名だそうで、歴史のある石灯籠、宝塔、石仏などがたくさんありました。
小間の茶室、珍散蓮(2畳台目中板入り下座床相伴席つき)の前の広縁の下に敷かれた巨石の沓脱石は、石棺の蓋だそうです。

今回は建築ばかり見ていましたが、次回は庭の石仏を中心に見に行きたいと思います。

邸内のあちらこちらに掛かる吊り灯籠も、由緒ある美術品ばかりです。


隣の北村美術館より撮影。写真下の灯籠は高麗~李朝時代の朝鮮灯籠(弔燈)
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長屋門形式の表門の屋根。

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2時間ほど四君子苑を見学させていただき、
そのあと近くの出町柳商店街のうどん屋さんで鯖寿司セットを食べながら、やまんばと鯖街道に思いをはせ
せっかくなのでパーキング横の鴨川べりのベンチに少し座りに行き、帰り道に御所横のとらやに行ってみました。内藤廣さんの設計です。


北側の庭席。簀戸が入っています。
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水辺と庭。 手前の左側には蔵とお稲荷さんの社があります。
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この日はとても寒かったのですが、店内が満席だった為、庭を見ながら外席でお茶をいただきました。
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水面と食べ物(飲み物)の取り合いを見ていると、鴨川の床を思い起こしました。

店入口の南側の席。こちらも夏場は簀戸が入るようです。入口上に注連縄がかかっています。
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とらやの暖簾。細かく入った垂木は、断面が猿頬のような5角形です。下から見たときの見つけが細くなります。
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店内も化粧樽気がそのまま天井を構成しています。中央はトップライト。
ペンダントの照明器具の小口は虎屋のマーク。
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駐車場への路地。高い垣もうまく作られています。
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四君子苑ととらやは、使われている素材もそれぞれ違いますし異なる趣の建築物ですが、柱と開放性、庭との関係、古いものとの関わり、出すところ、出さないところの考え方が異質ではないように思いました。

日本の建築を考えるにやはり建具は大事。
建具と柱、横のライン、床より天井、出す・出さない、、、 
抽象的な表現ですが、そのような事が頭をよぎりました。


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by frontdesign | 2013-04-22 19:28 | 建物探訪&散歩 | Trackback | Comments(2)

バウムクーヘンDERBARさん

西登美ヶ丘のデルベアさんに伺いました。竣工してそろそろ6年半になります。

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お願いしていたバウム。今回はチョコレートコーティングです。
チョコとホワイトチョコ、どちらにするか迷っていたら両方作って下さいました。(ありがとうございます!)
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帰ってさっそく頂きました!
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卵の風味を感じるしっかりした生地に、甘すぎないチョコレート。
材料に拘られたとても上質なバウムクーヘンです。

デルベアさんのホームページ。
自然の恵みが詰まった、こだわりのバウムクーヘン DERBAR

インターネットで全国に販売されています。


お店の方ではジャムも販売されています。キウイとイチゴを頂きました。明日のパンが楽しみです。
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デルベアさんの店内の様子はコチラ。(以前のブログより)
床、壁と吉野杉を使っています。



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by frontdesign | 2013-04-20 13:52 | 食べること | Trackback | Comments(0)

ふくろうの家 改修後3年目

ふくろうの家の改修工事から早いもので3年が経ちました。

改修前はこのような居間でした。
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広縁と居間をつなげて壁も補強を施し居間兼食堂の空間になりました。3年目の様子。

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信州唐松の床板も濃いあめ色になりました。


今回は浴室の桧の板のメンテナンスをしました。
ポツポツとついた黒いカビの部分をサンダーで削り、アルコールで消毒して
乾いてから植物性の撥水オイルを塗りました。
表面的なものはサンダーを掛けずにアルコールを染み込ませ、時間をおいてふき取るだけでも取れました。
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ついでに桧の風呂椅子もサンダーを掛け、スッキリしました。


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無垢の木は腐らなければ、少し削ると綺麗になります。


手入れが終わる頃に、「宜しければお昼もどうぞ」 と声を掛けていただき遠慮なくご馳走になる事に。

ツナのトマトソースのパスタです。(美味しそう。)
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料理の先生もされておられ、手際よく作られます。
トッピングは木の芽。
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大変美味しかったです。 ご家族が羨ましい。
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改修前のキッチンは、このようなダイニングキッチンでした。

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改修後は食堂と居間を同じ空間にして、広々とした独立キッチンにしました。

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食卓のテーブルは、長さ2.7Mのタモの大テーブルを大工さんに作ってもらいました。


お庭の手入れはご主人が丹精されており、緑が豊かなお住まいです。
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家々の庭木が生き生きしていると、町並みにも潤いを感じます。


ふくろうの家before after はこちらから。
木の家リフォーム、いかがですか。


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by frontdesign | 2013-04-17 18:10 | リフォーム ふくろうの家 | Trackback | Comments(0)

奈良をつなぐ家づくりの会 吉野の森バスツアー!

