カテゴリ:町家改修 奈良町 西村邸( 18 )

奈良町町家改修計画 主屋工事着工

奈良町西村邸改修工事。
いよいよ主屋の工事が始まりました。
主屋は、改修後には民泊として使われます。
通り庭に面する建具がはずされたところ。
右側の養生している柱は、桧の八寸角の通し柱の大黒柱です。

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主屋は一列三室型の間取りです。東側に通り土間が通り抜けています。

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二階も一列三室型。

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二階も通し柱が見えています。
大工さんが木肌を触りながら、「これはいい仕事をされている」とおっしゃっていました。100年前の仕事に後世の大工さんが見惚れる。恥ずかしい仕事はしたくないというお気持ちも察するところです。100年後にも、改修に入られた大工さんが同じように思われることでしょう。

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北側の窓からは、先に改修した離れ棟と納屋棟、渡り廊下の屋根が見えます。
その奥にお寺の屋根とわずかに若草山も。

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二階の三室は天井板を取って小屋組みも改修します。

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小屋組は丸太で、主要な箇所には比較的大きな材が入っています。

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事前の調査時に、落ち桁側に桔木のようなものが何本か細かく入っているのを確認していたのですが、よく見えるようになり理由が分かりました。

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二階の屋根は軒が深く、途中、出桁で垂木を受けていますが、この出桁を支える腕木の位置に桔木が入っていました。腕木にかかる荷重の負担を減らす為に上からボルトで引かれているようです。
桔木は、軒先に掛かる荷重を内側で屋根の荷重で押さえるための部材です。テコの原理です。

「これならしっかりするわ」 と、大工さん。
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腕木。
昔は弁柄が塗ってあったようです。

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向かいの家も古い町家の借家。この建物とこちら側の建物で、対になって景観を作っています。


通り庭から前庭に面する開口部。
アルミの引き違い戸は撤去して、元々使われていた木製建具に戻します。
庭奥に見えるのは茶室入口の土庇です。
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北の縁側の障子欄間。
職人さんの手の仕事が所々に見られます。

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お庭の工事も再開しています。

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中庭と奥庭は今月末にはひと段落する予定です。
最終完成は夏頃になると思いますが、少しずつ整ってきて進捗が楽しみです。

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by frontdesign | 2019-04-17 20:13 | 町家改修 奈良町 西村邸 | Trackback | Comments(0)

奈良町町家再生計画 納屋工事4

奈良町町家再生計画 納屋の工事。
建具が入りました。
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元々使われていた板戸の内側にガラス戸をつけました。ガラス戸の状態。

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ガラス戸に変えて、内部が明るくなりました。
壁の足元が下地から傷んでいたのですが、土壁が落ちないように壁止めをして腰部分はモルタル塗りで仕上げました。
土間もめくり、水平に均して新たに仕上げていただきました。

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天井には再利用材の葦を大工さんに入れていただきました。

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北側の開口部もガラスの引き戸を入れ、開口の上部もガラス窓にしました。

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北の奥庭から見た納屋棟。
奥庭も結構な広さがあるので、将来的に活用できそうな場所です。

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元々ここの開口部に入っていたブリキ張りの雨戸は、ブリキ板を取って網を張っていただき網戸にリメイクしていただきました。
雨戸の戸締り錠「上げ猿」はそのままに。懐かしいです。

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by frontdesign | 2019-04-09 16:53 | 町家改修 奈良町 西村邸 | Trackback | Comments(0)

奈良町町家再生計画 納屋工事3

納屋の工事は残すところあと少しになりました。
奥庭側の開口からはお寺の屋根が正面に見え、良い眺めです。

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先日、塗装屋さんと打ち合わせをしました。
構造補強のために新たに設置した柱壁も塗装していただきます。

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外部の窓枠も木部保護塗料を塗ります。
外壁は焼杉板張り。焼杉は表面を焼いているため炭化しており、その層が保護層になっています。

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夕方には塗り終わりました。

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改修前の納屋北面。
傷んでいた部分を直し、外側も新たに整えて綺麗になりました。

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中庭側。破風板も塗って頂きました。
スラッと伸びた背の高い槙の木と焼杉板張りの建物が、よく似合っているように思いました。

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木造の特に古い建物は、定期的に手を入れて傷みを直すことにより長持ちさせることが出来ます。
今回の改修で、今後何十年ものあいだ建物が健全に保たれるようにしたいと思います。



現場にはお施主さんが準備された葦が運び込まれました。再利用の葦とのことですが、良材です。
お施主さん、施工者さんと打ち合わせをして、利用場所と施工方法も決まりました。どのような感じになるか楽しみです。

