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”奈良町 西村邸” 町家再生計画

昨年の秋より改修計画を進めておりました奈良町西村邸。
間口四間半で奥行きの深い敷地に主屋、辰巳蔵、茶室棟、離れ棟、納屋棟の5つの建物と4つの庭があり、敷地全体として改修を行う計画です。
主屋は大正4年の築造、間口2間半の本2階建てで、1階はトオリニワの土間が通り、ミセ、ダイドコ、オクと1列に並び、2階はオモテ、ナカノマ、オクと並ぶ1列3室型の典型的な町家形態で、大きな改修はされておらず原型に近い状態です。主屋東側には辰巳蔵の形を残すつし二階の建物が隣接しています。
瓦は比較的近年に葺き替えをされていて、住まわれながら手入れをされていらっしゃるご様子が伺えます。

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主屋は名栗格子に囲まれています。この装置は鹿よけのためのもののようで、奈良公園に近い奈良町の町家で時々見られるものです。こちらは傷みもありますので、同様の形で再生することになりました。
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辰巳蔵は、現在は電動シャッターのついた駐車スペースになっています。壁天井の仕上げを解体をしてみると、過去に何度か改修がされた痕跡が見られました。シャッターを撤去して伝統的意匠に戻す方向で改修計画をしておりますが、改修の痕跡を見る中で建築当初の形体を確認することが出来なかったため、全面に格子の入っていたと推測できる時期の意匠に倣ってまとめることになりました。
今回の計画地は奈良市歴史的風致維持向上計画における重点地区内で、歴史的風致形成建造物の指定を念頭に改修を行う為、奈良市の奈良町にぎわい課と教育委員会文化財課の担当の方が調査に来られ、後日に建物についての考察結果をお示しいただきました。奈良町の歴史的建築物の特徴や、同じ奈良町内でも地域による特性があることなど、話をお聞きすることができてとても有意義でした。

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駐車場のシャッター部分は増築されており、その手前の5寸角の柱には荒格子の貫と思われる貫穴や格子の内側に入っていたと思われる建具のあと(鴨居溝)が見つかりました。材の寸法や位置を採寸。

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道路側ファサードの改修後のイメージです。現在の黒漆喰の壁はそのまま黒漆喰で塗りなおします。シャッターから荒格子にすると建物の印象も大きく変わりそうです。袖うだつの一部も再生します。
お施主様はこの地に住まわれながら、宿泊のできる奈良町の町家「西村邸」として活用されるご予定です。代々丁寧に住まわれてこられた建物を、傷みのある部分はきちんと修理して町家の良さをそのまま生かす改修をご希望頂いています。


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この敷地の大きな特徴は4つのお庭があることです。どの庭にもそれぞれ植栽と石があり、丹精されていた様子が伺えます。

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茶室の裏側にも露地があります。遊び心のある空間です。
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主屋と離れ棟の間の庭には、大きな井戸とお稲荷さんがあります。暮らしの庭。
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奥の納屋は、ざっくりとした納屋建築の面白みのある空間です。
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奥行きの長い敷地は、奥へ行けば行くほどプライベート性が高くなります。
内を通ったり再び外へ出たりと空間に変化があり、敷地全体がひとつの町のような感じがしてとても面白く思います。






”木の住まいの設計”
一級建築士事務所 FRONTdesign  岩城由里子
国産材・県産材を使って木の家づくりをしている設計事務所です。
yiwaki@kcn.ne.jp
奈良県生駒市北田原町1052-2






by frontdesign | 2018-05-29 07:10 | 町家改修 奈良町 西村邸 | Trackback | Comments(0)

