生駒山の家 解体

敷地では解体工事が始まっています。
初日の様子。最初に建物の周りに足場を組み、防音の養生シートが張られます。
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今日は3日目。
建物はほぼ解体されました。家を建てるのは半年くらいかかるのですが、解体は機械壊しであっという間です。
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施工側では木構造材の材木の準備が始まっています。今日は松丸太を買いに行かれるのに同行させていただきました。
松は曲がろうとする強い癖があり、昔からその癖を活かして木造建築に多用されている材です。今回小屋組で2本の丸太梁を使いますが、建物の高さを低く抑えていることもあり、曲がり具合をチェックしながら選木していただきました。同行した若手大工M君には、採寸しながら木の選び方を教えておられました。
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桜井市の新和材木店さんは奈良をつなぐ家づくりの会のメンバーで、松専門の製材所です。
地松から米松から、とにかく松丸太がゴロゴロと山積みになっている様子は圧巻です。
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真っすぐ長いのは米松。カナダやアメリカ産のダグラスファーで正確にはモミ科の木ですが、日本では米松(ベイマツ)という名前で非常に一般的な材料です。新和さんには奈良県産の地松の大径木もたくさんあります。奈良県の地松は植林されたものではなく自生しているものがほとんどとのことで、曲がりがあるものが多いです。
大きな材料はお寺などに使われるそうで全国に発送されているそうです。
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皮が剥かれた地松の山。大径木です。
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松の皮。庭木で馴染みのある皮ですね。
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松は脂(ヤニ)が出るので仕上げで使うときには注意が必要ですが、松はとても好きな材料です。



# by frontdesign | 2017-04-22 23:50 | 新築 生駒山の家 | Trackback | Comments(0)

普請帳

先日、お施主さんから普請帳を見せていただきました。
明治17年に始まった主屋の普請の他、昭和3年に建てられた別座敷やその後の門屋の普請など、それぞれの建築当時に記録された普請帳を保管されています。
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大工さんのお名前、使われた材の数量、産地、仕入先、金額など細かく記録されています。
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その他とても興味深かったのは、上棟時竣工時のお祝いの会についての記録でした。
お客様のことやお料理の内容、料理人の名前、そして開会から閉会の時間のことまで記録されていました。
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ご馳走の数々。大勢の方で普請を喜ばれていたご様子が伺えます。
献立やお膳の内容についての細かな記録はまるで茶会記のようです。
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普請に使われている立派な材や様々な意匠、そして普請帳の記録等を拝見していると、ご当主と棟梁が家に込められた想いを知るようで、今回の改修に携わるものとして身の引き締まる思いがします。

# by frontdesign | 2017-04-19 11:47 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

天理の家 進捗状況8

工事は着々と進んでいます。
先週末に屋根瓦が下ろされました。
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瓦と土を取ると、野地は竹野地で杉皮が上から張られています。杉皮が屋根の防水層として使われていました。(写真は下屋部分)
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垂木など、痛みのある部分を直していただいています。
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建物の中はとても広いので、あちらこちらで大工さんが刻み加工をされています。
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丸太をはつるちょうなも登場。
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門屋横の再築部分の棟も上がりました。解体した建物に使われていた丸太の母屋も再利用されています。
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お庭に波に乗る鯉の飾り瓦が置かれていました。以前に塀の隅に乗っていた瓦のように思います。
水や魚に関する意匠は火から家を守る象徴ですが、波に乗る鯉は繁栄を表すものです。
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主屋の屋根に乗っていた数々の趣ある鬼瓦は、痛みの少ないものは焼き直しを施していただき再び屋根に乗せていただくことになりました。
瓦屋さんの方では焼き直しも終わっているとのことで、焼き上がりを拝見できるのを楽しみにしています。







