<   2015年 08月 ( 7 )   > この月の画像一覧

山の手入れ から 割り箸まで


吉野に行った時に手入れのされていない植林地も歩きました。

吉野では植林時に1ヘクタール当たりに約1万本の苗を密植します。密植することにより成長を遅くし、年輪が細かくまっすぐで通直な木を育てています。
ここは、適度な間伐がされずに密植のままの放置林になり、木の成長とともに地面に光が届かないくなり、下草が生えず土がむき出しになっています。

a0116442_00561270.jpg

土が流れて根が露出しています。
a0116442_00564144.jpg

こちらは間伐が繰り返されて手入れのされた山。光が適度に地面まで届き下草も豊かで土もふかふかです。
a0116442_01241203.jpg

人工林の健全な循環の為には手入れが欠かせませんが、主には採算が合わない為に放置されている森がたくさんあります。
森の大きな役割である保水・水源涵養機能を保つ為にも、林業の活性化は課題になってます。

雨水は森に一旦貯えられます。森の水源から流れ出る水を田に引くと、川の水で育てるお米よりもずっと美味しいお米が出来ると農家の方から教えていただきました。農だけではなく、森の水源から養分の多い水が川→海に流れると、魚や貝類が健康に育ちます。


わたしたちの日々の暮らしも、間接的に森とのつながりがあります。

とても日常的なところでは、割り箸。
割り箸には杉が一番良いように思います。僅かに杉の香りがしますが、日本の料理にはよく合うと言われています。お箸として、軽く、柔らかく、口当たりも温かみがあります。
自宅で吉野杉の割り箸を使っていますが、日常使いは先の細くなった利休型がお勧めです。




by frontdesign | 2015-08-28 02:13 | 山のこと | Trackback | Comments(0)

法華寺町の家 進捗状況7

a0116442_15335256.jpg

外部内部とも並行して工事が進んでいます。外部は木ずり下地の上にフェルトの防水紙を張る工程です。
a0116442_15364816.jpg

窓まわりは2重目の防水テープを張ります。

フェルト防水紙は左官屋さんが張っています。この上にメタルラスを張り左官で仕上げます。
今回はモルタル掻き落としの白い外壁になります。
a0116442_1534749.jpg


南の窓まわりの小庇。
a0116442_15341755.jpg

室内は天井下地が進んでいます。1階の居間和室まわりは杉板天井、壁は漆喰塗りです。
a0116442_15344581.jpg
扇風機がたくさん。どれもマキタ製。

居間北側はデスクコーナーでカウンターを設置します。目の前は隣地の庭の借景の緑。
a0116442_15345371.jpg

by frontdesign | 2015-08-24 16:17 | 新築 法華寺町の家 | Trackback | Comments(0)

塔の模型

a0116442_13422076.jpg

奈良県立朱雀高校の作品展で、生徒さんが作った薬師寺東塔と法輪寺の三重塔の模型が展示してありました。

薬師寺東塔。三重塔。
a0116442_13424182.jpg


斗供も高欄も細かくつくり込んであります。
a0116442_1343727.jpg


初層、裳階。
a0116442_13432063.jpg

五重塔の模型を作ってみたいと思いネットで調べたことがありますが、かなり高額で見込み制作時間も膨大でしたので諦めました。
(堂内は空っぽの模型です。)
生徒さんの作品を見ていると、これは凄いなと改めて思いました。

ちなみに
五重塔や三重塔は、建築基準法上は平屋建てで2層目から上は小屋裏になるそうです。
五重塔だけに関して言いますと、現存する80数基の五重塔のうち30数基は平成の時代になってから建築されたもので、その多くは木造です。(昭和の五重塔は鉄筋コンクリート造。建築基準法の関係で。)
平成時代はまさに五重塔建築ブームの時代です!
ちなみに、五重塔を立てるのにいくらぐらいかかるかと申しますと、30m級の五重塔で6億円ぐらいだそうです。(ものの本によると)


解説も。
a0116442_13484216.jpg

a0116442_1349219.jpg



実際の東塔は現在110年ぶりの解体修理中で、素屋根が掛かっています。貝の口継ぎの心柱は杉材だったそうです。
a0116442_13454284.jpg




薬師寺の食堂(じきどう)は少し前に発掘調査をされていました。
a0116442_13451795.jpg

今回新たに鉄骨構造で再建されるそうで、内部設計は伊東豊雄さんとのこと。2年後の2017年に完成するそうです。
『【薬師寺食堂】1042年の時を超える再建工事起工! 内部設計は伊東豊雄氏、完成は2年後』




こちらは法輪寺三重塔。卍崩しの高欄が美しい。
a0116442_13481891.jpg


法輪寺三重塔は、昭和50年に復元されました。鵤工舎の小川棟梁が20代の時に初めて全てを任された建物だそうです。


堂宮大工の世界では、若い頃から大きな仕事をされるのですね。
by frontdesign | 2015-08-14 14:02 | Trackback | Comments(0)

法華寺町の家 進捗状況6

法華寺町の家 
内部も外部も着々と工事が進んでいます。

筋違いが入り、外壁は透湿防水シートと木ずりがほぼ張り終わりました。
a0116442_18192147.jpg

南面に丈間の窓が二つ並んでいます。奥は小上がりの和室です。
a0116442_1829321.jpg

柱は吉野桧、横架材は吉野杉を使っています。羽柄材も全て吉野材です。
a0116442_1832822.jpg


外部は最終は左官で仕上げます。
下地として、柱の上に透湿防水シート、その上に通気層を設け木ずり下地のけんじめを打ちます。
a0116442_18333163.jpg
この上にさらに防水紙を張り、2重の防水を施します。