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by frontdesign | 2019-04-02 08:15 | 町家改修 奈良町 西村邸 | Trackback | Comments(0)

奈良町町家再生計画 納屋工事2

納屋の工事が進んでおり、工事半ばです。
外壁の焼杉板張りの施工も終わりました。納屋の外壁の仕上げは、土壁+板張りなども検討しましたが、屋根のケラバの出があまり長くないので風雨にさらされるため、土壁では若干不安が残り、全面板張りがメンテナンスもし易いため焼杉板張りの仕上げにしました。

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施工前。
右半分は鉄板が張られていて、左半分は土壁の上にモルタル塗り、仕上げは全体に浮いていました。

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鉄板を取ったところ。浮いているところや土壁の欠損部分は補修し、土壁がこれ以上落ちないように壁止まりを設置して、外壁を仕上げていただきました。

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これで、また数十年は建物を傷めずに長持ちさせることが出来ます。
焼杉板は張った時から徐々に経年変化があり、年月とともに素朴な風合いになります。当初は黒くて少しクールなイメージですが、納屋でも大丈夫。納屋らしくなります。
庭の土の部分が建物より上がっており壁に土がかかっていたのも下げていただき、建物として健全な状態になりました。足元の石の部分は焼杉板を石の形状に光らしていただいています。(光るとは、石や木など相手の形に合わせて木を削ることです。)

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柱の下部の傷んだ部分は簡単に根継をしていただきました。こちらも石に合わせて光っていただいています。
古い建物の改修は、このような仕事のできる職人さん無しでは修理することが出来ません。これはとても大事なことで、若い大工さんにもこのような仕事が出来るように育ってもらわないと、古い建物に住み継ぐ選択が困難なことになってしまいます。

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今日は奈良町にぎわい課へ、歴史的風致形成建造物のことで打ち合わせに行ってきました。
早く着いたので奈良町の表通り裏通りを散策。それぞれの通りで町の趣も異なり、他の通りを見てここ花園町を見るのもここを理解する助けになります。
西村邸前の通り。周辺は現代の建物に建て替えられているところが多いのですが、道幅が狭く向かいの借家町家と対になっており、ここから見ると良い景色です。


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この通りはつし二階の建物が多いです。

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こちらもつし二階。
道幅も、通りによって広いところと狭いところなどいろいろです。車の通れない曲がりくねった路地もあります。


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古い町並みを整備するときに「時代劇のセットのようにならないように」というのが、考え方の一つとしてあります。
どうも、周囲と合わせすぎると生活感のないセットのような町並みになってしまうように思います。全国各地の整備された伝統的な町で、このような事象に陥っているところも少なくなく、そのことを痛烈な批判をされている方もおられ、各建物を設計する設計者のマナーの問題ともいわれています。設計者としてはなかなか難しいテーマですが、単体を設計する場合でも建築物だけに注視せずに古いまち全体の営みを知らなければなぁと思います。建物も通りも人間と同じで、それぞれにそれぞれの特徴があるのが面白く、古びてくると味わいも深まります。雑多に連続することで人間らしさというか、生活らしさが出てくるようにも思います。


ある建物の前に消火用のバケツが置かれていました。
奈良町は都市部の密集地で都市計画上の防火・準防火地域ですので、建築確認を要する新築や増築や用途変更をする際には、ある基準の上で防火の措置を講じないといけません。確認が必要な行為が行われる際に現行法に合った建物に更新していくことで、密集地における防火・延焼をふせぐことが可能になるのですが、一方では歴史的風致形成も重んじられており、都市計画法がつくられるずっと以前より町並みを形成していた古い建物を残していこうという取り組みも進んでいます。奈良市では奈良町独自の条例の作成も始まるそうです。
都市計画の防火の措置としては相反する方向性で法整備。新しい建物と古い建物の混在する町は、延焼の恐れも残しながら町を形成することになりますので、現実問題としては自治会など町ぐるみの防火活動が一番具体的な防災になるように思います。建物の前にこのような消化用バケツが置かれているだけで、防災意識が高まるように思います。

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by frontdesign | 2019-02-25 16:00 | 町家改修 奈良町 西村邸 | Trackback | Comments(0)

奈良町西村邸 町家再生計画 納屋工事

納屋の工事が始まりました。
納屋は傷みのある部分の修理と構造補強をして、建物として今後長持ちさせるための改修をします。

隣地との境界側の壁は、隣地の地盤がこちらより高く盛り土されているため、柱の足元や土壁下部が痛んでいました。
隣地側からの補修工事が出来ないため、内側に補強壁を作ることにしました。

