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絵本 ” ナマケモノのいる森で ”

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今日はお施主さんの家でこの本を見せて頂きました。

とても綺麗な飛び出す絵本(仕掛け絵本)です。

森にはたくさんの生物が住んでいます。
ある日森に重機が入り、木の伐採をするころから物語は始まります。a0116442_18415312.jpg

少しずつ木が無くなり、森の住人の生き物たちは・・・。
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最後は感動的なシーンと仕掛けが待っています。



近くの林業地(吉野の森)の木を使った家づくりをしていると、長い時間をかけた森の循環に直接的に関わっていることを感じます。(この絵本の下の板も吉野杉の厚板です。)

森や自然の循環のことを、子どもたちに自然に知ってもらえる絵本だと思いました。

表紙も中身も美しく、大人でも充分楽しめる本です。
どのページも実際の動きと知を働かす部分があり、仕掛けの仕組みも秀逸!


いい絵本を教えて頂き、有難く思います。







 住まいの設計 「木の家づくり」 奈良県生駒市 一級建築士事務所 FRONTdesign  
by frontdesign | 2015-04-25 18:59 | 山のこと | Trackback | Comments(0)

記憶の中の住まい

2月末に開催された全国女性建築士連絡協議会で、福島県建築士会女性委員会の被災地でのボランティア活動の報告をお聞きしました。震災で家を失われた方に、家のことやそこでの暮らしについてのヒアリングをして、住み慣れた家の平面図(暮らしのコメントの入ったもの)を作成してお渡しするという活動です。震災から数年が経ち改めて大きな喪失感を感じておられる時期のようで、図面を受け取られた方々は大変喜ばれたとの事でした。話をお聞きしていると、過去の住まいの記憶が甦ることも、これからを生きる心の支えになるように感じました。

この被災地での活動は、福島県建築士会女性委員会と女性建築技術者の会が一緒にされていたとのことですが、”記憶の中の住まいの図面による再現の活動”は以前より女性建築技術者の会でされており、「アルバムの家」と言う本も出版されています。
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会員33名の方が10歳の頃に住んでいたそれぞれの家について、図面とそこでの暮らしが描かれています。現在40~70歳代ぐらいの方の10歳の時の住まいなので時代背景が今とは全く違いますし、家に父権主義が色濃くあったり、住まいが稼業の場であったり、古民家もあり、また、官舎などの借家であったりと、さまざまな「家」と「記憶」が描かれています。10歳の頃にくまなく見ていた家、家で働く母親の気持ちも子ども(娘)ながらに察している年頃です。楽しかったことばかりではなく、辛かった家の思い出なども。
個々の家のことではありますが、昭和の生活史の一端を見るようで大変面白かったです。

昨夜実家で、母(86歳)が小学校6年生まで住んでいた家の昔話を聞きました。話の発端は、私が子どもの頃に住んでいた家の畳の話で、「前の家では庭で畳を干したりしていたよね」と言う話から始まりました。母が子どもの頃に住んでいた家は杉並の住宅地の平屋の小住宅で、8畳、6畳と、4畳半の間がふたつあったそうです。どの部屋も畳なので畳がたくさんあり、重たい畳を干すのはなかなか大変だったそうです。年末になると、どの家も庭で畳を三角にもたれ掛けさせて干しており、畳屋さんが来て庭で畳の表替えの作業をしているのがあちこちで見られ、畳の匂いもまた12月の風物詩だったそうです。職人さんが縁を縫うのを見るのが面白かったそうで、「こんなカッコで」と肘を立てて縫うしぐさを何度もしていました。庭の奥には共同の井戸が有り(家の中にも水道のカランはあったようですが)、その井戸が近所の人の集まり場になっていたそうです。(江戸時代みたいですね・・・。)ガスは引かれていましたがお風呂は無くて、近くの銭湯に行っていたとの事でした。当時の住宅地にはどこでも銭湯が在ったとのことでした。テレビは無く情報はラジオから。2・26事件の雪の夜は戒厳令が出てとても怖かったとか。戦前の、というか、戦争に向かう時代の東京の話です。このあと母一家の暮らしは戦争に巻き込まれ、大変な数年を過ごすことになります。

母も高齢で物忘れもひどくなってきていますが、子供時代のことはよく覚えており随分懐かしそうに話をしていました。亡くなった父親にも子どもの頃に住んでいた家の話を聞いたことが有りますが、この時も楽しそうに話をしていました。

私が子どもの頃に住んでいた家の話もあと数十年経つとすっかり昔話になるだろうと思いますが、時代は変わっても変わらない日本の住まいの”何か”について、いつも考えています。







 住まいの設計 「木の家づくり」 奈良県生駒市 一級建築士事務所 FRONTdesign  



by frontdesign | 2015-04-24 12:57 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

小さな建物 公衆便所

先日の吉野の森見学バスツアーで立ち寄った蜻蛉の滝公園。
この数奇屋の庵は公園入口にある公衆便所です。扁額も掛かっており、茶室のような佇まい。壁は土壁の真壁づくりで入り口には下地窓もあります。基礎はごろた石の上に土台が乗っており、なかなか気合いの入った御手洗いです。

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最近、このサイズの建築に興味を持って見ていますが、このような公衆便所はなかなか無いですね。
公衆便所らしからぬ理由の一つに、左右非対称なことが有るように思います。
そう言う意味でも茶室っぽいですね。
by frontdesign | 2015-04-23 15:22 | その他 | Trackback | Comments(0)

