国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 FRONTdesign

国産材・県産材でつくる木の住まいを設計しています。 奈良県生駒市

銘木 変木

先月のことになりますが、女性建築士の和室勉強部会ツアーで、桜井の菅生銘木市場を見学させて頂きました。
菅生銘木さんは、主に和室や数寄屋建築に使われる銘木を扱われています。規模が大きく、床柱、天井板、杉皮のようなものから、一枚板のテーブルの天板まで、様々な銘木を見せて頂くことが出来ます。
中でも変木はみなさんの興味のまとになり、しばらく変木のところで担当の方から説明をお聞きしました。変木は自然のままの木の格好が魅力です。凄いのもありますね。
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雑木の中曲がりは茶室で重宝される材で、良い曲がりのものはとても貴重です。同じものは二つとありませんので、木との出会いは一期一会です。
束にしてある細木は、数寄屋の土庇の垂木や天井の竿など、横にして使われるものです。連続して使うので束で売られています。
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「磨きの中曲がりは如何ですか」と立てて下さいました。
このように、真っ直ぐな木が途中で膝のように曲がり、また真っ直ぐになっているのが中曲がりです。中曲がりは片側に壁をつけて、壁止まりの柱として使うと曲がりの良さがよく出ます。この写真の場合は左を壁にすると良さそうです。外部の独立柱で使うのも良い格好になります。もう少し細いものだと横にして落としけとしても使えそうです。
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中曲がりを独立柱で使うと、このような感じになります。(吉城園)
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こちらの柱は中曲がりではありませんが、よく見ると真っすぐではなく自然の丸太です。大工さんが形に合わせて光らせながら木を組まれます。こちらも吉城園。お茶室なので蹲があります。
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丸太の太さを決めるのはなかなか難しく、広間の床柱などは、空間に対して細さが過ぎると一気に貧弱になり間が崩れてしまいます。
昭和を代表する日本建築の巨匠でも、数寄屋建築の工事中に現場を訪れて仮に立てた磨き丸太の床柱の太さに悩まれ、大工さんに年輪一枚分をめくってもらったという逸話も有ります。年輪一枚分、、1年で3ミリとすると両側で6ミリなので見かけは変わるでしょうね。
真行草の様式で、使われる樹種や太さの加減も変わりますが、ギリギリの太さ(細さ)を狙って違和感のない程度が丁度良いところかと思いますが、いかがでしょうか。



絞り丸太の一角に、出節丸太と言うよりは出枝丸太が並べてありました。クリスマスツリーみたいで、見ているだけで楽しくなります。枝は固く、大人でも枝に足をかけて登れるそうです。自然の枝を残した木は、傷をつけずに輸送するのが大変とのことでした。
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銘木屋さんにはいろいろな木があります。




by frontdesign | 2018-01-11 07:50 | 和室と日本建築  | Trackback | Comments(0)

by yuriko iwaki