生駒の家 民家再生・セミDIY 進捗状況3

現場の方は床の断熱材が敷きこまれ、床板張りも進んでいます。床レベルが整うと住まいらしさが戻ってきます。

壁の左官の仕上げの確認のために、土塗り壁と砂漆喰塗り壁の見本を工務店さんが作ってきてくださいました。

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現在、浴室などの水廻りは別棟にあるのですが、改修後は既存建物内に設けることになりました。
既存の窓位置を変更するために梁追加の構造補強をしていただくのですが、壁をめくってみると予想外の部分もあり、補強方法を検討して窓の高さを変更させていただくことになりました。
改修工事は新築と違い、現場に合わせて大工さんにその場で手仕事をしていただくことになります。方向性が決まるとささっと仕事をしてくださいます。
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元の建物は竹小舞下地+筋違の入った真壁構造です。間取りの変更に合わせて一部壁を取るところがあり、新たに作る壁には筋違を入れて補強します。
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1階床には全体に断熱材を敷き込みます。床仕上げは畳と杉の厚板張り。断熱材+断熱効果の高い仕上げ材で、冬場の足元からの冷えはかなり改善されると思います。
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# by frontdesign | 2018-06-11 07:43 | 生駒の家 民家再生・セミDIY | Trackback | Comments(0)

生駒の家 民家再生・セミDIY 進捗状況2

現場は着々と工事が進んでいます。
先週のことになりますが、床板が搬入されました。一階は厚さ30ミリの吉野杉の一等材。色艶の良い材料です。

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結構な枚数で、ふた部屋にまたがって積まれています。
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床の改修は、基本的には大引-束からやり直して頂いています。大引の間に断熱材を敷き込み、床板張りが始まりました。まずは玄関ホールから。

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敷居は先に敷き込んで頂いています。
この場所にはガラス入りの格子戸を入れるので、木製のVレールを埋めて頂いています。
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古い建物で使われていた地松の古材は、製材所で挽き割って頂いて再利用することになりました。寸法と木肌を見て使う場所を検討。
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第1弾として、玄関の式台と蹴込み板にして頂きました。古い材も表面を削ると新品のようになります。框はヤマザクラを入れて頂きました。
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二階は床下地まで出来ています。この空間は大きく変わる部分ですが、壁と天井はほぼ今のままです。

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二階の納戸の現況の壁は、土壁の中塗り仕上げです。改修後は、多くの壁を土壁で仕上げます。
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納戸の奥の収納部分の壁は荒壁のままで、この上に土を重ねます。

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左官工事は、左官屋さんに教えて頂きながらDIYでの施工になります。
土塗り楽しみです。






# by frontdesign | 2018-06-06 05:27 | 生駒の家 民家再生・セミDIY | Trackback | Comments(0)

”奈良町 西村邸” 町家再生計画

昨年の秋より改修計画を進めておりました奈良町西村邸。
間口四間半で奥行きの深い敷地に主屋、辰巳蔵、茶室棟、離れ棟、納屋棟の5つの建物と4つの庭があり、敷地全体として改修を行う計画です。
主屋は大正4年の築造、間口2間半の本2階建てで、1階はトオリニワの土間が通り、ミセ、ダイドコ、オクと1列に並び、2階はオモテ、ナカノマ、オクと並ぶ1列3室型の典型的な町家形態で、大きな改修はされておらず原型に近い状態です。主屋東側には辰巳蔵の形を残すつし二階の建物が隣接しています。
瓦は比較的近年に葺き替えをされていて、住まわれながら手入れをされていらっしゃるご様子が伺えます。

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主屋は名栗格子に囲まれています。この装置は鹿よけのためのもののようで、奈良公園に近い奈良町の町家で時々見られるものです。こちらは傷みもありますので、同様の形で再生することになりました。
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辰巳蔵は、現在は電動シャッターのついた駐車スペースになっています。壁天井の仕上げを解体をしてみると、過去に何度か改修がされた痕跡が見られました。シャッターを撤去して伝統的意匠に戻す方向で改修計画をしておりますが、改修の痕跡を見る中で建築当初の形体を確認することが出来なかったため、全面に格子の入っていたと推測できる時期の意匠に倣ってまとめることになりました。
今回の計画地は奈良市歴史的風致維持向上計画における重点地区内で、歴史的風致形成建造物の指定を念頭に改修を行う為、奈良市の奈良町にぎわい課と教育委員会文化財課の担当の方が調査に来られ、後日に建物についての考察結果をお示しいただきました。奈良町の歴史的建築物の特徴や、同じ奈良町内でも地域による特性があることなど、話をお聞きすることができてとても有意義でした。

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駐車場のシャッター部分は増築されており、その手前の5寸角の柱には荒格子の貫と思われる貫穴や格子の内側に入っていたと思われる建具のあと(鴨居溝)が見つかりました。材の寸法や位置を採寸。