# by frontdesign | 2017-04-19 08:08 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

天理の家 進捗状況7

天理の家の現場は着々と工事が進んでいます。

柱の沈下の補正も終わり、ジャッキアップの柱もあとわずかになりました。地盤は何度も転圧していただき、束石が並びました。
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地覆が回っていたところは蟻害がみられたため、地覆を取り柱勝ちにすることになりました。柱の傷んだところは取り、根継ぎしていただいています。
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松の縁框は蟻害がひどく、この材も差し替えになります。
庭側には縁先手水鉢があり、水場が近いので水を呼び蟻害に遭ったことが考えられます。
海の部分が縁下に少し潜り込んでいる型は、なかなか風流です。建築当時は濡れ縁だったのかもしれないですね。
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門屋横の改修工事では、辰巳蔵をいったん解体して高さを抑えたて建物を再築します。
隣の既存建物と一体化するために母屋をつなげていただくのですが、再築の母屋は解体部分で使われていた丸太を用い、台持ち継ぎで継いでいただいています。
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もう片方の相手は、建物の上。
空中で刻んでおられました。
古い建物の改修工事は大工さんの技能があってのことで、(株)伏見建築事務所のみなさまには感謝の気持ちでいっぱいです。
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# by frontdesign | 2017-04-06 23:32 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

お味噌汁と玄米小豆ご飯

久しぶりに食事のこと。

最近は、毎食、お味噌汁と玄米小豆ご飯の食事にしています。1日2食、毎日こればかり。お味噌汁は具だくさんで、少し見方を変えると味噌鍋と言えるぐらいの量です。腹八分目とは言えず満腹になってしまうので、作りすぎには気を付けないといけないですね。

土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」という本を読んで刺激を受け、おかずは具沢山味噌汁だけにすることにしました。単調で物足りなくなるかと思っていましたが、旬の野菜を入れて毎食楽しく食事をしています。
今日は菜の花と木綿豆腐、ジャガイモ、ワケギ、うすあげ、最後に落とし卵。
買い物に行く回数も減り、経済的です。
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ごはんは酵素玄米小豆ごはんです。今日は3日目で、ごはんに小豆の色がついてきました。3日ぐらいから発酵が進みます。
週に1回、重たい圧力鍋で1時間ほどかけて1升の玄米を炊き、高温ジャーで発酵させながら保温していますが、最近は酵素玄米ご飯の炊ける炊飯器もあり便利そうです。
お米がプチプチで、玄米ですがやわらかいごはんです。酵素玄米小豆ご飯は完全食品と言われていますが、海藻類は無いので昆布の佃煮や海苔やわかめも食べると良いです。このごはんは消化がとても良いので、赤ちゃんの離乳食でも大丈夫です。下の子の離乳食はこれでした。
子どもが小さかった頃にマクロビ食にこだわっていた時期がありましたが、徹底すればするほど受け入れられないことが増えてきて、なんとなく生きづらくなり、こだわり過ぎないほうが許容できる生き方ができて良いと思うようになりました。その後は特にこだわりもなく食事をしていたのですが、年齢的とともに基礎代謝が落ちてきましたので、日々の食事を改めてみようと思います。
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このお米はイラストレーターのお友達の矢田勝美さんのご実家のお米で、甘みがありとても美味しいお米です。
(三重県鈴鹿産コシヒカリ 有機肥料使用)
(矢田さんのホームページより)
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# by frontdesign | 2017-04-05 00:52 | 食べること | Trackback | Comments(2)

4月29日「第17回吉野の森見学バスツアー」のお知らせ

奈良をつなぐ家づくりの会の吉野の森見学バスツアーが4月29日(土祝)に開催されます。
建築関係・製材関係の有志で集まってこの会を設立したのが2012年の4月ですので、この4月で設立から5年が経ちました。
吉野の森バスツアーは年に数回開催しており、今回で17回目。
長らく奈良に住んでおりますが、吉野に通うまでは林業地吉野がとても遠いところでした。10年ぐらい前に国産材・県産材を主材として使い始めるまでは、いえ使い始めてからも、実際に産地に行って学ぶ機会はそう多くはありませんでした。林業に関わる方がとても長い時間を掛けて施業の工夫をされた結果、良質な材料(家を建てるために使われる木材)が生まれることを知ると、林業の施業(自然相手の知恵と工夫)自体が大変面白く思いました。そして生産系の杉や桧だけでなく、さまざまな木や生物が土壌を通じてつながり、森が一体の大きな生き物であるかのように思えるようになりました。森は林業などの生産機能以外に多くの公的な役割を持っています。都会から遠く離れた森は、都会に暮らしている人たちにも間接的に大きな役割を果たしており、生物多様性の森が健全に保たれることは私たちの未来にとってとても大切なことなので、たくさんの人に森のことを知っていただく機会が増えると嬉しく思います。また、近くの山の木を多くの方に使っていただくと、山が利益を生み雇用が増え、山を健全に維持することにつながります。私たちの会で開催している吉野の森バスツアーでは、吉野林業の育林の事や伐採の事、製材の事、木の家の見学会など木を中心としたツアーですが、森へ入っていただくひとつの機会ですのでお気軽にご参加いただければと思います。


