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農のある暮らし 基本計画

ゆっくりと進めていた住宅の基本計画がおおよそ決まりました。

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広い田畑の中に建つ農家住宅です。
お施主さんからお聞きする”農のある暮らし”のお話はとても興味深く、農家住宅の機能と利便性について考える機会になりました。

太陽の恵みをたっぷり受けたお米やお野菜を育て収穫されるという暮らしがとても羨ましく思います。
木や山のことを学ぶようになってから、山で育まれた水が川を下りやがて農業用水に使われ、そこから実りがあるという自然の連続を想うようになりました。



ここで行われる農業に思いを寄せ、この地に馴染む家づくりをしたいと思います。

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 住まいの設計 「木の家づくり」 奈良県生駒市 一級建築士事務所 FRONTdesign  
by frontdesign | 2015-05-30 14:16 | 新築 萩の台の家2 | Trackback | Comments(0)

ニンニン   甲賀忍術屋敷

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仕事で甲賀に行ったついでに忍術屋敷へ行きました。
甲賀忍者筆頭格の望月出雲守の屋敷で、元禄年間に建てられたものです。
入口は冠木門。
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玄関前にはお決まりのソテツ。
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座敷で、忍者のお茶をいただきながらこの屋敷と甲賀忍者の説明ビデオを見ました。
左の縁側の奥から、床の間の後ろ側を通る通路があり右の縁側に出れるようになっています。
一見普通の屋敷のようですが、忍者の住まいだけあってあちらもこちらも抜群の回遊性で、どこも逃げ道は3WAYぐらいあります。
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望月家家紋の九曜星の入った提灯箱。
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建具の違い。
右の部屋は主人の部屋。建具は30ミリの檜の板で作られており、かなり重たくて敵が簡単には入りにくくなっています。入るのにもたついている間に簡単に逃げる通路が何カ所もありました。
上に忍者が居ます。。

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この窓は一見嵌め殺しの開かない窓ですが、ころろと言う鍵の仕組みがあり紙一枚で開けることができます。(敵が来たときに気づかれないように逃げるためのもの。)閉じるとまた嵌め殺しの窓に戻るので、ここから逃げたことが気づかれません。
説明のお姉さんが、新築やリフォームの時にでも是非この仕組みを使ってくださいね、と仰っていました。(使えそうな使えなさそうな。。。)この鍵の仕組みは、かなり古くからあるそうです。
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この建物は外から見るとつし二階ぐらいにみえますが、三層になっています。二階は天井高さ1m〜1.5m程度で、製造する薬や隠密の秘密文書の保管がされていたとか。
天井の低さは、敵が刀を抜きにくくするためでもあったそうです。
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階下に下りる穴の前に刀掛けがあります。敵が来た時は刀を取って素早く飛び降りたそうです。今はハシゴが掛かっていますが、当時は腕の力で懸垂のようにしてささっと上がったそうです。凄い身体能力。。
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二階から下の様子が伺えます。風通りも良さそうな。
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三階は茅葺き屋根の小屋裏部屋。さす構造がよく見えます!忍者の会合の場だったそうです。
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箱棟から結構光が入っていました。1階からの吹抜~箱棟への通気がよいせいか、閉じた茅葺屋根裏特有のムッとした環境ではありませんでした。これならムカデも居てなさそう。

二階への出入りの穴。(2か所ありました)
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一階まですぐに下りれる縄梯子も。
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さて一階。
どんでん返しが二つありました。どんでん返しは180度回転します。次に入る人が同じ方向を押しても開きません。(反対側を押すと開きます。)これも追ってきた敵を欺く方法だそうです。
これは主人の部屋の押入れから廊下に出る小さいどんでん返し。
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そして、隠し廊下の落とし穴!
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大きいどんでん返しのすぐ先に、深さ3mの落とし穴があります。
普段は板がはってあり、敵が入ってきた時にわざとどんでん返しで中に入り、床板をスライドさせて落とし穴にして、どんでん返しを開けて追って来た敵を落として生け捕りにしたそうです。
この穴にどれほどの人が落ちたのだろう、、、と思って見ました。


