奈良町町家改修工事 進捗状況
2019年 05月 21日
前庭の覆い屋根を撤去して、辰巳蔵の壁がよく見えるようになりました。
正面の茶室も全体が良く見えるように。
茶室は土壁を修理し、後補で無くなっていた袖壁を復元します。
前庭から主屋へ通じる開口部は2枚の引き込み格子戸と櫛型欄間が入っています。
下地の傷みの補修方法を検討しながら進めていただいています。
櫛型欄間。縦格子は細い名栗です。
前庭はちょうど主屋のなかのまの東側に位置しており、通り庭を介してなかのまに光が入ってきます。
2枚の引き込み戸を開けると、通り庭の土間とお庭が一体的になりとても開放的です。
町家って本当に面白い。
辰巳蔵の工事にも着手していただいています。改修後は喫茶室になります。
2階の床が撤去されました。2階はつし2階で天井も低く、吹き抜けにしても間延びしないスケール感です。天井は断熱材を入れてボード下地を張っていただきました。母屋も綺麗に見えるように納めていただきました。若手大工Nさんの仕事です。
建築当初より古材が使われており、柱には貫跡があります。古材は、柱だけではなく大きな梁にも使われています。鴨居溝が入っているのでおそらく差鴨居の再利用材だと思います。古い建物を解体すると、部分的に古材が使われている場合が多いです。
道路側は大きな化粧梁が入っており、元々外部だったところは化粧野地で黒く塗られています。
何度かの改修の後、現在のシャッター付き駐車場スペースになったようです。
現場では、経験豊富な大工さんから若手の大工さんへと技術を伝えておられます。
by frontdesign
| 2019-05-21 21:23
| 町家改修 奈良町 西村邸
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