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天理の家 進捗状況28

着々と工事が進んでいます。
一階は天井が仕上がり奥から順に壁の下地も出来てきました。

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南の開口が大きいので、冬場も陽が入ります。
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天井は様々な仕上げです。縁側や座敷まわりは元の天井のままで仕上げます。居間は杉板の平天井。座敷の付け書院の天井が僅かに写っていますか、こちらは格天井。日本の木造建築は天井の仕上げで 意匠を凝らしていたのが分かります。大工さんも天井は一仕事ですね。壁は左官屋さん。
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座敷と縁側の間には障子欄間が入ります。
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釣り束の釘隠しは鶴の意匠です。
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この欄間の鴨居は角柄に納めてありますが、出が大きく材巾の2倍ほど出してあります。普通は材巾の1.2〜1.5倍程度出すもので(好みにもよりますが私は1.5倍程度出します)、こちらはなかなかの出具合ですが、欄間の開口がかなり横長ですので、長めの出が良い格好になっています。
ほとんどひと目に触れないところですが、この家を建てられた棟梁の意匠に対する意識が伝わってきて、教えて頂いているような感覚を覚えます。
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二階は天井下地が終わりました。
つし二階なので、全ての空間が勾配天井にしています。

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天井が低い部屋は少しでも天井を高く取るために、母屋の丸太も現しにしてもらいました。
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こちらの部屋も。
壁際はとても低いのですが、頂部の高さがあるので出来上がると落ち着いた空間になりそうです。
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玄関周りの工事が最後になりました。
既存の立派な格子を取り外し、加工して取り付けて頂くので、入念に現物の寸法を測ってきました。

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by frontdesign | 2017-11-30 07:30 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

王寺の家 進捗状況5

加工場では構造材の手刻み中。あちらこちらで手刻みを進められています。

化粧梁は、金物を見せないようにする為にひと手間加えていただいています。
この大きな梁も化粧張りで、この家で一番長い材料です。大きな材料はとても重いので裏返すのも大変です。私一人では持ちあげることも出来ません。
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こちらは角のみ機出動。
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手刻みを続けられている工務店さんには必須の道具のひとつです。この頃はこのような道具も少なくなっているようですが、伏見建築事務所さんでは若い大工さんも慣れた手つきで使っておられます。
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大工さんは図面をファイルに入れて見ていただいています。
現場が終わるまで、大工さんとは図面を見ながら打ち合わせをさせていただきますが、いつも図面をよく見ていただいており助かります。毎回現場で職人さんとやり取りをするうちに、図面を描くときには作り手(大工さん、職人さん)の気持ちになって分かりやすい図面を描かなければならないと思うようになりました。
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現場では基礎の天端ならしが終わり、給排水の配管の仕込みも完了しました。
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基礎周囲の土も埋め戻されて設計地盤が整いました。整地されると落ち着きます。
現場には刻み終わった土台が運び込まれています。これから少しずつ材料が運ばれます。
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刻みが終わると建て方が始まります。棟上げがとても楽しみです。
日当たりの良いひな壇の敷地で、2階からの景色はさぞかし清々しいことと思います。
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道路際のサクランボの木の芽が膨らんでいました。環境に変化がありますが、来年も実が生りますように。
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カテゴリ 王寺の家 


”木の住まいの設計”
一級建築士事務所 FRONTdesign  岩城由里子
国産材・県産材を使って木の家づくりをしている設計事務所です。
yiwaki@kcn.ne.jp
奈良県生駒市北田原町1052-2




by frontdesign | 2017-11-29 01:33 | 新築 王寺の家 | Trackback | Comments(0)