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柱を受ける基礎を作ります。
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大工さんが仮の受け梁を準備して下さり、木を当てて傾きを見ながら位置決めをしました。水平に当てると水平材が傾いて見えるので、なかなか難しいところです。
土間にも傾斜がありますが、足元は水平になるように基準レベルと施工の方法も検討しました。

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補強壁の設置中。
柱のつなぎを入れるのに、貫を通すか相欠きにするかのどちらかの方法でと考えていたのですが、現場の状況を見ながら大工さんたちと打ち合わせをして、最終的には相欠きにすることになりました。

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新しい桁で3本の梁の荷重も受け、しっかりしたと思います。
壁は元の壁を修理して仕上げ、新たな壁の構造体は現しにします。通気できるので傷みにくく、傷んだときにも簡単に根継ぎや補修を簡単にすることが出来ます。

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北の奥庭はの出入口の庇を修理するのに壁を取ると、室内がとても明るくなりました。
お寺が正面に見えて良い景色です。
お庭やさんも入られて、奥庭も整備中です。

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次に取り掛かる主屋。少しずつ解体して頂いています。
通り庭は天井が張られていましたが、天井を撤去すると塞がれていたところの土壁がまだ綺麗で、このままで仕上げることにしました。
一部ホコリが付いていますが、ハケで簡単に落とせます。

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キッチンを置かれていた壁はタイルの壁に改修されていましたが、タイルの壁を取ると棚が出てきました。

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お施主様が子どもの頃には、この棚にお鍋などを置いておられたとのことです。
この棚類も復活します。

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by frontdesign | 2019-02-08 02:17 | 町家改修 奈良町 西村邸 | Trackback | Comments(0)

奈良町西村邸 町家再生計画 離れ棟完成

離れ棟の改修工事が終わりました。

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離れ棟は、1階に1室と2階に1室があり、1階2階とも南北に縁側がついています。
1階はLDK空間で、和室の構成を崩さずに床は畳敷きから杉の厚板張りに替え、キッチン兼洗面兼収納の作り付け家具を設置しました。北の縁側には洗濯機置き場も設けています。
コンパクトにお住まい頂ける空間になりました。

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シンクは洗面としても使えるように、鏡もつけています。
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改修前。
北の縁側の一部に、後付けされた収納棚がありました。このあたりに集中していた構造的な痛みや歪みを直すことになりました。2階の床梁の歪みも直す為、地面からサポートを立てます。そのため天井板は撤去しました。サポートを立てるところのみ部分撤去にして元の天井板を再び使えればと思いましたが、釘がさび付いており外すときに板が割れてしまいましたので、竿縁のみを残し板は新たに張りなおすことになりました。

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改修後。
構造的に弱点になっている箇所に、添え柱を立ててフレームを作り、構造補強を施しました。既存の4枚のガラス障子の解放感はそのまま活かすため、壁を作らずに仕口ダンパーを使用しました。

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改修中。
大引や根太等、足元は痛みがありましたので桧の材に入れ替え、新たに断熱材も設置しました。

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改修後。
縁側の外部のガラスは型板ガラスから透明ガラスに入れ替えました。手前のガラス障子をあけると庭が良く見えるようになり、室内からも庭の緑を楽しむことが出来るようになりました。縁側の床板は既存の板をそのまま使っています。壁は全て土壁塗り。


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2階のお部屋はプライベートルームの寝室です。仕上や和室の構成は元のままですが、建物の歪みを直し、天井には断熱材を入れ天井板を張替え、壁は土壁中塗り仕上げで全面塗り直し、障子の組子の破損部を直して紙を張り替え、襖は元の襖が使えなかったため新設、等々、すっきりと部屋が蘇りました。

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床脇天袋の金箔地の襖は建築当時(大正4年)のものですが、金は劣化が少なく美しいままに保たれています。
1階2階とも床の間まわりは同じ構成になっています。

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二階の北の窓からはお隣の誕生寺の大きな屋根と、その向こうに若草山を望む事が出来ます。奈良町には元興寺を始め、大小たくさんのお寺があります。大晦日にはあちらこちらから除夜の鐘が重なり聞こえ、大変賑やかとのことです。
お寺の屋根と若草山の景色は、奈良町らしい風景でもありますね。このお部屋は、若草山の山焼きの時には特等席です。


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二階の南側の窓からは、敷地内の建物の瓦の屋根々と建物の間の庭々が見えます。同じ敷地内にたくさんの建物があり、それぞれの屋根が重なり見える景色も町家の魅力だと思います。とにかく奥に長い地割りの形態が、この景色を生み出していることでしょう。


