王寺の家 竣工

王寺町の家が竣工しました。
構造材(吉野材)の手刻みから始まり、工期は約7か月になりました。吉野材を使い、大工さんの手刻みで建てた木の住まいです。

1階の天井の多くは構造の梁を化粧で見せる仕上げにしており、天井板には静岡県産杉のJパネル(手の物語)を剛床を兼ねて使用しました。写真のキッチンの側板もJパネルです。色つやの美しい杉の3層パネルです。

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キッチン食堂の奥の居間の壁は、吉野杉赤身上小板張りです。正面の壁が杉板だと、部屋の印象が柔らかになるように思います。天井も同じく赤身上小板張りで勾配天井で仕上げています。

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居間から食堂を見たところ。居間~食堂~小上がりの和室の3室が南向きの部屋で並んでおり、見通すことが出来ます。和室の隣にはウォークインクローゼットがあります。食堂側からも入口があり、帰宅後のコートやかばんの収納場所兼、日常的な衣類等の収納部屋です。和室につながっているので和室を着替え部屋で使うこともできます。
食堂には小上がりの掃き出し窓があり、長いベンチからウッドデッキに出ることが出来ます。ウッドデッキの工事はこれからです。

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居間の北側にはピアノ室兼書斎があります。こちらも居間と同じ勾配天井で杉板を張っています。

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デスクコーナーには4mのカウンターと壁付け本棚を設けました。ご家族の書斎です。
とても長いカウンターですので、ゆったりとお仕事やお勉強をしていただけそうです。北向きの部屋なので日の入りが安定しており、落ち着いた部屋になりました。丘の上の敷地ですので窓からの眺めがとても良く、風もよく入ります。

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デスクカウンターの反対側の壁は1面本棚です。圧迫感が出ないよう、本棚の高さを1.6m程度にしました。横幅が4mあるので、かなりの量の本が収まると思います。
この空いている空間に、グランドピアノを置かれます。
ピアノ室を計画するにあたり、広い部屋を設けてもその部屋に入る機会が少ないと部屋の空気も滞りがちになってしまいます。ピアノを弾く以外にも使えるようにご家族の書斎を兼ねることにしました。音の出るピアノ室と静けさの必要な書斎が同じ空間で両立するかどうかですが、ピアノを弾く時間帯は昼間で、書斎としては主に夜にお使いになられるとのことで、時間差によって兼用することが出来るようになりました。

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この家の中心にあるキッチンです。
設計の過程で、キッチンの位置をどこにするか、また、どの程度オープンにするかを検討しながら進めておりましたが、最終的には家の中心に配置し、フルオープンのキッチンになりました。キッチンの天板やレンジフードはステンレス製で、壁はタイル張りですが、冷たい感じにはならず食堂や居間続きでも違和感なく収まったように思います。キッチン下の背板のJパネルもとても綺麗です。まだ白っぽいですが、月日とともに少しずつ色が濃くなってくることと思います。

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コンロ横の壁は全面タイル張りです。

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キッチンから居間方向を見たところ。和室側から居間方向まで、正面の庭も見渡すことが出来てなかなか開放的です。

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造作のキッチンのことについては、ひとつ前のブログで紹介させていただいています。


冷蔵庫は階段下の空間を利用して、壁面の中に納めました。正面の扉はパントリー兼ユーティリティに通じる引き戸です。北からの明るい光がキッチンに入り、引き戸を開けておくと南北の風の通り道になります。工事中もここからよく風が入っていました。夏場は涼を取る窓になりそうです。

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パントリー兼ユーティリティー。
パントリーにはL型に棚を設けました。空間の半分は室内干しのスペースとしてお使いいただけるようにしています。外部のサービスヤード(物干し場)へ出る掃き出し窓には可動ルーバー付きの雨戸をとりつけ、風を通しながら施錠が出来るようにしています。
玄関ホール・階段~食堂・キッチン~パントリー兼ユーティリティー~廊下・トイレ・洗面コーナー(水廻り)~玄関ホール・階段へと、階段を中心に回遊できるようにしています。こちらの水廻り側は裏動線の部分ですが、風も入り良い空間になったように思います。

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洗面コーナー。洗面台も大工さんの造作で、収納の引き出しをたくさん設けました。
鏡の横にルーバーの窓を設けています。正面からの光は鏡の顔写りが明るくなりますので、昼間は照明不要です。

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食堂・キッチンへ入る扉の手前に、2階へ上がる階段があります。

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階段。
今回は廻り階段を5段割りで納めました。設計仲間に教えてもらった通り、なかなか上りやすい廻り階段になりました。階段の段板は桧の接ぎ板。手摺も桧で大工さんに作ってもらいました。手摺は、毎日手で摺っていただくとつやつやになります。

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階段は家の真ん中にあるので窓を取ることが出来ず、上部に天窓を設けました。光を広げるために天井をブーツ型に広げました。
夏場は、1階も2階も家じゅうの暖気を逃がす窓になります。

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部屋の入口建具の上部は透明のアクリル板を入れた欄間にしています。天窓の光が室内からも見えるのは、思っていた以上に気持ち良いです。

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2階にはミニキッチンとしても使える水廻りを設けています。こちらは木の天板に落とし込みのキッチンシンクを取り付けています。

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12畳のフリールーム。構造の梁と束を化粧で現しにしています。

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寝室。窓からの眺めがとてもよく、夜景も素晴らしくていいお部屋になりました。

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寝室の隣のウォークインクローゼット。細長くて天井の低い5畳の空間ですが、結構な量の収納を賄えると思います。
この部屋も、寝室からの出入りと同時に廊下側からの出入りもできるようにしています。2階も、階段を中心に回遊できる間取りです。

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建物が完成すると、計画の過程が懐かしく思い出されます。設計にも多くの時間をかけさせていただきました。ご依頼いただきましたお施主様と、建築にご尽力いただいた職人の皆様には感謝の念が堪えません。
連休明けから外構工事が始まります。良い印象の佇まいになるように、外構づくりをしたいと思います。




設計:FRONTdesign
施工:(株)伏見建築事務所

「奈良をつなぐ木の家」







”木の住まいの設計”
一級建築士事務所 FRONTdesign  岩城由里子
国産材・県産材を使って木の家づくりをしている設計事務所です。
yiwaki@kcn.ne.jp
奈良県生駒市北田原町1052-2




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by frontdesign | 2018-05-04 23:42 | 新築 王寺の家 | Trackback | Comments(0)

国産材・県産材でつくる木の住まいを設計しています。 奈良県生駒市


by yuriko iwaki
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