忍術妖術の話も面白かったです。
望月家は、どこでも霧を出すのが得意技だったそうです。


いろいろな仕組みがあり建物も大変立派で、とても楽しめました。





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by frontdesign | 2015-05-27 22:36 | 建物探訪&散歩 | Trackback | Comments(0)

土壁  その後 

事務所の壁の一部は竹小舞下地の土壁になっています。
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来ていただきた方に土壁の感じを見て頂くために、この部分だけ土壁を塗ってあります。白い部分は漆喰塗です。

土壁の下地はこのような感じになっています。
これは漆喰仕上げの塗り重ねサンプルです。(お友達に貰いました。ありがとうございます。)
事務所の壁は中塗り仕上げなので、下地から2番目のなし目のところで仕上げてあります。
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事務所の土壁づくりを振り返ってみます。
間渡し竹が入ったところ。
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材料です。組み上がった竹を縄で編みます。(私も編ませてもらいました。)
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土は、解体の時に出た土壁の土に新しい土を混ぜ、よく練って使います。スサを入れて充分腐らせると、発酵してヘドロのような匂いになりますが、壁に塗って乾くと無臭になります。
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下塗りをして、そのあとしっかり乾燥させるために期間を置きます。
ここは裏返し塗りなしですが、両面塗りの場合は表を塗ったあとにしばらく期間をおいてから裏面を塗ります。

この写真は中塗り仕上げの時の様子。
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塗りたての壁です。真っ直ぐ。
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そして半年後。(現在)
すっかり乾き、明るい土色になりました。
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触るとひんやりします。
少し手のひらで擦ってみましたが、しっかり固まっていてぽろぽろと土が落ちる事は有りませんでした。
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土壁は表面が均一でなく、光が当たるとなんともやわらかい表情になります。

土壁は断熱効果は低いのですが、蓄熱の効果には優れています。調湿効果も抜群。
壁としての強さは小舞下地だけの時は壁倍率0.5倍ですが、土を塗ると実質2倍ぐらいになるようで片筋違い並みの強さになります。
耐力としての粘りがあり、破断と共に一気に耐力が落ちる事はありません。

素材として考えると、その辺の竹と縄と土と藁スサでつくることが出来る、本当に自然の材料の壁です。

古い壁の土や、屋根に乗っている土がいい土で、再生できるのも土壁の良いところです。



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by frontdesign | 2015-05-23 19:15 | その他 | Trackback | Comments(0)

法華寺町の家 構造体打ち合わせ

先日、法華寺町の家の構造体手刻みの打ち合わせをしました。親方と棟梁。
棟を上げる時の組む順番で、一部の継手の位置と部材長さを検討して頂きました。
その他にも設計上で気になっていた点について相談させて頂きました。今回は、二階の桁を低くしながら内部空間の高さを取るために構造の一部を変則的にしていますが、実際に組み上げる大工さんにアドバイスを頂くと、とても勉強になります。

墨つけが始まるのが楽しみです。
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庭も含め、水平方向の広がりのある落ち着いた住まいになりそうです。


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by frontdesign | 2015-05-22 23:03 | 新築 法華寺町の家 | Trackback | Comments(0)

細部のつづき  畳の目

「逸話に学ぶ茶室と露地」という本を読みました。
南方録や茶譜、山上宗二記、古田織部正殿聞書、槐記、茶道四祖伝書、、、等々に記された話(現代語)とその補足解説が分類別にまとめられてあり、気軽に楽しめる面白い本でした。

