カテゴリ:山のこと( 19 )

木年貢

先日、妻籠の南木曽町博物館で木年貢の実物大の展示を見ました。
山間地は耕作面積が狭いため、お米の代わりに木年貢を納めて木年貢に見合った下用米が支給されていたそうです。

木曽と言うと桧が大変有名ですが、木年貢は木曽桧を中心に木曽五木と呼ばれる(ヒノキの他、サワラ、アスナロ、ネズコ、コウヤマキ)で納められていたそうです。の丸太をみかん割りにし、芯と白太を取って台形に成形されています。大きい方は土居と呼ばれ、断面の3方は30㎝、腹(木の芯側・上の平らなところ)は12㎝。このサイズは、かなりの大径木からしかとる事ができません。長さは時代によって違っていたようですが展示のものは1Ⅿ程度でした。小さい方は榑(くれ)と呼ばれ、3方が12㎝、腹は7㎝、長さは1.5Ⅿ程度。

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木曽谷は95%が山林で建築用の良材の産出地ですが、関ケ原の戦い後の江戸初期には城郭・城下町・武家屋敷・造船などの材として大量に伐採されたため、山が荒廃しその後には森林保護のために伐採禁止になり木年貢も廃止されたそうです。


木曽五木。手前から
ヒノキ  サワラ  アスナロ  ネズコ  コウヤマキ
どれもよく似ています。
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森林を管理していた尾張藩は、当初はヒノキのみを伐採禁止に指定したそうですが、誤伐を防ぐ為にヒノキに似ているアスナロ、サワラが禁止になり、貴重なコウヤマキ、その後ネズコが伐採禁止になったそうです。その後にケヤキも追加されたとのこと。
禁伐木を1本伐っただけで打ち首になったそうで、「木一本に首ひとつ、枝一本腕ひとつ」と言われていたそうです。誤伐で首が飛ぶこともあったかもしれません。恐ろしい。


5つの木の葉。左から
コウヤマキ  アスナロ  ネズコ  サワラ  ヒノキ

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コウヤマキ以外はよく似ていて、なかなか区別できないですね。










by frontdesign | 2018-06-13 07:51 | 山のこと | Trackback | Comments(0)

杉の赤身

杉の赤身板の自然乾燥。
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奈良をつなぐ家づくりの会のメンバーの泉谷木材商店さん。木を自然乾燥させるために桟組みをして積み上げられている様子です。
板材や四角い柱材など、たくさんの材料がうず高く積み上げてあります。木と木の間に桟を入れることで空気に触れる面積が増え、乾燥しやすくなります。
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杉の赤身板は桟組みをして自然乾燥をする際に桟の跡がつき易いので、木表(木の表側・・・仕上げるときに表になる部分)を内側に重ねて2枚ごとに桟を入れておられます。このようにして乾燥すると、仕上げの表になるところに桟の跡がつきません。桟の跡は、実際に床などに張ってから時間が経つとだんだん跡が薄くなり最終的には同じ色になりますが、出荷時より均一な色目にする為に工夫をされています。本来は1枚ごとに桟を入れる方が乾燥も早いのですが、ひと手間かけておられます。同じ杉でも、白太は桟の跡がつきにくいので1段積みで大丈夫です。

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山から伐り出された杉の原木の断面。赤身は木の中心部分(心材)の赤いところで、外皮に近い部分は白太(辺材)です。

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建築の施工時も、杉の赤身は注意しなければならないことがあります。漆喰や石灰系の左官材料が着くとアクが出て真っ黒になってしまいますので、漆喰の壁際などは丁寧に養生することになります。同じ杉の木でも、赤と白では性質が違います。

杉の赤身をフローリングに加工されたところ。(写真は裏面です。)

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杉の赤身板はよく内装の仕上げに使わせていただいています。部分使いをすることが多いのですが、としくんのおうちの吹き抜け廻りでは内装の半分以上を杉の赤身上小板で仕上げました。これらの木の産地は吉野です。