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離れ棟の手前のトイレ棟は、入口の方向を離れ棟側に変えて新たに庇をつけました。庇の下を通ると離れ棟まで雨に濡れずに行くことが出来ます。

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元のトイレは男女別トイレ+手洗いの土間空間でしたが、床を張り断熱材を入れ、シャワー室も設けました。

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床壁天井とも杉板張りの空間です。

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建具はこちらも古建具を利用しています。窓は入口の舞良戸の引き戸の引き込み部薄壁に設けています。大工さんにもご苦心いただき無事に納まりました。

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元々この敷地内には浴室が無く、昔ながらの町家の形態はそのままでお住まいされていました。今回の改修計画の中で、浴室を作るかどうするかについても検討することになりましたが、この場、この建物で、奈良町らしい暮らし方を継ぐことが改修のテーマですので、浴室は作らずシャワー室のみを設置することになりました。
近所には銭湯が三つあり、一番近い銭湯は花園温泉。斜め向かいにあり、とても便利です。


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西村邸には茶室棟もあります。茶室と銭湯。中世に奈良で発祥した淋汗茶湯をするのにもちょうど良い距離感のように思います。




ひとまず離れ棟とトイレ棟が完成し、主屋から離れ棟にお引越し頂きました。
これから、離れむね東側の納屋の改修工事と庭の工事が始まります。

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渡り廊下の東西に庭があり、東側の庭は手前の茶室の露地のような庭です。

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作庭計画は、庭師さんとの打ち合わせでおおよそ決まりました。庭の様相で空間のイメージが大きく変わりますので、出来上がりが楽しみです。

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設計:frontdesign
施工:有限会社武中建設
作庭:土屋作庭所















by frontdesign | 2019-01-07 12:03 | 町家改修 奈良町 西村邸 | Trackback | Comments(0)

奈良町西村邸  町家再生計画9

工事も大詰めです。
照明器具や電気・給排水設備器具の設置工事が進んでいます。

キッチン兼洗面の照明器具は、Φ100の球型の器具にしました。
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長押から下の壁はタイル張りで、長押から上はまわりと同じ土壁中塗り仕上げにしています。
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1階の部屋の床は畳敷きから杉の厚板張りにしましたが、床の間床脇の造作はそのままにしています。
障子も元々使われていたものを修理して頂き、紙を張って再び元の場所に納めて頂きました。
床脇の天袋の小襖は古い金箔張りのもので建築当初の100年以上前のものかもしれませんが、美しく味わいがあります。

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床の養生が取れるのが楽しみです。

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二階階段途中の照明は、傘型の壁付けの器具です。器具の質感や出幅など気になるところでしたが、違和感なく納まりました。

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一階の階段入口も、傘型の壁付照明器具です。

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一階二階とも床の間付きの和室が一間ずつある離れ棟ですが、その場その場に表情があります。また、建物に触れるに連れ、住まわれていたご家族の記憶の風景であることを感じます。


こちらは改修して一新したトイレ棟。
隣接するシャワールームの脱衣室も兼ねています。入口の建具は、舞良戸の古建具です。

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離れへは庭からアプローチします。
庭から見ると、縁側や部屋を通り抜けて奥の庭まで見通すことができます。通り抜ける風景は、奥行きの深い町家(敷地)の魅力のひとつだと思います。

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離れ棟竣工まであと少しになりました。


工事はこれから、納屋棟、主屋棟へと進みます。





by frontdesign | 2018-12-10 22:29 | 町家改修 奈良町 西村邸 | Trackback | Comments(0)

奈良町西村邸 町家再生計画8

離れ棟は工事も終盤です。

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キッチン兼洗面兼収納の台はタモの集成材で造作していただきました。

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タモ材は保護オイルを塗ると色が濃くなります。このあと陶器のシンクをつけていただきました。

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2階縁側天井。
新しい木部は、白木のまま残す部分と柿渋の古色を塗装する部分をつくりました。

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階段の壁は吉野杉の上小板を張り柿渋の古色を塗装していただきました。柿渋は時間が経つと濃くなります。


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2階の窓からは渡り廊下や茶室棟、向かいの主屋の瓦屋根が見えてなかなか良い景色です。

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大工さんはトイレ棟の工事中。入口に新たに庇を作っていただきました。
この庇は雨の日に靴が濡れないために計画したのですが、主屋から渡り廊下を通り離れまで雨にぬれずに通れるようになりました。
欄間の板には千鳥の彫り物。

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奥庭の景色にも少し変化が出てきました。

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by frontdesign | 2018-11-23 07:59 | 町家改修 奈良町 西村邸 | Trackback | Comments(0)

