河井寛次郎記念館  

先月の事になりますが京都の河井寛次郎記念館へ行き、そのあと河井寛次郎氏のお孫さんの鷺珠江さんと鞍田崇さんのトークセミナーに参加しました。

河井寛次郎記念館。昭和12年に寛次郎氏自身の設計で建てられたもので、寛次郎氏が大変好んでいた信州の民家と朝鮮の民家の良さを取り入れたそうです。
中央の吹抜け。板間の床は1階2階とも朝鮮張りです。

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2階は階高の高い本二階で、椅子座の板間と和室があります。
吹き抜け廻りは広く開放されており、障子を開けると縦横に空間がつながります。
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2階和室。窓の位置が和室ならではの低さです。窓辺に腰かけると緑に手が届きそう。
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階下に見える中庭。この中庭も寛次郎氏の仕事場だったそうです。
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居間の囲炉裏横には注連縄と餅花が飾られています。1年中飾られているそうです。

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囲炉裏を囲む居間。建物のみならず寛次郎氏の作品が溢れています。
寛次郎氏は人との交流をとても好まれたそうで、河井家は来客の絶えない家だったそうです。
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床の一部にガラリの入り口があります。こちらは戦時中に防空壕として使われていたそうです。
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階段の上がり始めに下がっている大数珠のようなものは、手摺の役割のものだそうです。実際に持って階段を上ってみると安定感がありました。面白いですね。

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中庭に出て奥へ進むと、陶芸の窯があります。
こちらは素焼き窯。寛次郎氏自身の窯だそうです。
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さらに奥には大きな登り窯があります。こちらは共同窯で20組ほどの陶芸家で使っていたそうです。
手前は還元焼成、上の方は酸化焼成になるそうで、寛次郎氏はいつも前から2番目の室を使われていたそうです。
昭和46年に使えなくなるまで毎月窯を焚いておられたとのこと。数人の窯焚きさんが二昼夜にわたり火の番をされていたそうです。
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内部の壁は、松灰で自然に施釉されています。
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一段下がったところにある焚口には注連縄が掛かっています。
窯はとても神聖なもので、窯が焚かれているときはご家族でも女性は立ち入らなかったとのことでした。
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寛次郎氏の仕事場。けろくろがふたつあります。手前に寛次郎氏が座っていたそうです。
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中庭
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素焼き窯の横に、休憩室のような小間がありました。
庭に面しており居心地の良さそうな小間でした。
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中庭の縁で記念館の猫「えきちゃん」が昼寝をしていました。岩合光昭さんの写真集の表紙モデルも務めた有名な猫ちゃんだそうです。

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2階の階高の高い本二階の外観。「河井寛次郎記念館」の文字は親交の深かった棟方志功氏の書だそうです。
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トークセミナーの最後に、寛次郎氏が話しをされている番組の動画が紹介されました。お声やお話をされる表情からお優しく穏やかな人柄であることが伝わってきました。
民芸というと”用の美”という言葉が思い出されますが
「遠く捨て去てさり忘れてしまった生活の肌理(きめ)、あとから美が追ってくるような手の仕事」という言葉に触れ、当時よりもさらに忘れ去られている現代においても根源的なものであることを感じました。
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”木の住まいの設計”
一級建築士事務所FRONTdesign  岩城由里子
国産材・県産材を使って木の家づくりをしている設計事務所です。
奈良県生駒市北田原町1052-2



# by frontdesign | 2017-06-23 07:59 | 建物探訪&散歩 | Trackback | Comments(0)

天理の家 進捗状況15

工事は着々と進んでいます。
1階は床下地の工事中。土台は総入れ替えで、元の床高さに合わせて新しい土台が敷かれました。
室内の耐力壁になる部分と、新たな間仕切り壁のできるところには柱が入れられました。
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民家の特徴でもある長い縁側は、とても開放的です。
こちらの住まいは南と北に長い縁側があり、どちらも緑豊かな庭を臨むことができます。
断熱性能を高めて室内側に取り込み、明るさと解放感を取り入れる設計にしています。
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屋根工事はほぼ完成。鬼瓦と鳥衾も取り付けられ、元通りの風格のある屋根になりました。
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熨斗が高く積まれ、大きな屋根に相応しい美しい陰影が感じられます。
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# by frontdesign | 2017-06-19 14:35 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

生駒山の家 進捗状況4

今日から土台伏せが始まりました。良いお天気で土台伏せ日和です。
足場が組まれ、平屋建ての建物のボリュームがわかるようになりました。
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大工さんが手で刻まれた土台が運び込まれました。土台や柱は吉野桧、梁材は吉野杉と地松を使っています。
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加工場にはこれから運ばれる材料がうず高く積まれています。
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これは方形屋根の頂部の仕事です。尖った仕事をしていただき感謝しています。
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職人のみなさまの知恵と工夫に支えられています。



# by frontdesign | 2017-06-19 13:56 | Trackback | Comments(0)

生駒山の家 進捗状況3

基礎のコンクリートが打ちあがり型枠が取られました。
今日は給排水設備屋さんが配管の準備に来られていました。
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伏見建築事務所さんの加工場では、墨付けと刻みの作業をされています。
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親方の墨付け。手の仕事です。
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たいこの丸太梁も2本あり、先輩大工のMさんが料理しています。
こういう仕事が少なくなっているので、現場で経験して木造の技術が伝わることが大切なことだと思います。
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刻み中の若手大工Nさん。いい音を出して刻んでいます。見えないところも丁寧な仕事。
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こちらも若手大工Kさん。きっちりと測って丁寧に刻んでいます。
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親方を中心に3人の若手大工で刻んでいます。
それぞれが手の仕事をしながらひとつの建物をつくり上げるので、チームワークもとても大切なことだと思います。伏見組のみなさんはチームワーク抜群で、よい現場だと思います。

棟上げがとても楽しみです。




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一級建築士事務所 FRONTdesign

# by frontdesign | 2017-06-09 17:03 | 新築 生駒山の家 | Trackback | Comments(0)

王寺の家 設計中

実施設計を進めている王寺の家。
部屋の間取りや仕上げについては基本設計でおおよそ決定し、実施設計では構造や細部の納まりを検討しながら進めています。
図面を描きながら迷いが出ることも多く、パースを変更しながら考えることもあります。
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王寺の家は居間続きに独立したピアノ室をつくります。
グランドピアノを置かれるので、ある程度の広さが必要になります。ピアノを弾くときだけ使用する部屋だと勿体ないので、家族のワークデスクを兼ねることにしました。デスクに向かわれるのは主に夜で、ピアノを弾く時間帯とは重ならないとのことで、解決することができました。本来は静かであるべき空間と音の出る空間は相反するものですが、時間差で同居できれば空間を活かすことが出来ますね。
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「家は体で、中に住む人は血液」 
家を人間の体にたとえた話を聞いたことがあります。
血の巡り(人が家じゅうを動く)が多い家(体)の方が、家が活かされて良い住まいになるということです。
閉め切った部屋をなくすことは空気が滞ることも防げるので、建物としても健全に保ちやすくなります。




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# by frontdesign | 2017-06-07 17:53 | 新築 王寺の家 | Trackback | Comments(0)

国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 奈良県生駒市


by yuriko iwaki