遠くから見る山の姿。
針葉樹の植林地もあれば、広葉樹が自生しているところもあります。
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植林された山。吉野は室町時代から続く林業地で、密植、多間伐、長伐期です。
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このような林内を歩いたり、
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280年生の杉の林業地を見に行ったりします。
大きな杉の木。この森は、日の光の入る完成された素晴らしい森です。
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280年前は江戸時代。吉野は樽丸づくりが盛んだったころですね。
その当時に植林された木が代々山守さんの手で撫育され、間伐が繰り返されて完成された森になりました。
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毎回、いろいろなところを見学させていただいております。
今回のツアーの詳細内容は、追ってお知らせさせていただきます。


「第17回吉野の森バスツアー」
恒例の吉野の森ツアー。バスで吉野の森をめぐり山守さんのお話をききし、製材所や木材加工工場で木がどのように活かされるか見学します。山を育てる人・木を大事に製材加工する人・大工さん・建築家が揃って皆さんをご案内します。
是非ご参加ください。 春の味覚や山桜もお楽しみに。

日時:平成29年4月29日(土・祝)
09:00桜井駅北口集合・出発 17:30桜井駅北口解散

参加費(桜井駅からの往復バス代・昼食含む)
大人1,500円 小学生以下500円


※お申し込み方法
以下の内容についてご記入いただき、メールにてご連絡ください。

お名前(               )
参加人数(大人○人、子ども○人(○才、○才)(お子さまは年齢も))

当日連絡先(携帯電話)(           )


ご送付先メールアドレス : izutani@moritosumai.com(担当者:泉谷)



奈良をつなぐ家づくりの会のホームページ内Tourページでも受け付けています。
Tour「そうだ、森にいこう!」

左が杉の葉っぱ。     右が桧の葉っぱ。
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# by frontdesign | 2017-04-03 22:55 | 奈良をつなぐ家づくりの会 | Trackback | Comments(0)

生駒山の家

生駒山の家の計画が進んでいます。

土地探しの段階からお施主さんよりご相談を頂いておりましたが、とても景色の良い敷地を購入され、林に囲まれた平屋建ての住まいをつくることになりました。
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住宅街の一角ですが、静けさの中に鳥の鳴き声も聞こえてきて「自然の中に住まう」暮らしが出来そうな敷地です。
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鳥目線で見ると、平屋の屋根が広がります。平屋ですので自身の建物の影が及ぼす影響の範囲は小さく、周辺は明るい林になりそうです。
窓の外に見える林の風景を室内に取り込み、自然の中で暮らしていることを心地よく感じることが出来るように、という思いで設計をさせていただきました。
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実施設計も終わり、現在、工事の見積りをしていただいているところです。
敷地には古い建物が建っていますので、解体をして地盤調査をするところから工事が始まります。






# by frontdesign | 2017-04-02 15:29 | 新築 生駒山の家 | Trackback | Comments(2)

久しぶりに幾世屋さんへ

少し前の事になりますが幾世屋さんでおぜんざいを食べてきました。

改修してから5年と数か月が経ち、落ち着いた佇まいになっていました。
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改修前は昭和の時に改修された店構えで、建物の手前の部分だけを店舗として使われていました。改めて写真を見ると、長く町に馴染んでいたこちらの店構えもとても懐かしく思います。
改修後には建物全体を店舗にして、建物の奥にある庭を通り側からからも感じることができ、お庭を眺めながらお茶を飲むことができる空間をつくることになりました。