第18回吉野の森見学バスツアー

奈良をつなぐ家づくりの会恒例の吉野の森見学バスツアー。今回で18回目になります。
奈良県産材を使い職人の手で家づくりをすることを主旨に、木材生産者、製材所等の材木を扱う事業者、工務店、設計事務所が集まり、奈良をつなぐ家づくりの会を結成して今年で5年目になりますが、主なイベントはこのバスツアーで、幹事の泉谷さん(泉谷木材商店)が毎回企画とツアーコンダクターをして下さっています。
いつもは朝から吉野の山を巡って林業のことを学び、最後に里に下りて製材所見学や実際に建てられた建物を見学するのですが、今回は最初に製材所を見学してから山に入りました。
泉谷木材商店さんでの見学の様子。
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製材のことを教えて頂きました。製材は目利きがとても大切で、人の知恵が働いています。
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たくさんの木が桟積みで乾燥されています。乾燥もとても大切で技術が必要です。乾燥方法や工夫も説明されていました。
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適材適所、木をとても大切にされている泉谷さんです。
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ここ桜井にはたくさんの製材所がありますが、国産材の低迷により隆盛時に比べると今は随分と少なくなっているそうです。
桜井に製材所が集まっている理由を今回初めてお聞きしました。昔の桜井駅はJRの終点駅だったそうで、駅から製材所まで支線を引いていたところもあったそうです。吉野で伐られた材木は桜井まで運ばれ、桜井で製材をして貨物で日本全国に発送していたとのこと。当時は大変活気のある町だったそうです。今は大型トラックで全国に運ばれています。


桜井を発ち、吉野郡川上村へ。この季節は山が紅葉しています。杉や桧の木は常緑ですので紅葉しません。紅葉しているところは杉桧が植林されていないところです。地面が岩盤のところは植林が出来ないため、主に広葉樹の雑木が生えています。
その昔、山伏がこれらの木から生薬を作り、京の都に売りに行ってたそうです。胃腸薬の陀羅尼助も吉野産です。
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このあたりは吉野川が蛇行しています。
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大滝ダム。毎回この横を通って川上村の植林地に行きます。
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雨のあとでダム湖は満水でした。
このダムが完成して灌水試験をした時に、対岸の白屋地区というところが地滑りを起こして大問題になり、当時は毎日のようにテレビのニュースで放送されていました。満水のダム湖を見ると当時のことを思い出します。
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川上村高原地区でバスを降り、山守さんが丹精されている山に入れて頂きました。
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斜面の地道を登ります。吉野は日本の林業地の中で最も急峻な斜面地だそうです。
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50年生の桧の森。
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林業の施業のことや間伐の選木のことなど教えて頂きました。
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そのあと250年生の森へ。
吉野林業は密植、多間伐、長伐期が特徴で、間伐が繰り返される中でこのような完成された森になります。
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そのあと、吉野杉を使って酒づくりをされている美吉野酒造さんへ。
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酵母菌を使わずに麹と大峰山系から流れる水と杉の木桶での酒づくりを60年ぶりに復活され、完全なコントロールの下で画一化した酒づくりではなく、自然の環境下で自然に寄せた酒づくりの話をお聞きしました。毎年少しずつ違う風味のお酒が出来るそうですが、自然に寄せるものには遊び(余裕)があり、地酒ならではの奥深い味わいになるそうです。
麹室での発酵も含め、自然下での杉の調湿作用の素晴らしさを教えていただきました。
杜氏の橋本様。
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麹室も少しの間開けて見せて頂きました。灘のお酒の博物館で見学したことがありますが、実際に使われている室を見せて頂くのは初めてです。ムンとする湿度と温度で、生物の匂いがしました
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事務所も杉の内装。最近改装されたとのこと。
酒樽の材料は、木のどの部分を使うか、その理由も含めてお話下さいました。
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使われているお米の話も。
原料のお米もとても大切で、農とも密接に繋がっているのですね。
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美吉野酒造さんは吉野川沿いに位置しています。
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昔は近くに橋がなかったので、吉野川の向こう岸へは渡し船で往来していたそうです。その時の発着場。目印は両岸の柳の木。
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今回のツアーのテーマは
「つながりを考える」
でしたが、
木を活かす酒づくりの話をお聞きしながら、私たちがしている家づくりと共通するものを感じました。
また、ひとと木つながり、農や食のつながりも感じました。食は脳が欲するものと身体が欲するものが違うように、住環境も同じことが言えるように思います。ハレの食事とケの食事があるようにハレの場とケ(日常)の場があり、後者は自然体であることが良いように思います。