埋め木の座敷
利休の門下の茶人がどのような座敷が良い茶室かを利休に訊ねると、
「埋め木の多い座敷」と答えたそうです。(茶話指月集)
埋め木とは再利用した古材のほぞ穴に埋める埋め木のことで
貴重な再利用の古材を多く用いている座敷を良い座敷とする、という意味です。
そこまで言いいますか、とも思いますが、古いものが伝わり使われることに価値を認めていたことがわかる話ですね。
利休の好みや嫌いな事はみな周知のことですが、あえて利休の禁じ手を実践する茶人も少なくなかったようです。

畳の目の話
畳の目には本(モト 縫い初め)と末があり、縫い初めは丸目(1目)になり目もまっすぐでよじれも有りません。末は半目になってしまいよじれも生じるので、だらしない風にもなるようです。(槐記)
だから炉の周りは本(丸目)がくるようにしなければならず
そうするときちっとして、程よい緊張感のある茶室になるとの事。
以前に茶室を設計させていただいた時に、
4畳半全ての畳の丸目半目の位置についてしっかり畳屋さんとも打ち合わせをして指示しましたが、
(茶事では畳の目数も指標にしますので、大事なところが丸目からはじまるようにということ。)
ああ、根本的にはそういう事(よじれのだらしなさと、程よい緊張感)の為だと言うことを知りました。


この写真の畳は、15年ぐらい前に表替えした和紙畳です。(茶室ではありません。)
その前の畳表があまりにもささくれたもので、子どもが小さかったこともあり丈夫な和紙畳にし、縁も目立たない色にしました。
和紙畳は丈夫で良いのですが、国産イグサにして茶か黒の縁にしておけばよかったなと思う今日この頃です。
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by frontdesign | 2015-05-22 13:37 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

細部 和室の引手

銅製の御殿引手。底の部分に可憐な桐が彫られています。
先日お伺いした純日本建築の家屋のお座敷の引手です。大き目の引手ですが、桐紋様も座の形もなんともゆったりとしていて、写真を撮らせていただきました。
金属の引手は底、胴、座、小座で構成されていて、それぞれひとつひとつ金属板から加工された手の仕事です。
座と胴の間に嵌っている細い輪が小座で、この小座はやすりで引いたギザギザが入っている引き小座です。
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引手の材質は金属製の他、木製や陶器製の物もあります。
小さなものですがそこに意匠が求められ、手の込んだ仕事がされているものも珍しくありません。家主や棟梁の趣向の表れる部分でもあり、和室を拝見する時に興味を持つところです。
和室まわりは金物の類が多く使われており、普通に和室がつくられていた一昔前までは加工する職人さんも多かったことだろうと思います。

こちらは光琳桐。底のからし色の部分は宣徳という落ち着いた仕上げです。
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by frontdesign | 2015-05-19 15:56 | 設計について考える | Trackback | Comments(0)

としくんのおうち

実施設計もほぼ終盤で、先日の打ち合わせでは素材の確認や細かな部分の検討をさせていただきました。

とても日当たりの良い敷地で、南に開口を大きく取り、軒の出も深くしています。
今回の設計でも引き戸を多用しており、建具表を作ってみると室内ドアは一つだけでした。障子も多用しており、外部に面する明かり障子の他に空間の取り合いの障子も数カ所あります。
風の通りがよく、一階二階とも回遊出来る住まいです。階段も2カ所あり、これはなかなかの回遊性。
風の通り道として、二階中廊下に配置したトップライトから家中の熱気を抜くことができるようにしています。

西にも開放された敷地なので、西陽を遮るために開口は少なめに配置しました。
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引き戸の多用や障子の多さ、長い縁側、西側の開口を少なくすることなど、地域の住まいの特徴を取り入れた住まいです。

今回の打ち合わせで、懸案事項のyoshii9の置き場も決まりました。音楽の流れる食卓になるのだなぁと、想像に新たな要素が加わりました。


お施主さんと打ち合わせをする中でいろいろな情報をいただいており、設計をする大きなヒントになっています。



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by frontdesign | 2015-05-19 01:21 | 新築 としくんのおうち | Trackback | Comments(0)