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室町時代から造林の続く吉野川上村の杉の林業地。
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木は自然の恵みでもありますが、林業は高い技術と知恵の上に成り立っています。
日本は森林国ですので、昔から暮らしの中で木がたくさん使われていました。木は人々にとって身近な材料であり、山は身近な存在でした。これからも人の暮らし(町)と木(山)が身近な関係であり続ければと思います。



奈良をつなぐ家づくりの会では、1年に2~3回「吉野の森見学バスツアー」を開催しております。
次回の開催日が決まりましたら、ブログでお知らせさせていただきます。




”木の住まいの設計”
一級建築士事務所 FRONTdesign  岩城由里子
国産材・県産材を使って木の家づくりをしている設計事務所です。
yiwaki@kcn.ne.jp
奈良県生駒市北田原町1052-2







by frontdesign | 2018-03-25 08:42 | 山のこと | Trackback | Comments(0)

"木のみかた”

木の家づくりの活動で、吉野などの林業地を見学させて頂くことが増えました。木が林立する山を歩くうちに、木を材料としてではなく植物(生き物)として見ることが面白く思うようになりました。
この本の筆者は日本中の森を案内する森の案内人。森だけでなく、街でも家の庭でも、木の不思議を楽しませてくれる本です。

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アカメガシワ
クズ
神樹
山桑
棕櫚
臭木(クサギ)
山漆・ヤマハゼ・ヌルデ(”チーム・ヤマウルシ”と筆者が命名)
椋の木
イチョウ

これらの木について書かれていますが、どの木もどこにでも生えているような身近な木です。見たことはあるけど名前を知らない木もあります。だんだん楽しくなってきて、好きな木が出てくると気持ちが高揚しました。
筆者の木に対する眼差しは愛に溢れており、森や木への愛を感じる本です。
巻末に筆者お勧めの日本全国「この木、あの森」が掲載されています。
私の住んでいる近くだと春日山原生林。春になったら久しぶりに歩いてみたいと思います。


ミシマ社の、コーヒーと一冊シリーズ10。
コーヒーを飲みながら読了しました。





”木の住まいの設計”
一級建築士事務所 FRONTdesign  岩城由里子
国産材・県産材を使って木の家づくりをしている設計事務所です。
yiwaki@kcn.ne.jp
奈良県生駒市北田原町1052-2








by frontdesign | 2018-02-02 15:47 | 山のこと | Trackback | Comments(0)

夏休み 小学生向け 山と木の体験イベント

夏休みが始まりましたね。生駒の市民プールは数年前から無料で開放されているそうで、近くを通ると子どもたちの楽しそうな歓声が聞こえてきます。

さて、夏休み後半の8月20日(日)に、
(一社)奈良県建築士会青年委員会さんが小学生向け(3年生~6年生)イベント「五感で感じる木の事業」を開催されるとのことです。

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(子どもたちの伐採体験の様子)



開催日時:8月20日(日)8時45分~16時30分

内容:林業地での木の伐採体験・映像学習・ウッドバーニング体験等

集合場所:奈良県桜井市粟殿355 木材振興センター「あるぼーる」
(県北部の奈良市や生駒市から車で1時間弱です。車はあるぼーるに停めておけるそうです。山への移動はバスです。)

料金:一人4000円

※昼食は流しそうめんをされるそうです。

ツアー詳細とお申し込み方法:奈良県建築士会青年委員会ホームページをご覧いただき、裏面を印刷の上、FAXにてお申し込みください。


木の伐採はなかなか体験する機会がないのですが、伐りたての木のみずみずしい木口を見ると木が生きていることが実感できて、大人も感動します。
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森の中は足元の土が腐葉土でふかふか。木の切り株には苔がむし、小さな虫も見かけます。そして虫を食べる鳥や動物がいます。栄養のある腐葉土から流れ出る水は小川に注がれ、水中の生き物もたくさんいます。生物多様性の森は循環しており命に満ち溢れていています。
森は巨大なひとつのいきもののように思います。
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木の切り株に生える苔。木の外側の甘いところ(白太)には苔が生え、真ん中の渋いところ(赤身)には生えていません。


町で暮らしている子どもたちには森のことや木のことは身近なものではないと思いますが、森を五感で体感して木のことを知ると、自然科学への興味を持っていただくきっかけになるかもしれません。
夏休みの宿題や学習発表などの題材にもなると思いますので、是非ご参加ください!