縄文時代 石斧とクリの木

新建築家技術者集団の発行する「建築とまちづくり」4月号の記事で、先史時代の土工と建築技術(松田真一氏著)の記事があり、大変興味深い内容でした。

縄文時代は、木と木を組み合わせたりつなぎ合わせるときに植物素材のロープで縛って組み上げたと以前は考えられていたのですが、仕口や継手の加工が施されていることが遺構から判明したそうで(再利用材として)、縄文早期の遺跡からもホゾ穴のつかれた材が出てきたそうです。また、その多くにクリの木が使われているとのこと。
当時は磨製石斧で木を伐り、加工をしていたそうです。クリと言うと固くて加工がし難いような印象ですが、石斧を使った実験によると、クリの生木は他の材よりも格段に伐採加工がしやすかったそうです。
鉄斧と石斧の伐採を比べると、石斧は繊維を鋭く断ち切ることができないため、木に対して鉄斧だと45度のところ20度前後で刃を当てて伐るようで、鉄斧の三倍の時間を要するようです。
弥生時代は鉄と稲作の時代と言われますが、弥生時代の建築は杉と桧が多く使われるようになりました。ここで現代につながります。
縄文時代にクリが使われたのは石斧という道具による理由の他、縄文時代はクリが重要な食材のひとつであったこと、生育が比較的早いことも要因のようです。
また、縄文晩期の奈良南部の遺構には、クリの他にオニグルミなど実が食用になるものを一定のエリアに植樹された跡があるそうです。あるエリア80m四方はクリのみの株跡があるようで、密度の高い自然のクリ林の存在は考えにくく、人工的に育成管理が行われていたと考えられているようです。人工林も縄文時代に登場ですね。
株の直径は50センチのものが多く、樹高は20m相当の大木と推定されるとのこと。

縄文時代の木材資源の利用や建築技術が次第に明らかになってきたのは、発掘調査の対象地が居住集落から周辺の河川沿いや沖積層に及んできた動向にも関わっているようで、腐敗や劣化を免れた木製品などの有機遺構が先史時代の技術を知る資料になっているそうです。


この写真は吉野杉の原木丸太です。
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”木の住まいの設計”
一級建築士事務所 FRONTdesign  岩城由里子
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by frontdesign | 2018-05-27 12:20 | その他 | Trackback | Comments(0)

ポンちゃんの家 進捗状況1

基礎の捨てコンクリートが打たれ、正確な基礎位置を出すための墨出しが終わりました。
南東のウッドデッキの屋根が掛かるところまで、基礎を繋げて作ります。
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このあたりは地山で、とても硬い地盤です。地盤調査の時は浅い深度で打ち込めない状態になり、あっという間に調査が終わりました。

基礎はベタ基礎。太陽熱空気ソーラーシステムのそよ風を搭載するので、基礎断熱をします。
深基礎部分が多いので、捨てコンクリートの形状が畑のような感じです。
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土間に墨壺が置いてありました。
若い大工さん、基礎の墨出しにも墨壺使っているようです。
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伏見建築事務所さんの加工場には、構造材が搬入されました。すべて吉野の木です。
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あちらこちらにうず高く積まれています。これから墨付け・手刻みが始まります。

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大きな丸太の化粧梁も届いています。6mと3mの丸太と、太鼓に摺った5mものが2本。とにかく重そうです。
出来るだけ継がずに1本でと思い長い材で設計しましたが、長いということは重いということですね。手で刻まれるのでご苦心いただくことと思います。大工さんには頭が下がります。

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現場も加工もスタートです。





by frontdesign | 2018-05-25 11:27 | 新築 ポンちゃんの家 | Trackback | Comments(0)

生駒の家 民家再生・セミDIY 進捗状況1

現場は着々と工事が進んでいます。解体が進み内部の状況がわかるようになりました。
今日は大工さん、水道屋さん、電気屋さんが入っておられました。電気関係の位置や配線について現場の状況を確認しながら、お施主さんと一緒に打ち合わせをさせていただきました。

土壁の解体の現場では、天井の上で土壁が終わっていて梁まで届いていないところも多く見かけますが、こちらは全て土壁が梁まで届いていました。

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地松の丸太梁が主要な部分に使われています。
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主屋続きに部屋が増築されています。増築部の電線を見ると1988年と刻印されていましたので、30年ほど前の増築と思われます。主屋は真壁で増築部分は大壁の在来工法。境目はなかなか複雑なつなぎ方がされています。断熱材は痩せてカビていました。

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断熱材を取り払い、スッキリしました。これから新たに断熱材を入れ直します。このあたりは土間付き玄関横収納室と浴室や脱衣室をつくります。一部を吹き抜けにして、2階へ上がるボルダリング壁もつくります。

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日当たりの良いところは3畳の小間の作業室(畳の間)にします。主屋からは少し距離があり、良い籠り部屋になりそうです。

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主屋は4間取りの和室で、改修後は1室だけ板の間にして残りの3室は和室のままにします。和室部分と縁側の床の断熱材は、大工さんが床下に潜って入れていただいています。なかなか大変な作業です。

