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2014大晦日

年の瀬、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
昨日は仕事納めをしたあと、息子も出演する晦日ライブを京都まで見に行ってきました。ライブの中でバンドのメンバーが今年一年を振り返る話があり、音楽をしている若い人達が一年の目標を持って懸命に活動している様子を聞いていると、純粋で活気があり良いなと思いました。

今年一年を振り返ると事務所の移転も含めいろいろな事が有りましたが、12月に入ってから彫刻刀を使い始めたのもそのひとつです。
刃物を使うのは学生時代からあまり得意ではないのですが、秋岡芳夫さんの本を読んで大変刺激を受けまして、もっと木を知るために木に触れ木理を感じながら削りたい、そのための道具の刃物を知りたい、人と木と道具の関係を身を以て体験したいと思った次第です。
彫刻刀を手に入れてさて何を削ろうかと身の回りにある木端を試しに削っていましたが、川上村の道の駅で買ったスツールの杉の座面を思い切って削る事にしました。

掘りはじめ。元は綺麗な杉の板目でした。
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最初は刃の大きさのままに細かく削っていましたが、マカダミアナッツの形を意識しながら(?)目が大きなくなるように彫りました。
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良くなったのか悪くなったのかわかりませんが(笑)、ツルツルではない手触りも良いように思っています。

削ってみると、木による違い(杉は大変柔らかいのですがそれはそれで削りにくかったりします)、繊維の方向、逆目、木表木裏もわかります。
そのうち広葉樹の硬い木をよく切れる刃物でサクサクと削ってみたいと思っていますが、そのためには刃を上手に研げなければなりません。そこが難易度高いです。


今年も多くの方との出会いがありました。教えられ刺激をいただき、充実した一年だったと思います。
お世話になりました皆様、ブログを読んでくださっている皆様、有難うございました。
来年もどうぞよろしくお願い致します。


では、良いお年をお過ごしください。
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 住まいの設計 「木の家づくり」 奈良県生駒市 一級建築士事務所 FRONTdesign  
by frontdesign | 2014-12-31 16:31 | その他 | Trackback | Comments(0)

天井と税金

師走の怒涛の選挙も終わりました。
税の徴収や使われ方は政治に対する関心事のひとつです。

歴史的にも家にまつわる課税の話はいろいろあります。有名なところでは間口税と言うものがあり、道に面する家の間口の長さに比例して課税された時代がありました。京都の町家に代表するような間口が狭く奥行きが長い"うなぎの寝床"の地割りは、節税の工夫として発生したもので、今も情緒ある景観として軒を連ねる街並みが多くの地域で残っています。
その他にも、玄関が広いと課税、床の間をつくると課税(庶民は床の間を作ることさえ禁止されている時期もありました)それから、壁を白くすると課税!、四角い柱を使うと一本あたりいくらと言う具合で課税!(今では考えられません)など、贅沢に繋がるようなことは課税の対象になっていました。
ちなみに、柱は丸太や面皮付きだと無税だそうで、茶室(数寄屋)は素材の形が自然のままであったり土壁同様で、お金をかけた普請でも無税だったようです。玄関もありませんしね。
また、天井を張ることも贅沢とされ、禁止されたり課税の対象になっていた時代がありました。
天井はそもそも屋根裏からの土やホコリが落ちてくるのを防ぐ役割がありますが(ホコリを防ぐのが贅沢なのか)、昔の民家を見ていると座敷以外の部分には天井が張られずに構造がそのまま見えているものが多くあります。
天井が無いからといって簡素かと言うとそうでも無く、とても立派な欅や松の梁が象徴的に掛けられており、当時は磨き込んで大事にしていたそうです。
この辺りの民家では、竈さん手前の土間に煙返しと呼ばれる梁が必要以上に大きな材で入っており、見栄の意もあったとのことです。
この大きな梁はかなり低い位置まで入っているので、改修の時に対処に悩むこともしばしば。

質素倹約が強いられ、家に対する禁止事項や課税が多くあった時代でも、大衆は税の対象にはならない範囲で贅沢をする楽しみがあったようです。
うなぎの寝床の区画割りも含め、課税対策の工夫がひとつのかたちとして発展し、伝統として受け継がれていることがたくさんありそうです。

天井もいろいろ。
角材の竿縁は課税され、竹や丸太だと非課税。
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うーん。よくわかりません。
by frontdesign | 2014-12-16 21:13 | 和室と日本建築  | Trackback | Comments(2)

柿の木

今日立ち寄った奈良市山陵町で、とても背の高い柿の木を見かけました。あまり成長の早い木ではないので、そこそこな樹齢かもしれません。
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鈴なりに実がついています。

柿の木は、材木として普段の仕事では馴染みがないのですが、黒の入った黒柿は珍重されており、床柱や家具、そして茶道具にも使われているようです。正倉院の御物にも黒柿のものがあるので、かなり昔から使われていた材種なのでしょう。




最近、秋岡芳夫さんの本を読んでいます。
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木のことやものづくりのこと、ものづくりがされていた町や集落のことなど、今の時代に失われたものづくりと人の営みについての根本的なところを、作り手の感性で書かれてあります。木については、普段私が馴染みのない木のことや、木を枯らすこと(伐ってから加工するまで何十年も、次の世代の加工まで置いておく)、樹齢300年の広葉樹を伐る伐らないの話もありますが、一貫した視点がありとても面白いです。
秋岡さんの本を読んでいますと、自分の手で木を削ってみたくなります。

大きな柿の木。
青空の下、ゆっくりと時間が流れますように。



 住まいの設計 「木の家づくり」 奈良県生駒市 一級建築士事務所 FRONTdesign  
by frontdesign | 2014-12-09 16:54 | Trackback | Comments(0)