奈良をつなぐ家づくりの会で一緒に活動をしている吉田製材の吉田さんが山の案内役をされるそうです。優しくて楽しいお兄さんです。
道路近くの山へ入られるそうですので森の中を長時間歩くことは無いそうですが、夏場はヒルなどの虫に刺される可能性もありますので、長ズボン、靴下、運動靴でご参加されると良いと思います。

お申し込み方法と詳細は奈良県建築士会青年部ホームページをご覧いただき、裏面を印刷の上、FAXにてお申し込みください。
(お申し込みはお早めに!)

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こちらに、今回のイベントで体験できる”ウッドバーニング”のことについて掲載されています。
ウェブ内の木製車も大変魅力的です。こんな木の車を一度運転してみたいです。速さは求めません。燃費がいいと良いのですが。

木の可能性。こちらも是非ご覧ください。






”木の住まいの設計”
一級建築士事務所 FRONTdesign  岩城由里子
国産材・県産材を使って木の家づくりをしている設計事務所です。
yiwaki@kcn.ne.jp
奈良県生駒市北田原町1052-2







by frontdesign | 2017-07-25 21:41 | 山のこと | Trackback | Comments(0)

森林審議会 獣害と生息地

今日は奈良県森林審議会でした。奈良県では県内の森林を、北部の「大和・木津川地域」中部の「吉野地域」南部の「北山・十津川地域」に分け、それぞれの地域で10年(5年)単位で計画を策定されています。各地域で森林の形態、生態系などが若干異なるため森林計画内容も異なります。今年度は変更年ではないのですが国の指針に沿って一部変更がありました。
改変事項で人工造林に関しては、季節を選ばないコンテナ苗の利用、伐採と造林の一貫作業推進(架線)、路網の維持管理等の追加がありました。昨年度まで植林に関する指針が無かったので、コンテナ苗利用は興味深く拝見しました。
また、鳥獣害の防止に関する事項が大幅に増えました。特にニホンジカによる被害が深刻で、ここ5年の実損面積の82%がニホンジカによるものとのこと。生態分布や被害実態調査により生息状況に応じた区域を設定して、種々の対策を講じるそうです。防護柵はメンテナンスも必要ですが比較的有効な手段であるとのこと、捕獲も含めて人とニホンジカの共存できる環境づくりを行うようで、生息地での防護柵の設置を今後進められるそうです。

奈良県の3地域の被害状況のグラフが掲載されており(H22年度~26年度)、生息動物の違いが面白く思いました。
北部の「大和・木津川地域」。私の住む生駒もこの地域です。
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「吉野地域」
北部と違いイノシシは少なく、ツキノワグマや天然記念物のカモシカが生息しています。カモシカは鹿の一種だと思っていましたがウシ科だそうです。
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カモシカというと、昔懐かしこの切手を思い出します。寒いところにいるイメージでしたが、紀伊半島にも生息しているのですね。(※生息地 本州では東北地方から中部地方にかけて分布し、京都府北部、鈴鹿山脈、紀伊半島などに隔離分布する。ウィキペデゥアより)
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そして南部の「北山・十津川地域」
ツキノワグマがとても多いです。吉野地域で4.96haに対して573ha。100倍です。クマがたくさん。
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会議では林地台帳の整備・作成(H31年)のことや、開発地(山林の減少)の報告(例年)、(仮称)奈良県フォレストアカデミー設立、奈良・和歌山・三重共通のフォレスター制度の取り組みの話もありました。
ここ数年はメガソーラー発電による開発の案件が目立ち、面積も大きいため毎回審議の話題に上ります。今回は、過去にゴルフ場を作るために開発した森林がゴルフ場計画がとん挫した為、メガソーラー発電所に変更になった事案が2件ありました。ひとつは吉野町で、もう一つは生駒市北田原町。(北田原町はうちの事務所のすぐ近所です。16haもあるそうで。)ゴルフ場もメガソーラーもその時代性を表すもので、森林の受難のように感じました。10haを超える開発に関しては審査に掛けられますが、土壌を覆うメガソーラーの用途に関しては規制する条例等が現在はないため、審議の上、生態系の維持に努める程度の指導等で許可をする結果になっているとのことでした。
県内には絶滅危惧種の植物も多く生態系の維持のためにも何らかの基準が必要であることや、ソーラー発電の廃棄を含めて将来的なことを検討することが必要と、生態系専門の委員より多くの提言がなされました。

