奈良町町家改修工事 進捗状況
2019年 06月 11日
主屋の大屋根の瓦葺きが始まりました。
表の通りは道幅が狭い為、中庭から瓦を上げられます。
建物もお庭も奥から順番に工事を進めて順次完成していますが、瓦工事のスペースを確保する為にこの部分の庭工事は後施工になります。
瓦は三河の三洲瓦。
三洲は瓦の三大産地のひとつですが、近年、瓦を作っているところが激減しているそうです。
今回は創喜瓦工業のいぶし瓦です。
北面は下地の歪みが大きかったのですが、大工さんに適度に直して頂きました。
綺麗に葺き揃いそうです。
南面はこれからです。
主屋の大屋根は、前回の改修時に桟葺きにされていました。野地の痛みを直し下地から新しくしました。
今回の工事の一番の難所。隣の建物との間は30センチほどの隙間です。足場を組んで頂き、重たいケラバ包みを解体し、穴の空いた壁も直して頂きました。少し越境していた屋根のケラバ部分も補正して頂きました。
狭くて長い空間。入るのが怖いです。
見上げると、空が見えるようになりました。長年の懸案事項が解決して、良かったです。
二階のなかのま。新たな窓の開口も形になり、照明をつけなくても明るくなりました。このくらい明るい方が気持ちが良いですね。
窓に入れる建具は古建具です。縦使いのものを横に使います。少し加工が必要です。
表の鹿よけに、お施主さんが看板を掲げられました。額縁は大工さんのお手製。
通りすがりの方が立ち止まって読んでいるのを見かけました。
工事をしていると気になりますね。
西村邸は、奈良町らしい町家の風情を味わって頂けると思います。
どうぞお楽しみに。
by frontdesign
| 2019-06-11 22:28
| 町家改修 奈良町 西村邸
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