奈良をつなぐ家づくりの会が結成されてもうすぐ1年になります。A4三つ折りのパンフレットもこの春完成しました。

デザインは、イラストレーターの矢田勝美さん。とても素敵な手描きの文字とイラストで紙面を作っていただきました。
私たちの会のコンセプトも真っ直ぐ表現していただいているように思います。

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そして、奈良をつなぐ家づくりの会では5月13日に吉野の森と木の家の見学バスツアーを開催します。

木の家づくりを考えていらっしゃる方に
吉野の森からはじまる家づくりのことを知っていただくために、この日帰りツアーを企画しました。

このチラシも矢田さんのデザイン。とても楽しい見学会になりそうな予感がします。

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吉野の森を山守さんに案内していただき、そのあと製材所へ行き
伐採された木々が、柱などの家をつくる材料になる過程を見て頂きます。
最後に、吉野材で建てられた築6年のお住まいを見学させていただきます。
お昼ご飯は河原でお弁当!

新緑が心地よいこの季節に、吉野の森とそこから生まれる木の家を体感してみませんか。
(詳細は後日ご案内申し上げます。)


イラストレーター 矢田勝美さんのホームページ




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by frontdesign | 2013-04-10 16:52 | 奈良をつなぐ家づくりの会 | Trackback | Comments(0)

"社会派建築宣言"

社会派建築宣言
〜誰もが人間らしく生きる生活空間の創造〜
新建築家技術者集団 編著 東洋書店

が出版されました。
新建築家技術者集団結成40周年の2010年に企画されたもので、新建会員の個々の活動報告集です。

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第二部の「建築家技術者の様々な実践」の中で私も4頁ほど担当させていただきました。
日常業務の住宅設計で実践していることや、個人の住宅の在り方にこそ社会性があるのではないかと感じている事などを書かせて頂きました。

本多昭一先生の書かれた序文は
「海賊船の罐焚きたちはどう成長したか」と言うテーマで、これは何のことだろうかと思いましたが、読んでみて納得しました。
何を目的とし1920年以降の建築運動が行われてきたか。
新建の歴史は建築運動史の一端を担っています。

400頁に及ぶ新建会員の報告集。

大変充実しており読み応えがあります。





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 奈良県生駒市 一級建築士事務所 FRONTdesign  

by frontdesign | 2013-04-09 20:42 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

近代化の心フォーラム  奈良

先月後半からなかなかブログを更新することができませんでしたが、元気に過ごしております。


4月25日に奈良市日本聖公会奈良基督教会にて「近代化の心フォーラム」が開催されます。
(公益法人日本建築家協会近畿支部奈良地域会主催)
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先日、事前打ち合わせに参加させていただき、講師の前野先生の話をお聞きすることが出来ました。

古いものは何でも保存せねばならないのかと言うとそういうものではなく、では何故残さなければならないのか。
希少な価値が重要と言うことではなく、建築には重要な文脈があると言う事。
次の時代につないでいかないといけない理由は何か。
もの(建築)の存在はどういう事か、ものから読み取るということはどういうことか。

東京駅や奏楽堂、明日館など今まで関わって来られたいくつかの事例を挙げられ、それぞれの保存の理念をご説明くださいました。
当日はその他、保存の原則や調査・運動の理解を得る方法など保存活動の実践的な内容についてもお話いただけると思います。


新しい建築をするにしても、古い建築をどう理解するかは大変重要なテーマだと思います。


日時:4月25日(木) 15:00~17:15 (14:30より受付)
講師:前野まさる氏 東京芸術大学名誉教授
    パネルディスカッション進行 好川忠延氏 建築家   
場所:日本聖公会 奈良基督教会 奈良市登大路45(東向き商店街内)

※申し込み不要、無料でご参加いただけます。

是非ともお越しください。
by frontdesign | 2013-04-06 22:52 | その他 | Trackback | Comments(0)

国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 奈良県生駒市


by yuriko iwaki