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お店の奥の喫茶空間。お菓子と一緒にお抹茶、コーヒーも淹れていただけます。
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壁天井とも吉野杉の源平(白がちの赤白)でしたが、年月と共に白太の色が濃くなり赤白の差が分かりにくくなってきました。
杉の源平材は、数年経つと赤と白の差が少なくなり同じような色味になります。



窓際に開放感のあるカウンターを設置し、苔庭を間近に眺めながらお茶を飲んでいただけるようにしました。
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寒い時期はいつもおぜんざいを作っていただきます。

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幾世屋さんのお餅はとても美味しく12月はお正月のお餅の予約でいっぱいだそうで、毎日お餅つきをされています。



改修では、古いところに新しいものを加えながら納まるようにしました。新しい部分も古い部分と同じように無垢の木で造作しています。
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店内の壁は漆喰を塗っています。大壁なので左官屋さんにはとても頑張っていただきました。
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季節のものから上用まで、いつも美味しそうな和菓子が並んでいます。
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幾世屋さんといえば昔から「宝”多餅」(ぼたもち)が有名です。
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なかなかのボリュームですが、甘すぎずあっさりとした上品なお味でぺろりと頂いてしまいました。
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生駒にお越しの際は、是非お立ちよりください。

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# by frontdesign | 2017-04-02 00:17 | 町家再生 茶寮幾世屋 | Trackback | Comments(0)

天理の家 進捗状況6

今日はとても春らしい1日でした。
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柱のジャッキアップが順番に外されはじめ、柱が基礎に乗りました。基礎と柱の間には鉛の板を敷いていただきました。
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現場には取り替え・新設用の材木が運び込まれています。立派な桧の平角材はシロアリにやられた縁框の差し替え材です。
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色艶とも美麗な吉野桧の赤身材。これなら白蟻も来ないことでしょう。
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縁側は、座敷前のみ縁側として残して居間空間は部屋に取り込みます。
天井は2重天井で、既存天井の上部に断熱材を入れることが出来そうなので、このままの仕上げにできればと考えています。
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主屋西側の改修工事が始まっています。
この部分には大正時代に増築された水廻り(浴室、便槽)がありましたが、痛みもありましたので全解体して半間ほどの増築をすることになりました。主屋の他、蔵と南の縁廊下につながる部分ですので、大工さんに歪補正をしていただきながら施工していただいてます。
正面には開口部を設けます。奥の間に光と風を取り入れることのできるこの開口部は、有効に活用できると思います。
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これは床脇の違い棚を撤去した部分ですが、昭和の改修の時に仕上げられた砂壁の下から青漆喰の壁が出てきました。
金沢の伝統建築には群青色の漆喰壁が多く使われており「加賀の青漆喰」と言われています。高貴な色として使われていたそうです。

こちらの座敷も建築当初は青漆喰の床の間だったのかもしれません。
立派な襖絵の描かれた襖も入っておりましたので、大変華やかな座敷空間であったことが想像できます。
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ここは通り庭の大和天井ですが、この梁の間に2階に上がる階段を計画しています。
階段部分の板を撤去していただき、2階天井が見えるようになりました。
上下階とのつながりのある部分や2階の壁の位置は、既存の架構に沿って計画をしています。
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構造体の補正が終わると、耐力になる壁の設置工事が始まります。
伝統的な整形六間取りの広々とした空間ですが、限界耐力計算で耐震性を検討していただいた結果、ある程度の壁の設置で耐震性を補えることが確認でき、広い空間の良さを活かして計画をすることができました。
新設の耐震の壁は、外周まわりは土壁、室内壁は荒壁パネルを使用します。
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今回の改修はこの建物の「平成の改修」になりますが、時を経て次の時代へつなぐ改修工事であることを意識しています。



# by frontdesign | 2017-03-30 23:53 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 奈良県生駒市


by yuriko iwaki