水源涵養機能をはじめ森林は多くの役割がありますが、健全で持続可能な森林維持保全のために行政が担う役割を知る機会になります。

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by frontdesign | 2016-12-16 00:03 | 山のこと | Trackback | Comments(0)

新建全国研究集会吉野林業地見学会 作業道づくりのこと

18日から3日間、吉野で開催された新建築家技術者集団の全国研究集会に参加しました。シンポジウムでは吉野の修験道と林業についての話をお聞きし、分科会や懇親会では全国から集まられた方々と意見交換ができました。嬉しい出会いもあり、大変充実した3日間でした。

研究集会3日目の吉野林業の見学会では、清光林業の岡橋様の山を見学させていただきました。岡橋様に山を見せていただくのは初めてで、長い年月をかけて手入れをされてきた「完成された森」は大変素晴らしく、人と自然の共存に知恵が加わり成り立っていることを改めて興味深く思いました。

260年生の森が広がります。人が近くに立つと木の大きさがよくわかります。
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吉野の斜面は日本一急峻と言われており、車の入れないところは山守さんが歩いて山を登り手入れをされています。あまりにも急峻なため、斜面地には車が通る道をつけ難く、伐採時にはヘリでの出材が吉野では今もメインですが、山に車が入れることは伐採のためだけではなく山全体の手入れのためにも合理的で、健全に山を保つためには作業道が必要とのことでした。
岡橋さまは急峻な斜面でも崩壊しない小さめの作業道を作ることを、30年前より続けてこられています。

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吉野林業独自の山守制度と、吉野材の特徴、作業道について説明をされる岡橋様。
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作業道は幅2.5mで丸太を使って作られます。この方式の作業道は壊れにくい作業道として、数年前に奈良型作業道に認定されました。
山にある資源で作られており、時間とともに自然に帰ります。
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水による崩壊を防ぐための止水板。
大水が道に沿って流れないように一定の間隔で斜めに敷設されています。維持管理のしやすい角度だそうです。ここは標高600mのところですが、この作業道がこの山の高さ1100mのところまで続いているそうです。
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奈良型作業道模型。
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岡橋さんのところの4WDに分乗させていただき、急斜面を蛇行するスラローム状の作業道を上がりました。道の斜度はかなりきつくてスリルがありました。
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車に張ってあるステッカーは作業道の作り方の断面です。
37度の斜面に対して高さ1.4mの土留めをして幅2.5mの水平の道を作り(2tトラックが通れる道幅だそうです)、取り除いた土は下斜面に盛るのでその部分は39度の傾斜になるということです。下斜面には木を残し崩壊を防ぐそうです。
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日本の林業は外材の関税撤廃以降衰退し、また日本人の価値観が急変したこともあり、どこも大変な状況に陥っています。
設計の仕事をする中で、国産材県産材を使った家づくりに取り組んでいますが、美しい材料は山守さんの手入れによって撫育された木で、林業の施業技術の継承のためには吉野でも作業道の敷設が必要であることを学ばせていただきました。
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岡橋さんの山を下り、宮滝の丸岡材木店を訪問しました。
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丸岡材木店の岡本さん。新建築家技術者集団のメンバーです。
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フローリング用の木は天然乾燥で3か月ほど置き、乾燥機に入れられ低温で乾燥されます。
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丸岡材木店さんは奈良をつなぐ家づくりの会のメンバーでもあり以前よりよく使わせていただいておりますが、色つやの美しい材料を納入されます。また木をとても大切にされていらっしゃることを感じます。