今回のツアーにご参加頂いた皆様、
お世話になった皆様、有難うございました。

次回のツアーは3月に開催予定です。
是非、ご参加ください!




by frontdesign | 2017-11-23 22:48 | 奈良をつなぐ家づくりの会 | Trackback | Comments(0)

第18回吉野の森見学バスツアーのお知らせ


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奈良をつなぐ家づくりの会恒例の「吉野の森バスツアー」が11月23日(木曜日 祝日)に開催されます。
まだ若干の空きがありますので、宜しければご参加ください。

「第18回吉野の森バスツアー」
500年以上の歴史を誇る吉野林業。
桜井で製材所を見学したのち、川上村へ。実際に山に入り、木々を育て美しい森をつくってきた山の人の想いや知恵を教わります。吉野杉を活かした酒蔵や木材加工場も見学。一日吉野の森を満喫できるツアーです。
昼食は秋の恵み・山の恵みをいただく企画です。お楽しみに!

日時・集合場所
11月23日(木曜日・祝日)
08:50 集合 近鉄・JR桜井駅北口(ロータリーの向かい側) 
09:00 出発
 ~
18:00 解散予定(近鉄・JR桜井駅北口)

参加費用: 大人2000円/人 小学生以下1000円
  ※桜井駅からの往復バス代・昼食費・おやつ・ガイド料込

お申込み方法
お名前、人数(お子様がおられる場合は年齢も)と緊急連絡先を明記の上、メールにてお申し込みください。
メールアドレス
izutani@moritosumai.com
(担当幹事 泉谷さん)





by frontdesign | 2017-11-19 03:15 | 奈良をつなぐ家づくりの会 | Trackback | Comments(0)

王寺の家 進捗状況4

基礎の立ち上がりのコンクリートが打ち終わり、養生期間を経て型枠が取れました。

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こらから天端ならしをして立ち上がりを水平にされます。
給排水の工事も進んでいます。現場に合わせて配管経路など確認させて頂きました。

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基礎が出来ると建物の広さがなんとなく分かって来ますが、棟上げまではボリュームは分かりません。近くから見たり遠くから見たりしながら、建物のボリュームを想像します。計画段階で模型を作るのは、建物のボリュームを立体で確認するためですが、ちょうどこの頃には模型を思い出しながら敷地全体を見ています。
工事中は足場を立てたり仮設トイレが置かれたりと、敷地内が手狭になりますが、完成するとおおよそ模型の通りの空間の取り方になります。

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加工場では手刻みが進んでいます。

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一階の天井の大半は30mmのJパネル現し天井にしますので、二階床梁の多くが化粧材になります。
構造にもいろいろな要素が含まれています。





”木の住まいの設計”
一級建築士事務所 FRONTdesign  岩城由里子
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by frontdesign | 2017-11-18 02:26 | 新築 王寺の家 | Trackback | Comments(0)

天理の家 進捗状況27

今日は朝から冷え込みましたが、とても良いお天気でお昼にはずいぶん温かくなりました。

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南側の掃き出し窓から陽の温もりがたっぷり入り、太陽の恵みを感じる季節になりました。

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1階は天井の仕上げもほぼ終わりました。
8畳の座敷の天井は、既存の竿縁に天井板を新しいものに入れ替えられました。吉野杉の赤身の天井板で、うっとりするような美しい天井になりました。
関西間の8畳の座敷はかなり広さを感じます。

