古建具の再利用
2020年 07月 27日
民家の改修工事では古建具を再利用させて頂くことが多いのですが、今回の桜井の家でも何か所かで古建具を使わせて頂きました。
舞良戸。
高さは元の鴨居の高さに合いましたが横幅が少し足りなかったので、戸先に溝引き手を付け足していただきました。
手掛かりの溝引き手が付いて、開け閉めし易くなりました。敷居はVレールにしましたので動作も軽くなりました。
今回の改修で新しくなったところと柱や梁など元のままのところが混在しており、古建具も馴染んでいます。お施主さんにも気に入って頂けて良かったです。
雪見障子。
障子の真ん中に片引きの小さい孫障子が入っていた細い敷居の溝がありましたが、孫障子は無くなっていました。
そこで、新たに孫障子を作って入れてもらうことになりました。
小屋裏への階段入口に設置しました。猫ちゃんが居てるので、紙は破れにくいワーロン紙を張っています。
孫障子もスルスルと動き、開けると風も通ります。
孫障子の敷居鴨居には欠損しているところもありましたが、建具屋さんが上手く補修してくださり機能が復活しました。
小ぶりの引き違いガラス戸が二組み。
これらは玄関横の収納室の窓として使わせて頂きました。焼き杉板の外観にもぴったり合いました。
室内側。
建具に合わせて大工さんに窓枠を作って貰いましたので、サイズはピッタリです。
錠もつけて頂きました。昔懐かし中折れ捻締り錠です。
この舞良戸は、ガラス建具に改造していただくことに。
玄関の引戸に使う建具で、横幅はちょうど良いのですが高さは足りないので足元にはかまを付け足して頂きました。
採光の為にもガラス戸にしたかったので、戸板を取り防犯ガラスを入れて鍵もつけて頂きました。
ここまでの改造が出来るのか判断できなかったので建具屋さんに現物を見ていただき相談したところ、特に問題なく可能とのことで受けて頂いた次第です。
古い建具は良い材料が使われており、いい仕事でつくられたものが多いので、傷んだところは直しながら長く使うことができると良いなあと思います。
以前に修理していただいた障子類。
平書院の障子
欄間はきちんとしていますが、引き違い障子の繊細な組子が折れたり欠損したりしています。
修理後。きちんと元通りに直して下さいました。
こちらの平書院の障子も同様です。欄間部分も少し傷みかありました。
修理後。きちんと修理して頂き、新品のようになりました。
欄間障子も繊細なつくりで、傷んでいました。紙の張り替えの時に紙に引っ張られて折れてしまうのかもしれません。
欠損した組子も復元して頂きました。
by frontdesign
| 2020-07-27 07:59
| 民家改修 桜井の家
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