法華寺町の家 地鎮祭

昨日は法華寺町の家の地鎮祭でした。雲ひとつなく、大変良いお天気でした。
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葉のついた青竹(斎竹)を4本立てて注連縄を竹に結び囲い、しでを掛けて神さまを迎える神籬をつくります。

土地をお守りくださる神さまにご挨拶を申し上げ、工事の安全と守護を祈願しました。
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大祓詞を全員で唱和し、大変厳かな気持ちになりました。

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お施主様、おめでとうございました。



4月も半ばになり、南隣の家のお庭の緑も芽吹いていました。
葉が茂ると日影ができ、地面の水分が保たれますので夏場に涼をもたらしてくれることでしょう。
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模型の右の木々がお隣の庭の木々(借景)です。
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ほぼ平屋で一部2階建ての住まいです。この地に相応しい良い住まいになりますように。









 住まいの設計 「木の家づくり」 奈良県生駒市 一級建築士事務所 FRONTdesign  
by frontdesign | 2015-04-19 16:52 | 新築 法華寺町の家 | Trackback | Comments(0)

第6回吉野の森バスツアー 奈良をつなぐ家づくりの会

12日の日曜日に奈良をつなぐ家づくりの会の第6回吉野の森バスツアーを開催しました。
先週今週と雨が続いておりますが、日曜日はなんとか雨に遭わずにツアーをすることが出来ました。

川上村の280年生の植林地見学、230年生の杉伐採地見学、川上村高原集落の散策、高原の水源地見学、昼食は地元の食材のお弁当をいただきました。吉野はちょうど桜の時期で、蜻蛉の滝公園の枝垂れ桜を見に行き、そのまま山を下りて桜井へ。吉田製材で製材や木材乾燥の方法、製材で出た処分材によるバイオマス熱源の話もお聞きしました。最後に吉野材で建築中の明日香庭球クラブの建築現場へ。
内容盛りだくさんのツアーでした。


280年生の森。江戸時代に植林されたところです。吉野の人工林の歴史は室町時代にはじまり、500余年続いています。
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毎回ツアーのガイドをしてくれている泉谷木材商店の泉谷さん。
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森の水源地へ。
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大変豊富な湧き水です。 お味は自然でまろやかでした。
昔はこの水を直接集落に引いて使っていたそうです。あまりに潤沢なので蛇口はつけず常に流しっぱなしにされていたそうですが、山上の方で一斉皆伐をした時に水が枯れたそうで、その時から水を溜めて各戸に蛇口をつけたそうです。
木と森の涵養機能は大きく関係しています。土壌はスポンジのような状態で、木の生えている土壌の方が地中深くまで水を蓄えています。
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高原地区の集落めぐり。
集落にお住まいの中平さんにご案内いただきました。高原の集落は900年の歴史があるそうです。この界隈の集落はどこも山の中腹(標高600-700m)に位置しています。
山の下のほうには川が流れており流通は下の方になりますが、集落の成り立ちとしては当初はいまよりも高い位置に在ったそうで、時代と共にだんだん下に下がってきたとの事でした。一昔前は、集落でバスを運営していたそうです。
建物のほとんどの屋根は鉄板葺きでした。
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向いの山を見る。
ちょうど正面に皆伐したところがあります。(吉野林業は基本的には皆伐をしません。)
他の面も区画が区切られていて樹高が違います。所有者が違う区域で、植林時期の違いにより木の大きさが異なるため模様のように見えます。
植林地の山を見ているとたまに広葉樹の一帯が有りますが、そこは地盤が岩盤で杉やヒノキが育たないため、植林をしていない地帯です。
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急斜面の山の中腹の高原の集落。まるで桃源郷のようでした。
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午後からは桜井へ。
吉田製材見学。まずは原木の木取りの方法の説明から。
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皮を剥いた丸太を製材します。
「木を見て製材する」ことを教えていただきました。節の無い綺麗な材が挽けました。
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製材は全てオートーメーションではなく、1本ずつ木を見て、これは何に使うかを決めて書き込んでおられます。
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乾燥機とバイオマスボイラー見学。
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製材の時にまずは木の皮を剥きます。大量に出る木の皮は産廃にしかならないものでしたが、この設備では木の皮も燃やせるとの事。画期的です。

木を燃やしても二酸化炭素は発生しますが、その2酸化炭素はもともと木が光合成で空気中の二酸化炭素を蓄えていたものなので±0という考え方です。
同じ燃やすにしても、化石燃料を燃焼させるのとは別に考えられています。



最後に明日香庭球クラブ工事現場へ。
木造の施設で、全て吉野材。150㎥使用。吉野材の集成材は4%程度であとは無垢材です。
深い軒の軒裏。設置前に塗装済みとのこと。
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構造模型も見せて頂きました。越屋根のある平屋の建物です。
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外部は瓦も乗って壁の下地も出来ています。奈良県の明日香(飛鳥)一帯は歴史的風致保全地域で、どのたてものも屋根は瓦葺きと決められています。大きな瓦屋根もなかなか素敵です。
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参加者の皆様、有難うございました。蜻蛉の滝公園枝垂れ桜の木の下で。
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 住まいの設計 「木の家づくり」 奈良県生駒市 一級建築士事務所 FRONTdesign  
by frontdesign | 2015-04-14 15:19 | 奈良をつなぐ家づくりの会 | Trackback | Comments(0)

国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 奈良県生駒市


by yuriko iwaki