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2階の工事も進んでいます。
杉の厚板の床板が張り終わり壁天井下地も完成し、これから建具の枠が入ります。
こちらの2階はつし2階ですので本2階の建物に比べると高さは低いのですが、中央部分は高さがあるため居室空間にすることになりました。1階の天井仕上げ(座敷空間と日常空間)により構造のレベル(高さ)に3段階の変化があり、そのまま変化を生かしてスキップフロアにしています。
今日は広い2階をうろうろしていましたが、空間の変化に楽しさを感じました。2階で仕事をしている大工さんや電気屋さんに「なんとなく楽しい空間ですよね、、」と話しかけてみました。
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2階は大壁仕上げ部分が多いのですが、構造体の丸太の筋交いは化粧で見せることにしました。
土壁部分の断熱はウールブレスを土壁に密着させるようにして使い、天井は野地までの間に空間を設けてグラスウールを入れています。面積の広い梁間方向の土壁の断熱箇所はできるだけ直接外気に面する壁にせず、外周部からひとつ内側の壁を断熱エリアにして断熱材を入れています。
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今日は既にお使いいただいている食堂キッチンの掃き出し窓に設置するハニカムブラインドについて、お施主さんと色決めをさせていただきました。

靴を脱ぐちょっとしたところにも野の花を活けておられました。
小さな花の美しさを感じ、暮らしの中で花を活けられるお施主さんのお心に触れ、心が洗われて気持ちが一新しました。

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”木の住まいの設計”
一級建築士事務所 FRONTdesign  岩城由里子
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by frontdesign | 2017-11-13 19:00 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

天理の家 進捗状況26

天理の家は着々と工事が進んでいます。

1階では竿縁天井の座敷の天井板を加工しておられました。

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大変美しい吉野杉の天井板です。一時代前までは和室の造作材として吉野の材が全国的に使われていました。今は和室自体が減少しているので、吉野材のみならず和室に使う銘木と呼ばれるものの需要がめっきり減少しています。
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昨今は、和室を作る場合にも和室用の建材(合板や集成材の表面に本物の木のスライスが張られたもの)が使われることが圧倒的に多く、無垢の本物の木が使われることは本当に少なくなっています。建材は、ぱっと見たところは本物の木に見えますが(表面は本物です)、何かが違います。両親が30年近く前に実家を建て、和室の造作材の多くに建材が使われていました。その前に住んでいた家はまだ和室の建材が普及していなかった時代に建てられた家でしたので、初の建材の和室でした。丁寧に作っていただいていましたが、父親はこの新しい和室のことを舞台のセットみたいだと言っていました。何もかもがきっちりとしていて真っ直ぐで直角で、綺麗です。きっちりとして狂いが少ないのは良いことですが、そこからは自然らしさが感じられないということでした。父親は建築の専門家ではありませんが、和室の中の建材に慣れていない時代の人は違和感を感じるのでしょう。舞台のセットは言いえて妙だと思いました。



さて、一番最後になっていた玄関まわりの工事も進んできました。

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玄関横の窓には、解体部分で使われていた格子を入れる予定で丁寧に取り外していただいています。とても象徴的で立派な格子で、これは再生して使いたいと思うもののひとつです。組んだままでの移設はなかなか大変なことだと容易に想像しますが、大工さん頼みです。
宜しくお願い致します。

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2階は杉の厚板の床板が張り終わっていました。今日は建具枠の納め方の打ち合わせ等をさせていただきました。
勾配天井の部屋の壁天井下地が出来、部屋の広さが感じられるようになりました。図面で描いていたとき以上に広く感じられて一安心です。高さが抑えられたつし二階ですが、良い部屋々々になりそうです。






”木の住まいの設計”
一級建築士事務所 FRONTdesign  岩城由里子
国産材・県産材を使って木の家づくりをしている設計事務所です。
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by frontdesign | 2017-11-01 00:50 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 奈良県生駒市


by yuriko iwaki