奈良町西村邸 町家再生計画7  土塗り壁

離れの工事は、大工工事が終わり左官工事が始まりました。


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元の仕上げを剥がし、一旦土壁の下塗りをしてその上に中塗りで仕上げていただいています。

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1階2階とも、床の間・床脇付きの空間です。敷地内の離れ・主屋とも大正4年の同時期に建てられたものですが、床の間のつくりを見ると、離れは客間として建てられたように思います。2階の窓からは奈良町が一望でき、若草山も目の前に望むことができます。毎年山焼きの日には空を赤く染める特別な景色を楽しまれていたことと思います。


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欄間障子の薄壁は他のところよりも厚みが薄いため、荒壁のところまで剥がしてから土を塗られます。土塗りはある程度の塗り厚が必要なので薄壁の部分は綺麗に仕上げる技術が必要です。チリと言って柱の面と土壁の面との段差の寸法も、ある程度は無いとすっきりと納まりません。

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スサを混ぜて土練り。たくさんの土を使います。

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離れの1階は畳敷きから杉厚板の床板張りにします。キッチン兼洗面兼収納のつくり付け家具を大工さんに製作していただきました。
和の空間の壁の1面はタイル張りにして違い棚のような棚を作っていただきました。タイルは土に比べると硬質ですが、土壁との相性も良いように思います。

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2階への階段はこじんまりとしたサイズの廻り階段です。壁に体が擦れることもあるので階段内の壁面は杉板張りに。階段周りの壁は柿渋古色を薄めて塗装することになりました。

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庭の隣地との境界の高いブロック塀は、上部を半分程度撤去して低くしてもらいました。
庭の計画で不要な樹木は先行して伐っていただき、少しずつ整理がすすみすっきりしてきました。

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トイレ・シャワー棟の大工工事が始まりました。入口の建具や窓の建具は既存の古建具を再利用します。現場の寸法と建具寸法に合わせた建具枠の納まりついて大工さんと打ち合わせをしました。柱は痛みもみられましたので、耐久性を考えて新しく入れ替えていただきました。結果的に建具も合理的に納まることが出来るようになりました。
古い建物の改修工事は、現場の具合により図面通りに進まないこともしばしば。現場に合わせて納まりを検討すのが面白くもあり難しくもあり、楽しいところです。

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by frontdesign | 2018-11-14 07:40 | 町家改修 奈良町 西村邸 | Trackback | Comments(0)

奈良町西村邸 町家再生計画6

工事は着々と進んでいます。離れ棟は大工工事がほぼ終わり、こらから家具工事、左官工事、タイル工事が始まります。

元の形を出来るだけ残しながら、建物の傾きや沈みと痛んだ部分を直しました。歪みが直ると見た目もすっきりとしました。今後50年後100年後、次の改修の時期まで安全で健全に保てるよう、修理をして耐震性も高めました。

屋根からの荷重の流れで、荷重の負荷が集中する部分に柱を追加しました。元の通りの開放性を確保するために、追加した柱の部分には仕口ダンパーを設置しました。

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右側の壁にはタイルを貼り、家具のような木製の造作キッチンを設置します。
エアコンの配管や室外機が目立ちにくくなるように、配管ルートもひと工夫して下さいました。

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和室の竿縁天井とタイル貼りの壁のキッチン。仕上がりが楽しみです。

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二階は大工工事が終了し、これから左官工事が始まります。左官壁は土塗り仕上げてす。
畳や建具が入ると、景色も一変することでしょう。

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床の間も元の通りに。

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階段はコンパクトな回り階段てす。身体が壁に擦れるので、壁は杉板張りにしました。

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これから渡り廊下部分の水まわりの工事が始まります。

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渡り廊下から主屋にかけて多くの配管が通っています。こちらは主屋の通り土間。結構深い位置に汚水管が通っており、手掘りで管の入れ替えをされていました。
道路側から敷地奥まで続くメインの通路ですが、地中深くには給水管、汚水管と雨水管などの配管が集中しており、大動脈のような場所です。

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西村邸は大正4年に建てられた建築物で、奈良市の歴史的風致形成建造物として登録予定です。
月末には調査に来られることになりました。

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工事は敷地奥から進めており、最後に道路側のファサード面を改修します。
全体の完成は来年夏の予定です。




by frontdesign | 2018-11-02 00:03 | 町家改修 奈良町 西村邸 | Trackback | Comments(0)

国産材・県産材でつくる木の住まいを設計しています。 奈良県生駒市


by yuriko iwaki
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