屋根は棟換気部材の設置中。
a0116442_18372567.jpg


透湿防水シートが張られている時は白い外壁でしたが
a0116442_18375276.jpg

現在はけんじめが張られ、木の外壁の状態です。
a0116442_1838464.jpg

奈良をつなぐ木の家のシートも揚げられました。


木の住まいは下地にもたくさん木を使っています。
木の使い方も適材適所。
by frontdesign | 2015-08-12 18:43 | 新築 法華寺町の家 | Trackback | Comments(0)

法華寺町の家 進捗状況5

a0116442_177799.jpg

屋根の野地板とルーフィングが張り終わりました。

軒裏は現しにします。
a0116442_177824.jpg


二階の子ども部屋のトップライトも取り付けられました。
a0116442_177919.jpg

空が見えて気持ちが良いですね。

ルーフィングが張り終わるまでお天気が続いて良かったです。
これから屋根材のガルバリウム鋼板が張られます。
by frontdesign | 2015-08-04 16:57 | 新築 法華寺町の家 | Trackback | Comments(0)

鵤工舎 前田世貴さん講演会 と 槍鉋

先週の日曜日、奈良朱雀高校で鵤工舎の前田世貴さんの講演会がありました。
a0116442_19113713.jpg

前田さんは朱雀高校の前身の奈良工業高校のご出身で、卒業と同時に鵤工舎に入られ現在は奈良斑鳩作業所で棟梁を務めておられます。

西岡棟梁と小川棟梁のお話、前田さんが堂宮大工を志されたきっかけや修行時代のお話、初めて棟梁を任された時のことなど、たくさんの話をお聞きすることができました。
嘘のない仕事をしなければならない、良い作品をつくるより先に良い刃物を(良い刃物はうそをつかない)、伝承とは弟子に伝え教えることではなく、古の工人の魂のこもった仕事を読み取り対話すること(建物に信念を込めることで後世に伝わる)、刃物を砥ぐことと道具を扱えることの大切さ、道具は知恵の塊であり伝承であること、初めて弟子に鉋を触らせる時は一番いい鉋を触らせ本物を教える、電動工具などの便利な道具は、刃物をちゃんと扱えるようになってこそちゃんと扱える(便利な道具にばかり頼ると知恵を鈍らせる)、精神を研ぎ澄ませる、見込みのある子は他に行き場のない子、棟梁の力は束ねる能力、親方を乗り越える、そして、新築が出来ないものに改修や復元は出来ない、等々、
短時間でしたが内容の濃いお話で感動しました。
若い時に棟梁をさせて、現場を全て任せるそうです。考えて考えて、考え抜き、魂を込めて力を合わせて作り上げる。20代でお堂や棟の棟梁を任されるのはどんな気持ちでしょう。

最後に道具を使った実演をしてくださいました。

槍鉋(やりがんな)
a0116442_19113977.jpg

削りかすがクルクルと丸まります。
a0116442_19113817.jpg

生徒さんも体験。
a0116442_19114044.jpg

台鉋は二枚刃と一枚刃で桧を削ってくださいました。
a0116442_19114143.jpg


よく切れる刃物で木を削ると、木の細胞の断面が綺麗に切れるので、平滑でツヤがあり美しく、いつまでも表面がこば立つことがなく木が長持ちするそうです。その辺が電動鉋との違いです。


槍鉋は、台鉋よりもずっと古くからある道具ですが、現在の一般の普請ではあまり使われることはありません。
刃先は普通の槍鉋と、斗栱(ときょう) などを作る時に使う逆反りの刃があります。


槍鉋の仕上げについて。
平城京大極殿。(2010年復原)
この建物の木部表面加工は全て槍鉋で仕上げられており丹土が塗られています。
a0116442_191142100.jpg



この柱の表面の波を打つような感じが槍鉋の仕上げです。
a0116442_19114350.jpg



a0116442_19533943.jpg

by frontdesign | 2015-08-03 18:01 | 和室と日本建築  | Trackback | Comments(0)

法華寺町の家 進捗状況4 上棟

法華寺町の家の棟が上がりました。
a0116442_1453097.jpg

今日は垂木掛けと垂木間の面戸の取付けをされていました。面戸には通気の穴も加工していただいています。
正面の軒は低く抑え、軒の出も深くしています。
a0116442_1453173.jpg

a0116442_1453243.jpg

加工は大工さんの手刻みで、材木は吉野の杉と桧。木の乾燥具合も良く、色艶が綺麗です。

建物は間口に比べて奥行きが深く、奥から見ると距離が間を作っています。
a0116442_1453388.jpg


二階の屋根に設置する天窓も準備されています。天窓は夏場の暖気抜きです。
a0116442_1453451.jpg


酷暑の中、大工さん達が凄い勢いで仕事をされており、本当に頭が下がります。
どんな建物も人の手と技術と力をもって、時間を掛けて作り上げられます。
by frontdesign | 2015-08-01 01:15 | 新築 法華寺町の家 | Trackback | Comments(0)

国産材・県産材でつくる木の住まいを設計しています。 奈良県生駒市


by yuriko iwaki
通知を受け取る