国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 FRONTdesign

国産材・県産材でつくる木の住まいを設計しています。 奈良県生駒市

法蓮町の家 三年

三年前に設計させて頂いた法蓮町の家。久し振りにお伺いさせて頂きました。
築28年の住宅を購入され、ご入居までの間に改修をする計画でした。ご家族の暮らしに合うように間取りを変更し、耐震性と断熱性能も向上しました。

ご入居から三年近くが経ち、木の色も飴色に色付きとても落ち着いた住まいになっていました。
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元の間取りでは、一階の奥の家族の集まるダイニングキッチン空間が光の入らない暗い部屋でした。暗さを解消するために、二階の一部の床を取り除き、吹き抜けにして2階の南と東からの光が階下にも届くようにしました。吹抜けにするのは大層な工事になりますが、小屋組からの荷重の流れを考え、区画を変えず既存の柱は抜かないように計画をし、工事が始まり解体する中で平面剛性の補強をしながら進めて頂きました。

障子のついた窓は元の和室の障子をそのまま利用しています。階段も付け替えました。
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ご希望の暮らし方として、二階のこの部屋は余分でしたので、床面積としては減築したことになります。

工事中の写真。6畳の部屋の4.5畳分を吹き抜けに。
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床は三陸赤松で、吹き抜け天井と造作材は吉野杉、造作家具はタモの集成材を使っています。

吹き抜け周りの手摺は、極力光を階下に取り入れるよう、細いルーバーにしています。

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壁は越前和紙の壁紙を張っています。
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洗面所も窓をつけることができなかったので、脱衣室の光が入るように壁にガラスを入れました。
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改修の設計をさせて頂いた住まいにお伺いしますと、元の家のことや計画の過程も思い出します。元の建物の声に耳を傾け、良さを生かし不具合を直しながら、長く住み継いで頂けることに懸命になります。なかなか思うようにいかないこともありますが、新築とは違う設計の楽しみがあります。


改修から三年近くが経ち、すっかり住みこなされていて、お施主さんらしい素敵な住まいの風景でした。

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by frontdesign | 2016-08-29 11:23 | リフォーム 法蓮町の家 | Trackback | Comments(0)

by yuriko iwaki