元庵

有楽苑の続きです。

如庵は国宝の三茶室のひとつで、腰張りに暦が使われていたり、床の間横に三角の鱗板が入っている(給仕口が茶道口と兼ねているので鱗板のスペースで給仕がし易くなる)ことや、有楽窓等の特徴が有名な茶室です。

如庵と言う名前。
ジョアンは有楽斎の洗礼名で、茶室に如庵と名付けられたと言われているようです。
有楽苑には、この如庵以前に大坂天満屋敷にあった茶室を古図から復元した元庵もあります。
この元庵、当時は如庵と名付けていたそうです。

元庵。三畳台目の亭主床です。
あ。
床の土壁下地の貫部分の変色(経年変化)が、十字架に見えませんか?
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亭主床。十字架の前で茶を点てるジョアン。


中柱が竹ですね。

隣の長四畳の鞘の間より。土壁の室内に白が入ると、ハッとするほどの清浄感があります。
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(十字架がふたつ。)

元庵の天井の竿は細竹で、ピッチが随分細かく入っています。細い竿を細かく入れると、面積が小さく天井が低くても広く感じます。
鞘の間の天井の竿は角もので、杉でしょう。

大きな火灯口です。角を丸く塗り回し、奉書紙が貼ってあります。
本当に薄い華奢な壁で、大事に扱わないと壊れます。人の皮膚のようだなと思います。
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(あの壁は十字架になっていない。)


元庵でした。
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by frontdesign | 2015-05-10 20:48 | 和室と日本建築  | Trackback | Comments(0)

延段 と 関守石

織田有楽斎ゆかりの茶室如庵のある犬山の有楽苑に行きました。
数奇屋建築、茶室、門、庭園など見どころがたくさん有りましたが、真行草、幾つもの延段や沓脱ぎ石など、石が面白く思いました。

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広い石敷。イイですね。
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門の敷居を跨ぐ飛石
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沓脱ぎ石
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この草の延段の先には
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大きな沓脱ぎ石。その上に関守石。
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関守石は「この先に入るのは遠慮されたし」と言う意味を表す暗号のような置き石で、石に棕櫚縄か蕨縄を十文字にかけて持ち運びできるようにしたもので、庭の飛石の途中に置いてあるのをよく見かけます。
飛石に関守石が置かれていると飛石を踏めないと感覚的に思いますが、このような大きな沓脱ぎ石のに関守石がひとつ置かれてあると、その意味が強調されているようで返って面白く思いました。

庭園の要素では樹木の存在が大きいですが、樹木は季節や年代により風景の変化があります。
石は変わらないものとして庭を構成する大事な要素であり、古い庭園の調査では飛石のひとつひとつまで測量してサイズを測ります。

自然の形であり、数奇と人為のはざまのような構成物です。
by frontdesign | 2015-05-07 20:53 | 和室と日本建築  | Trackback | Comments(0)

家と植栽

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先日、生駒山麓の家へ工務店さんと一緒に訪問しました。
トイレに新たな棚を取り付け、外回りや床下の点検もさせていただき、久しぶりにご近況なども伺いました。お引渡しから4年少しになります。
玄関廻りやお庭の植栽が生き生きと成長しており、アプローチの植栽は緑のトンネルのようになっていました。
生駒石の階段と石垣はこの地に元々あったものですが、この建物の外構としてすっかり溶け込んでいるように思いました。
植栽の緑も、新緑の黄緑から常緑樹の深緑まで様々な緑色があり成熟した印象です。
周辺の界隈は風致地区(生駒山風致地区)で敷地内の緑地率も指定されていることもある為か、緑豊かな住宅街です。

初夏のような清々しい日で、眩しい緑を楽しませていただきました。
by frontdesign | 2015-05-04 08:00 | 新築 生駒山麓の家 | Trackback | Comments(0)

国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 奈良県生駒市


by yuriko iwaki