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天理の家 進捗状況30

年末年始のお休み前。
座敷と居間周りは形ができあがり左官下地も塗り終わりました。壁が整うと、一気に部屋らしくなってきました。

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建具が無いとガランとしていますが、壁の仕上げ後に座敷周りに襖が8枚と障子が4枚入ります。
襖に張る京唐紙の地色と紋様、枠の塗色は、年末の打ち合わせでお施主様に選んでいただきました。華やかで品の良い柄をお選びいただき、完成がとても楽しみです。

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大工さんは造作家具の製作中。正面の大壁のところにテレビボードを設えていただいています。
四間取りや六間取りのような和室の並ぶ民家は、内部が柱と梁で構成されているため壁が少なく、コンセントの設置やエアコンの設置には工夫が必要です。この部屋では新設した大壁部分に電気の配線を集中させています。

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冬場は南の縁側からたっぷり陽が入ります。
居間部分は縁側を部屋に取り込み、座敷部分は縁側として座敷との間に腰付きの障子を入れます。
開口部が大きいのは日本の住まいの特徴といえますが、とても開放的ですのでどこに居ても庭の緑を楽しめる空間になると思います。

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二階へ上がる階段も完成しました。

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二階へ上がってから、高い床の方へ上がるための小階段があります。こちらも完成し、現場をうろうろするのが楽になりました。
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奥の部屋は南北に長い部屋で、そのまた奥に収納部屋があります。

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収納部屋の北側にも収納部屋。ここはまた、一段下がります。入口に丸太の筋交が入っているので背を屈めないと入れませんが、迷路のようで楽しい間取りになりました。
元々この場所は階下の部屋から階段で上がる物置部屋でしたが、仕上げを施し部屋のようになりました。改修後も、階下の部屋からは収納梯子で上がることが出来るようにしています。

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ここはつし二階の中でも低い天井の部屋ですが、これだけ低くても居心地の良い部屋になりそうです。

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玄関回りは、主屋の工事の最後になりました。
尺四寸角の欅のハナカミ柱(大黒柱)は、この建物の特徴ともいえる大切な柱です。
年明けからこちらの工事が本格的に始まります。

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お休みに入ったばかりですが、来年の工事がとても楽しみです。

来年も宜しくお願い致します。





”木の住まいの設計”
一級建築士事務所 FRONTdesign  岩城由里子
国産材・県産材を使って木の家づくりをしている設計事務所です。
yiwaki@kcn.ne.jp
奈良県生駒市北田原町1052-2










by frontdesign | 2017-12-30 22:25 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

王寺の家 進捗状況7

王寺の家は、屋根の野地板が張り終わりました。ルーフィングも張り終わり一安心です。
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1階の天井は化粧梁の現しが多く、化粧材には養生の紙を巻いていただいています。化粧材は製材所で材料を選ばせていただいており、紙が取れるのが楽しみです。
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階段上部の天窓も取りつきました。VELUX製の電動開閉の天窓で、雨が降ると自動的に閉じます。家の中心部にある階段の採光目的と、夏場の暖気を逃がす為の窓です。階段の上部に設けると上昇気流が起こり、より効果を発揮します。
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1階の奥は居間とピアノ室です。
ピアノ室の床はグランドピアノを置く位置の床補強のために、大引きを細かく入れています。居間とピアノ室部分は平屋ですので、頂部の高い勾配天井の空間になります。つながる空間の先に高さ方向にも広がりのある空間をつくると、変化が感じられるようになります。
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内部の仕上げには、床・壁・天井とも杉材を使います。
今日、建築の仲間と話をしているときにお聞きしたのですが、よく吠える犬も杉の床の家だと吠えなくなるそうです。犬は床の近くで暮らしているので、より素材の影響を受けるのでしょうね。
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2階はとても明るく、3方向に景色が広がり快適です。
筋違も入り始めました。筋違が入ると建物がきちっとしますので少しの地震でも安心です。
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1階下屋の野地板も葺きあがり、細かな納まりの仕事をしていただいています。軒裏は垂木の現しで仕上げていただきます。
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下屋の軒先が揃い、横に長いプロポーションになりました。年明けからガルバリウムの屋根葺きも始まります。
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奈良をつなぐ木の家の旗(養生シート)も揚がりました。
吉野の森で植林され、長い年月をかけて育てられた木々が製材され大工さんの手で手加工されて、ここで再び木が立てられました。木が現場に運ばれると吉野の森を思い出し、森が町に移動してきたような感覚を覚えます。そして家が完成するまでの間は、現場は職人さん達の仕事場です。大工さんの技能が活かされる場であり、若い大工さんに技能が伝承される場になります。丹精込めて作っていただく家は結果的に良い家になります。設計の仕事をする中で、現場はそのような大切な「場」であると考えるようになりました。
奈良をつなぐ家づくりの会の仲間は吉野材(地元材)を使い大工さんの手で作る仕事をしており、そのような現場の印としてこのような養生シートを掲げることになりました。会のメンバーが家づくりをしているところではこの旗が揚がっていますので、もしどこかで見かけられたら、そこはそういう「場」だと思っていただけますと幸いです。