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畳自体に断熱性能がありますので板の間の床に比べると暖かいものですが、畳の下にも断熱材を入れると意外と効果が高いのでお勧めしています。





”木の住まいの設計”
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by frontdesign | 2018-05-25 07:13 | 生駒の家 民家再生・セミDIY | Trackback | Comments(0)

生駒の家 民家再生・セミDIY 着工

昨日より解体工事がスタートしました。

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お住まいされながらの工事ですので、工事範囲の区切りをつけて2期に分けて工事をします。
お施主様も解体工事に参加され、着々と進んでいます。天井が撤去されると構造が見えてきました。50数年前に建てられた真壁の民家型住宅です。

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この部屋は壁に化粧合板が張ってありましたが、中は土壁の荒壁のままでした。
今はこのような筋交いの入れ方はしませんが、当時の真壁づくりの建物には多くみられます。
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棟梁の千葉さんとは10年ぐらい前に住宅の新築工事の棟梁をしていただいたことがあり、その時は大変お世話になりました。昨日は久しぶりにお会いし、覚えていてくださって良かったです。

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洋間の床は松の板が張ってありました。ボンドは使われていないのですが、釘が錆びているので取る際に板が割れることもありました。綺麗に取れた板は使いたいところです。
大引は再利用材の丸太が使われています。今回大引からやり直すのですが、この丸太もどこかで使えれば。。。寧楽工舎さんも案を出してくださるので助かります。

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お施主様のお知り合いのところで保管されていた古材を使わせていただけることになり、先日引き取りに伺わせていただきました。大変立派な地松の差鴨居などがあり、状態もよく、綺麗に洗って頂きサイズのリストも作っていただきました。構造材にするか、挽き割って厚板にもしていただけるとのことで厚板として使わせてもらうか、、使い道はいろいろ考えられます。
材料が目の前にあり、使い道を考えるというのも面白いです。料理のような感じがします。
良い材料を、よく使えればと思います。

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by frontdesign | 2018-05-15 18:19 | 生駒の家 民家再生・セミDIY | Trackback | Comments(0)

生駒の家 民家再生・セミDIY

生駒の家 民家再生・セミDIY
計画を進めておりました民家の改修工事がスタートします。
お施主様は都市部より生駒に転居されたのを機に民家を購入され、民家を住み継ぐ暮らし方を選ばれました。お住まいされながら、お施主様参加型(セミDIY)で工事を進めることになりました。
古材を使ったり古い建具を再利用したり、壁土も改修で出る土を使います。解体の時に出る板類も使えるものは使い、使えないものは薪ストーブの燃料に。徹底したコンセプトがありますので、考え方がとてもシンプルで嬉しくなります。

工事の経過は、少しずつブログで紹介させていただこうと思います。


現在の住まいの風景。
整形4間取りの縁側の有る住まいです。床の間・書院・床脇・仏間・欄間・竿縁天井・襖。
この建物が建った頃に工事の様子を見ておられたご近所の方の話によると、腕利きの大工さんが手間暇かけてしっかりとつくられた家だそうです。築50数年とのことですが、歪みも少なくしっかりしています。

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床は畳が敷きつめられ、襖やガラス戸で仕切られています。
襖という柔らかな界壁の良さはこのような家の特徴で、整形4間取りの空間構成は改修後もそのままにします。
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北の2室も明るく、落ち着いた部屋です。座敷と違って太い差鴨居が通っているのも民家らしいところです。民家造りにはハレとケの概念があり、いろいろなところに表れています。

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床座の暮らしも良いですね。冬場寒い時期の打ち合わせの時は、こたつに当たらせていただきました。
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改修後には薪ストーブを入れますので、ストーブを置く部屋は板の間に改修します。
改修後のイメージパースです。

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4室の襖を全て外すと、とても広い空間になります。
2室をつなげることもでき、つなげる部屋によって空間の使い方を変えることが出来るのもとても面白く思います。襖は軽いので、移動しやすいのも良いところです。外した襖の置き場も縁側の端にそれらしいスペースがあり、なるほどなぁと思います。
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南の2室。パースには座敷の彫刻欄間が描けていませんが、欄間は元のものを入れます。

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キッチンはL型のキッチンにアイランドの作業台を配置します。お料理教室もしていただけますように。