製造工程の説明。
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幅210長さ1800暑さ30の杉の床板の完成品。
吉野材とても綺麗、使ってみたい、という設計者の声があちらこちらから聞こえてきました。
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ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました。
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by frontdesign | 2016-11-21 17:32 | 山のこと | Trackback | Comments(0)

シンポジウム「林業と修験道・森に育まれた吉野の歴史とまちづくり」のお知らせ

今週の土曜日、新建築家技術者集団主催の公開シンポジウム「林業と修験道・森の恵みに育まれた吉野の歴史とまちづくり」が開催されます。錚々たるパネリストのみなさまにお集まりいただき歴史の地吉野の話をお聞きします。
まだ若干空きがございますので是非お越しください。
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ここ奈良県の吉野地方は日本有数の林業地ですが、金峯山寺を中心とした「信仰の山」として古来より時を紡いでいるところです。このたび新建築家技術者集団の第30回全国研究集会を吉野で開催するにあたり、「林業と修験道」をテーマに公開シンポジウムを開催することになりました。一般の方もご参加いただけますので是非お越しください。

公開シンポジウム
「林業と修験道・森に育まれた吉野の歴史とまちづくり」
パネリスト
 金峯山寺管領 五條良知氏
 清光林業株式会社取締役 岡橋清元氏
 吉野町参事 田中敏雄氏
コーディネーター
 畿央大学教授 三井田康記氏

日時:2016年11月19日(土)14:00~17:00...
場所:奈良県吉野郡吉野町大字吉野山2142
   竹林院群芳園 
   http://www.chikurin.co.jp/index.php
参加費用:2000円 (学生1000円)
定員:130名


※当日は金峯山寺の秘宝ご本尊特別公開初日ですので、吉野山方面の道路は混雑が予想されます。公共機関でお越しいただければと思います。
金峯山寺秘仏ご本尊特別公開
http://www.kinpusen.or.jp/zao/index.html

by frontdesign | 2016-11-17 00:24 | 山のこと | Trackback | Comments(0)

11月19日清光林業岡橋様ご講演

少し先の話になりますが、11月18日〜20日に吉野で新建築家技術者集団の全国研究集会が開催されます。
19日土曜日のシンポジウムには清光林業の岡橋清元様にご登壇頂くことになり、昨日は新建幹事で打ち合わせを兼ねて本社の方へお伺いしました。
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岡橋様には奈良県の森林委員会でお世話になっているのと(森林委員会には、木を使う建築側の立場の一人として不肖ながら委員をさせて頂いています)、奈良をつなぐ家づくりの会での吉野の森見学バスツアーでは、川上村の岡橋様所有の280年生の理想的な森を道路沿いから見学させて頂いております。

昨日の打ち合わせでは、吉野林業の歴史や特徴、山守さんの重要性、山守さんの組織が確立されしっかりとしていること、そして吉野の林業界の現状のこと等、お話下さいました。現在の木材価格は一時の1/20まで下がっているそうで、手をかけて高級材をつくってきた吉野にとっては大きな打撃であること、日本の林業全体のこととして広葉樹への天然更新(放置林)のことについても、吉野の場合の現在の植生からの難しさについても教えて頂きました。
また、先の戦争の終戦間近の頃には吉野にも木材の供出命令が出ていたそうで、林道添いの大径木は伐採されたそうです。(100年生以上の木を供出させられたそうで、桧は南国の島の滑走路として使われていたと以前に本で読んだことがあります。)今残っている大径木の多くが道から離れた奥地に残っているのは、そのような理由とのことでした。
長い時間をかけて撫育された木が戦争の道具として供出されていたことを思うと、非常に複雑な気持ちになります。
また、土倉さん以降の台湾での林業や林地の管理、現在の林道の話もしてくださいました。
短時間の間に様々な話をお聞かせ下さり、大変勉強になりました。