カテゴリ 王寺の家 


”木の住まいの設計”
一級建築士事務所 FRONTdesign  岩城由里子
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by frontdesign | 2017-12-30 06:33 | 新築 王寺の家 | Trackback | Comments(0)

襖の紙と引手

襖の打ち合わせの準備をしています。
襖紙は鳥の子三号紙の無地や京唐紙を使うことが多いです。京唐紙のサンプル帳は貴重なもので、いつも貸し出して頂いています。
いろいろな柄がありますので、サンプル帳の頁をめくるのがとても楽しく、出来上がりを想像しながら眺めています。
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唐紙は、地になる紙と版木の柄を決めて注文し、それから版を擦って頂きます。版木はバレンで擦らずに手の平で擦られるそうで、柔らかみのある仕上がりになります。雲母が含まれた顔料の柄は、薄暗い室内でも少しの光で紋様が仄かに浮かび上がり、ドキッとするような景色になります。



襖の引手は、今までお使いだった襖の引手が大変立派なものでしたので、修復して再利用することにしました。錆が少し出ているものもありますが、上手く修復出来ますように。
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by frontdesign | 2017-12-18 22:49 | 和室と日本建築  | Trackback | Comments(0)

王寺の家 上棟

今週は現場で建て方が始まり、無事に上棟しました。
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上棟までの様子をご紹介させて頂きます。

建て方の前日に土台が敷かれ、構造材が運び込まれました。
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加工場で大工さんが手刻みした材料。
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段取り良く建てるために、建てる位置近くに材料を間配られています。(そのように配ることを、職人さんは"間配る"と言われます。)
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建て方1日目。
伏見建築事務所の大工さん総勢7人で建て方が始まり、一階が立ち上がりました。
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今まで横にして扱われていた柱材が現場で林立している様子を見ると、木が並んで立っていた吉野の森を思い出し、森の一部がまちに引っ越して来たように感じます。
柱や土台などの足まわりは桧、横架材の梁は杉を使っています。全て吉野産材です。
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建て方2日目。
二階が立ち上がりました。
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一階部分も構造金物が取り付けられ、仮筋交い(斜めの材料)で固められています。
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2階は見晴らしが良くて、気持ちの良いところです。
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建て方3日目。
無事に棟が上がりました。
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夕方までには大屋根の垂木をかけ終わられました。
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横架材は一部追っかけで継いで頂いています。若手大工さんが加工場で懸命に刻んでいたのを思い出します。
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垂木も吉野杉です。良材を入れて頂きました。
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一階の平屋部分は勾配天井で、居間の正面の壁は杉板を張ります。梁などの構造材を現しにするところと、面として木を張るところを組み合わせた意匠になります。
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屋根の野地板を伏せるまでに、面戸を入れたり広小舞を付けたりと、屋根の作業が続きます。
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昨日は上棟式をしていただきました。
お施主様のご家族みなさまにもお集まり頂き、上棟をお祝いし今後の工事の安全とみなさまのご多幸を祈念しました。

上棟の喜びとともに、気持ちが引き締まります。
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by frontdesign | 2017-12-17 02:30 | 新築 王寺の家 | Trackback | Comments(0)

天理の家 青漆喰と矢羽根天井

改修中の天理の家では座敷の間の壁の塗り替えをするため、左官屋さんが現状の仕上げをかき落としています。

床の間の壁の仕上げを落とすと、ひとつ前の仕上げの青漆喰が出てきました。
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青漆喰は金沢の成巽閣に見る群青の壁が有名ですが、明治期以降には一般の民家でももてなしの場に使われるようになったそうです。
こちらは明治17年に建てられた建物ですが、この群青の壁が建築当時の壁のように思います。
大変鮮やかな青で、華やかさに満ちた床の間であったことが想像出来ます。