Joの家 進捗状況 耐力壁

軸組の工事が進んでいます。筋違い(耐力壁)が入り中間検査を受けました。
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床には厚さ30㎜の杉板を張ります。
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床下地に構造用合板を使用しないので、床が出来るまでは大引きのまま。2階も同様で、床が張られるまでは構造のままですので気を付けて歩いています。
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今回は、屋根の野地板以外には合板を使わないので、筋違が適さない幅の狭い耐力壁部分にはモイスを併用しました。
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建物には重心(建物の平面的な形の中心)と剛心(耐力壁の配置された位置による力の中心。xy軸による。)があります。地震時など建物に大きな力が加わった時に、重心と剛心の位置が離れていると揺れによって建物にねじれのような現象が起き、自ら揺れを増幅させて破壊力を高めてしまいます。
阪神大震災の時にもこのことに起因した倒壊事例がたくさんありましたので、震災後には耐力壁のバランスをある程度確認をすることが法律で義務づけられました。(それ以前は、耐力壁の量のみが法で規定されていました。)
設計時には剛心が重心の位置が出来る限り近づける(偏心率を0に近づける)ように、個々の筋違い(耐力壁)の壁倍率と位置を調整しながら設計しており、Joの家は重心と剛心をほぼ同位置に持ってくることが出来ました。



木材は全て吉野材で、土台、大引、筋違、1階柱と通し柱は桧、2階柱と横架材は杉です。
現場には日々材料が持ち込まれています。これは、手前が下地材で奥の厚板は破風の杉板です。
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これらは外壁左官下地に使う杉板。
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木の家1軒を建てる中で、木のいろいろな部分が適材適所で使われます。




吉野の森から運ばれてきた木を見ていると、ここに森の一部が移動したと感じます。
昨今の環境負荷の考え方では、木造建築のことを”都市の森”(二酸化炭素の蓄積場所)とも表現されています。

山の様子についてはこちら↓も合わせてご覧になっていただけると幸いです。
奈良をつなぐ家づくりの会第五回吉野の森バスツアー





 住まいの設計 「木の家づくり」 奈良県生駒市 一級建築士事務所 FRONTdesign  
by frontdesign | 2014-12-07 13:41 | 新築 Joの家 | Trackback | Comments(0)

第5回吉野の森バスツアー

奈良をつなぐ家づくりの会では毎年2回、吉野の森バスツアーを開催しています。今回は第5回目。

前日はしとしと雨が降っていましたが、当日は朝から素晴らしい好天に恵まれました。桜井でバスに乗り込み、川上村の林業地へ。
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杉と桧の植林地。
私たちの会の吉野の森バスツアーは、泉谷木材商店の泉谷さんが企画と山の案内をして下さっています。泉谷さんの説明はとても分かり易く、木のこと、山のこと、林業のことがよく分かります。
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大きくて立派な木ですね。木は生きています。
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吉野は吉野林業と言う独自の施業方法が有り、他地域に比べると植林自体が密植で、時間をかけてゆっくり真っ直ぐ木を成長させるので、通直(まっすぐで、木の上と下の直径の差が少ない)で、年輪が細かいのが特徴です。年輪が細かい木は、建築用材にした時に強度が強い材になります。同じ杉材でも、産地によって強度は異なります。(吉野で年輪の細かい木を作ってきたのは、元々吉野材は樽丸用につくられていたことに起因します。)

230年生の杉の伐採後の現場と、近くの山の神様のところへ。
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林業の世界では今も山の神の信仰が続いています。川上村協力隊の早稲田さんが話をしてくれました。
自然に全てが支配され危険な作業も伴うため、無事を祈ります。自然に対して畏怖の念を持つことはとても大事な事だと思います。

ここでは、伐採の方法と吉野材の特徴でもある葉がらしの話を聞きました。


お昼は丸岡材木店で、吉野の原木椎茸と鹿肉を焼いて食べました。
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鹿肉のバーベキュー。焼いて食べるのは初めてでしたが、とても柔らかくて素晴らしく美味しかったです!
赤身でカロリーも低そう。
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食事の後は、丸岡材木店の岡本さんが製材の説明をしてくださいまいした。
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1等材(節の有る板)の、節が抜けそうなところの埋木を体験させてもらいました。
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杉の床板材。
 「いいなぁ。」「いいでしょう。」「温かいなぁ。」「綺麗な材やなぁ。」
実際に触ると木の良さがとてもよくわかります。
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桜井市内に戻り、オール吉野材で建てられた木の住まいを見学させていただきました。
山に生えている木を見て、製材所を見学してから実際の木の家を見学すると、木の事がよく分かっていただけると思います。内部の写真を撮り忘れてしまいましたが、木をふんだんに使われた大変素敵なお住まいです。
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そして最後に、菅生銘木を見学させていただきました。こちらは、いろいろな銘木がたくさんあり、設計者としては非常に楽しいところです。
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木や山のことを知ると、日本文化である木造建築が「木と言う自然物」(固くない、永遠でない、生き物である)で出来ていて、そこには脈々と続くその地の時間の長さがあり、また、自分も自然の一部であることを改めて気づきます。


今回は大変多くの方にお申し込みいただきました。
ご参加いただきましたみなさま、遠いところお越しいただき有難うございました。
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次回の吉野の森バスツアーは、来年の4月頃に開催予定です。
是非ご参加いただければと思います。





 住まいの設計 「木の家づくり」 奈良県生駒市 一級建築士事務所 FRONTdesign  
by frontdesign | 2014-12-05 16:45 | 奈良をつなぐ家づくりの会 | Trackback | Comments(0)

国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 奈良県生駒市


by yuriko iwaki