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キッチンの上は吹き抜いて、明り取りと暖気抜きのための天窓をとりつけます。天井をめくってみないと分からないことも多々あるのですが、それも民家改修の楽しみです。






”木の住まいの設計”
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by frontdesign | 2018-05-11 22:36 | 生駒の家 民家再生・セミDIY | Trackback | Comments(0)

ポンちゃんの家 遣り方

ポンちゃんの家の遣り方が始まりました。

建物の建つ位置を出すために、建物の範囲の一回り外側に水貫という板を張り巡らせます。遣り方が始まると実際の位置関係が分かり、現実感が増します。
周辺環境や道路との距離感も確認。玄関アプローチも良い感じになりそうです。

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囲われた範囲の1m ほど内側に建物が建ちます。
敷地の北半分に家を建て、南半分は庭になります。外と中との中間領域である屋根付きウッドデッキが広く、庭との関係性の高い住まいです。

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南西にはちょっとした林があり、さわさわと樹々が揺れています。夏は涼をもたらしてくれることと思います。

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蝉しぐれが聞こえ、夏らしい夏を味わえそうな敷地です。







”木の住まいの設計”
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by frontdesign | 2018-05-10 16:01 | 新築 ポンちゃんの家 | Trackback | Comments(0)

天理の家 車路

天理の家は落ち棟部分の工事ももうすぐ終わります。
明治時代の建築当初は床は土間で、勾玉型の竃が据えられていたそうです。昭和の改修時に床を張ってダイニングキッチンと居室に改修されていました。今回の改修では北の庭まで車を入れることが出来るように、門屋の横に車の入口を設けこの部分を車路にしました。
道路側から北庭まで一直線。見通しも良くなりました。
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昭和の改修時には天井が張られましたが、今回、天井は取り払い吹き抜けに戻しました。竃があった頃の名残りで、壁も梁も煤で真っ黒に燻されています。当初は煙出しがあったようですが、昭和の改修時に煙り出しは撤去されたとのことです。その部分の野地板は煤に晒されていないため、色が違います。
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車路も門屋も土間の仕上げが整いました。

今年も門屋にツバメが帰ってきました。
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by frontdesign | 2018-05-10 00:40 | 民家改修 天理の家 | Trackback | Comments(0)

王寺の家 竣工

王寺町の家が竣工しました。
構造材(吉野材)の手刻みから始まり、工期は約7か月になりました。吉野材を使い、大工さんの手刻みで建てた木の住まいです。

1階の天井の多くは構造の梁を化粧で見せる仕上げにしており、天井板には静岡県産杉のJパネル(手の物語)を剛床を兼ねて使用しました。写真のキッチンの側板もJパネルです。色つやの美しい杉の3層パネルです。

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キッチン食堂の奥の居間の壁は、吉野杉赤身上小板張りです。正面の壁が杉板だと、部屋の印象が柔らかになるように思います。天井も同じく赤身上小板張りで勾配天井で仕上げています。

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居間から食堂を見たところ。居間~食堂~小上がりの和室の3室が南向きの部屋で並んでおり、見通すことが出来ます。和室の隣にはウォークインクローゼットがあります。食堂側からも入口があり、帰宅後のコートやかばんの収納場所兼、日常的な衣類等の収納部屋です。和室につながっているので和室を着替え部屋で使うこともできます。
食堂には小上がりの掃き出し窓があり、長いベンチからウッドデッキに出ることが出来ます。ウッドデッキの工事はこれからです。

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居間の北側にはピアノ室兼書斎があります。こちらも居間と同じ勾配天井で杉板を張っています。

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デスクコーナーには4mのカウンターと壁付け本棚を設けました。ご家族の書斎です。
とても長いカウンターですので、ゆったりとお仕事やお勉強をしていただけそうです。北向きの部屋なので日の入りが安定しており、落ち着いた部屋になりました。丘の上の敷地ですので窓からの眺めがとても良く、風もよく入ります。

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デスクカウンターの反対側の壁は1面本棚です。圧迫感が出ないよう、本棚の高さを1.6m程度にしました。横幅が4mあるので、かなりの量の本が収まると思います。
この空いている空間に、グランドピアノを置かれます。
ピアノ室を計画するにあたり、広い部屋を設けてもその部屋に入る機会が少ないと部屋の空気も滞りがちになってしまいます。ピアノを弾く以外にも使えるようにご家族の書斎を兼ねることにしました。音の出るピアノ室と静けさの必要な書斎が同じ空間で両立するかどうかですが、ピアノを弾く時間帯は昼間で、書斎としては主に夜にお使いになられるとのことで、時間差によって兼用することが出来るようになりました。