床の間の天井は、杉のへぎ板の矢羽根張り。
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竿縁の猿頰も結構な具合です。
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床の間の天井は普通の視線では見えないところですが、良い仕事をされています。
和室を拝見する時は、床の間の天井も見どころのひとつです。



by frontdesign | 2017-12-13 07:36 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

ポンちゃんの家

住宅地の丘の上に建築予定のポンちゃんの家。基本設計が固まり現在実施設計中です。

南の庭に面して開口を大きく取り、空の広がる南東方向には屋根のある広めのウッドデッキスペースをつくることになりました。居間続きの半屋外空間として、居心地の良い場所になると思います。

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道路とは2方向で接しており、日常の通用道は西側の里道(りどう 車の入らない細い通路)で、車の入る東側道路の反対側にあります。玄関は里道側に配置しました。

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計画地界隈を少し歩いてみました。
車の通らない里道を歩いてポンちゃんの家にたどり着く道ゆきは、ヒューマンスケールで懐かしいような情緒があり、良いなあと思いました。近所の子どもたちもこの道を通るそうです。歩車分離がなされた道は地域の人と人とをつなぐ作用があるように思います。

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ポンちゃんの家は、空気集熱式太陽熱利用システム”そよ風”を搭載予定です。
着工は来年の春ですので、それまでに実施設計を詰めてより良い住まいに仕上げていきたいと思います。
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”木の住まいの設計”
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by frontdesign | 2017-12-11 17:35 | 新築 ポンちゃんの家 | Trackback | Comments(0)

天理の家 進捗状況29


工事は着々と進んでいます。昨日は電気屋さんと大工さんとの打ち合わせがありました。
奥から順番に工事が進み、いよいよ玄関側へ移動してきました。
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玄関横の部屋は土間の半分の床を上げ、差し鴨居を現わしのままの空間にしています。
土間側の差し鴨居と室内側の差し鴨居の構成がよくわかる空間になりました。開口部には障子が入ります。

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こちらは仕上がってきた一番奥の間。
2階の床を支える梁が丸太で、野趣あふれる天井はそのまま現しにして仕上げていただきました。
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奥の間には蔵の入口があります。土壁が一部分崩れてしまい外部は大壁の仕上げになりました。
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2階も壁下地の工事が終わり壁張りが始まっています。
この部屋はつし2階の1室で、窓際の天井の高さが85㎝、一番高いところが285㎝の4畳半の間です。かがまないと奥へ行けないのですが、部屋としても十分に使えそうです。地窓の光が天井と床に反射して思ってた以上に明るくなりました。床板は杉の厚板ですが、床へ当たる陽でとても暖かくなりそうです。

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2階は中廊下の計画ですので、天窓のつく部屋の上部の壁を明り取りのための大きなFIX窓にしています。ここも天井の反射で多く光を取り込めそうです。

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明り窓の下の大きな丸太は、つし二階の大屋根を支える扠首(サス)を支える柱に対して直行方向に入る筋交で、棟木下の軸上の東西の端に向かい合う方向で入っており、構造的にとても効いているようです。
ダイナミックなつくりは、古民家の魅力のひとつです。






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by frontdesign | 2017-12-07 22:15 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

王寺の家 進捗状況6

構造材の手刻みは佳境を過ぎてラストスパートです。
残っている材も少なくなってきました。

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大入ルータも出動。
大きな電動工具で、なかなかの優れものだそうです。

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若手大工さんも、鑿や鉋を使って懸命に刻んでいます。

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土台や大引や柱は順番に現場に運ばれています。

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現場は先行足場が建ちました。
足場は建物の一回り外側に建ちますので、先行してボリュームを確認出来ます。

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一階は間口6間半奥行き5間ありますので結構なボリュームですが、一階も二階も高さを抑えており威圧感なく建ちそうです。
来週は建て方が始まります。お天気が続きますように。

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カテゴリ 王寺の家 


”木の住まいの設計”
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by frontdesign | 2017-12-07 07:30 | 新築 王寺の家 | Trackback | Comments(0)

国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 奈良県生駒市


by yuriko iwaki