11月19日(吉野山 竹林院にて開催)のシンポジウムでも、多くのお話を頂ける事と思いますので是非ご参加下さいませ。
20日には、標高700mにある岡橋様の林業地と、岡橋様がご考案された奈良型林道の見学会も予定しております。
詳細が決まり次第、お知らせさせて頂きます。
どうぞよろしくお願い致します。









by frontdesign | 2016-07-16 15:12 | 山のこと | Trackback | Comments(2)

山 と 木の家

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先月末に「奈良の木」BOOKという本が発売されました。
「山からはじまる木の暮らし」というテーマで、私たちの暮らしに使われている木がどのような順を追って山から届いているのかがよくわかる本です。

最初は山の姿からはじまります。
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このあと、山からまちへ木が辿る順番に、いろいろな場面が紹介されています。


木造の仕事に携わっていると、
私たちが素材として使っている「木」が育ちつくられた(手入れされた)環境・日本の林業のことは関心事ですが、最近は多くの一般の方にも木が生まれ育つ山のことに興味を持っていただけるようになってきたと感じます。


建築で使われる木の流れを少しご紹介します。

山で伐られた木が市にかけられます。市は定期的に開催されます。(写真は桜井市内)
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市で買われた木は製材所へ。これは杉の丸太です。
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製材され、ストックされています。
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家をつくる構造体の柱や梁に刻み・加工されて建築の現場へ。
これらは桧の柱です。このスリットの背割れの方法は奈良県独自の技術です。
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大工さんが木を組み上げます。上棟。
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工事の過程でも、下地材に木がたくさん使われます。
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仕上げでは、床や壁、天井にも木を使います。
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一般的な木造住宅を1軒建てるのに、おおよそですが木材を10~20㎥(構造材羽柄材)、板類は100~200㎡使います。


家具も木製のものが多いですね。
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暮らしの中で、木はとても身近な素材です。
木の生まれ育ったふるさとの山のことを知ると、人も自然の一部であることや木を生業とした世界の存在を知り、何かと何かが線でつながるのではなく全体的に面でつながっているように感じます。


この「奈良の木」BOOKの171ページに、所属しております団体「奈良をつなぐ家づくりの会」も掲載されました。
奈良県内の書店やコンビニで販売されているそうです。(全185ページ 800円税別)

「奈良をつなぐ家づくりの会」では、山の木で家をつくる”絵本のような小冊子やカード”を現在製作中です。
2月末には完成予定ですのでまたお知らせさせていただきます。どうぞ宜しくお願い致します。








by frontdesign | 2016-01-04 15:48 | 山のこと | Trackback | Comments(0)

山の手入れ から 割り箸まで


吉野に行った時に手入れのされていない植林地も歩きました。

吉野では植林時に1ヘクタール当たりに約1万本の苗を密植します。密植することにより成長を遅くし、年輪が細かくまっすぐで通直な木を育てています。
ここは、適度な間伐がされずに密植のままの放置林になり、木の成長とともに地面に光が届かないくなり、下草が生えず土がむき出しになっています。

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土が流れて根が露出しています。
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こちらは間伐が繰り返されて手入れのされた山。光が適度に地面まで届き下草も豊かで土もふかふかです。
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人工林の健全な循環の為には手入れが欠かせませんが、主には採算が合わない為に放置されている森がたくさんあります。
森の大きな役割である保水・水源涵養機能を保つ為にも、林業の活性化は課題になってます。

雨水は森に一旦貯えられます。森の水源から流れ出る水を田に引くと、川の水で育てるお米よりもずっと美味しいお米が出来ると農家の方から教えていただきました。農だけではなく、森の水源から養分の多い水が川→海に流れると、魚や貝類が健康に育ちます。


わたしたちの日々の暮らしも、間接的に森とのつながりがあります。

とても日常的なところでは、割り箸。
割り箸には杉が一番良いように思います。僅かに杉の香りがしますが、日本の料理にはよく合うと言われています。お箸として、軽く、柔らかく、口当たりも温かみがあります。
自宅で吉野杉の割り箸を使っていますが、日常使いは先の細くなった利休型がお勧めです。




by frontdesign | 2015-08-28 02:13 | 山のこと | Trackback | Comments(0)

国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 奈良県生駒市


by yuriko iwaki