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この家の中心にあるキッチンです。
設計の過程で、キッチンの位置をどこにするか、また、どの程度オープンにするかを検討しながら進めておりましたが、最終的には家の中心に配置し、フルオープンのキッチンになりました。キッチンの天板やレンジフードはステンレス製で、壁はタイル張りですが、冷たい感じにはならず食堂や居間続きでも違和感なく収まったように思います。キッチン下の背板のJパネルもとても綺麗です。まだ白っぽいですが、月日とともに少しずつ色が濃くなってくることと思います。

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コンロ横の壁は全面タイル張りです。

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キッチンから居間方向を見たところ。和室側から居間方向まで、正面の庭も見渡すことが出来てなかなか開放的です。

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造作のキッチンのことについては、ひとつ前のブログで紹介させていただいています。


冷蔵庫は階段下の空間を利用して、壁面の中に納めました。正面の扉はパントリー兼ユーティリティに通じる引き戸です。北からの明るい光がキッチンに入り、引き戸を開けておくと南北の風の通り道になります。工事中もここからよく風が入っていました。夏場は涼を取る窓になりそうです。

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パントリー兼ユーティリティー。
パントリーにはL型に棚を設けました。空間の半分は室内干しのスペースとしてお使いいただけるようにしています。外部のサービスヤード(物干し場)へ出る掃き出し窓には可動ルーバー付きの雨戸をとりつけ、風を通しながら施錠が出来るようにしています。
玄関ホール・階段~食堂・キッチン~パントリー兼ユーティリティー~廊下・トイレ・洗面コーナー(水廻り)~玄関ホール・階段へと、階段を中心に回遊できるようにしています。こちらの水廻り側は裏動線の部分ですが、風も入り良い空間になったように思います。

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洗面コーナー。洗面台も大工さんの造作で、収納の引き出しをたくさん設けました。
鏡の横にルーバーの窓を設けています。正面からの光は鏡の顔写りが明るくなりますので、昼間は照明不要です。

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食堂・キッチンへ入る扉の手前に、2階へ上がる階段があります。

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階段。
今回は廻り階段を5段割りで納めました。設計仲間に教えてもらった通り、なかなか上りやすい廻り階段になりました。階段の段板は桧の接ぎ板。手摺も桧で大工さんに作ってもらいました。手摺は、毎日手で摺っていただくとつやつやになります。

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階段は家の真ん中にあるので窓を取ることが出来ず、上部に天窓を設けました。光を広げるために天井をブーツ型に広げました。
夏場は、1階も2階も家じゅうの暖気を逃がす窓になります。

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部屋の入口建具の上部は透明のアクリル板を入れた欄間にしています。天窓の光が室内からも見えるのは、思っていた以上に気持ち良いです。

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2階にはミニキッチンとしても使える水廻りを設けています。こちらは木の天板に落とし込みのキッチンシンクを取り付けています。

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12畳のフリールーム。構造の梁と束を化粧で現しにしています。

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寝室。窓からの眺めがとてもよく、夜景も素晴らしくていいお部屋になりました。

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寝室の隣のウォークインクローゼット。細長くて天井の低い5畳の空間ですが、結構な量の収納を賄えると思います。
この部屋も、寝室からの出入りと同時に廊下側からの出入りもできるようにしています。2階も、階段を中心に回遊できる間取りです。

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建物が完成すると、計画の過程が懐かしく思い出されます。設計にも多くの時間をかけさせていただきました。ご依頼いただきましたお施主様と、建築にご尽力いただいた職人の皆様には感謝の念が堪えません。
連休明けから外構工事が始まります。良い印象の佇まいになるように、外構づくりをしたいと思います。




設計:FRONTdesign
施工:(株)伏見建築事務所

「奈良をつなぐ木の家」







”木の住まいの設計”
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by frontdesign | 2018-05-04 23:42 | 新築 王寺の家 | Trackback | Comments(0)

国産材・県産材でつくる木の住まいを設計しています。 奈良県生駒市


by yuriko iwaki
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