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道路側ファサードの改修後のイメージです。現在の黒漆喰の壁はそのまま黒漆喰で塗りなおします。シャッターから荒格子にすると建物の印象も大きく変わりそうです。袖うだつの一部も再生します。
お施主様はこの地に住まわれながら、宿泊のできる奈良町の町家「西村邸」として活用されるご予定です。代々丁寧に住まわれてこられた建物を、傷みのある部分はきちんと修理して町家の良さをそのまま生かす改修をご希望頂いています。


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この敷地の大きな特徴は4つのお庭があることです。どの庭にもそれぞれ植栽と石があり、丹精されていた様子が伺えます。

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茶室の裏側にも露地があります。遊び心のある空間です。
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主屋と離れ棟の間の庭には、大きな井戸とお稲荷さんがあります。暮らしの庭。
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奥の納屋は、ざっくりとした納屋建築の面白みのある空間です。
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奥行きの長い敷地は、奥へ行けば行くほどプライベート性が高くなります。
内を通ったり再び外へ出たりと空間に変化があり、敷地全体がひとつの町のような感じがしてとても面白く思います。






”木の住まいの設計”
一級建築士事務所 FRONTdesign  岩城由里子
国産材・県産材を使って木の家づくりをしている設計事務所です。
yiwaki@kcn.ne.jp
奈良県生駒市北田原町1052-2






# by frontdesign | 2018-05-29 07:10 | 町家改修 奈良町 西村邸 | Trackback | Comments(0)

縄文時代 石斧とクリの木

新建築家技術者集団の発行する「建築とまちづくり」4月号の記事で、先史時代の土工と建築技術(松田真一氏著)の記事があり、大変興味深い内容でした。

縄文時代は、木と木を組み合わせたりつなぎ合わせるときに植物素材のロープで縛って組み上げたと以前は考えられていたのですが、仕口や継手の加工が施されていることが遺構から判明したそうで(再利用材として)、縄文早期の遺跡からもホゾ穴のつかれた材が出てきたそうです。また、その多くにクリの木が使われているとのこと。
当時は磨製石斧で木を伐り、加工をしていたそうです。クリと言うと固くて加工がし難いような印象ですが、石斧を使った実験によると、クリの生木は他の材よりも格段に伐採加工がしやすかったそうです。
鉄斧と石斧の伐採を比べると、石斧は繊維を鋭く断ち切ることができないため、木に対して鉄斧だと45度のところ20度前後で刃を当てて伐るようで、鉄斧の三倍の時間を要するようです。
弥生時代は鉄と稲作の時代と言われますが、弥生時代の建築は杉と桧が多く使われるようになりました。ここで現代につながります。
縄文時代にクリが使われたのは石斧という道具による理由の他、縄文時代はクリが重要な食材のひとつであったこと、生育が比較的早いことも要因のようです。
また、縄文晩期の奈良南部の遺構には、クリの他にオニグルミなど実が食用になるものを一定のエリアに植樹された跡があるそうです。あるエリア80m四方はクリのみの株跡があるようで、密度の高い自然のクリ林の存在は考えにくく、人工的に育成管理が行われていたと考えられているようです。人工林も縄文時代に登場ですね。
株の直径は50センチのものが多く、樹高は20m相当の大木と推定されるとのこと。

縄文時代の木材資源の利用や建築技術が次第に明らかになってきたのは、発掘調査の対象地が居住集落から周辺の河川沿いや沖積層に及んできた動向にも関わっているようで、腐敗や劣化を免れた木製品などの有機遺構が先史時代の技術を知る資料になっているそうです。


この写真は吉野杉の原木丸太です。
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”木の住まいの設計”
一級建築士事務所 FRONTdesign  岩城由里子
国産材・県産材を使って木の家づくりをしている設計事務所です。
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# by frontdesign | 2018-05-27 12:20 | その他 | Trackback | Comments(0)

ポンちゃんの家 進捗状況1

基礎の捨てコンクリートが打たれ、正確な基礎位置を出すための墨出しが終わりました。
南東のウッドデッキの屋根が掛かるところまで、基礎を繋げて作ります。
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このあたりは地山で、とても硬い地盤です。地盤調査の時は浅い深度で打ち込めない状態になり、あっという間に調査が終わりました。

基礎はベタ基礎。太陽熱空気ソーラーシステムのそよ風を搭載するので、基礎断熱をします。
深基礎部分が多いので、捨てコンクリートの形状が畑のような感じです。
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土間に墨壺が置いてありました。
若い大工さん、基礎の墨出しにも墨壺使っているようです。
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伏見建築事務所さんの加工場には、構造材が搬入されました。すべて吉野の木です。
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あちらこちらにうず高く積まれています。これから墨付け・手刻みが始まります。

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大きな丸太の化粧梁も届いています。6mと3mの丸太と、太鼓に摺った5mものが2本。とにかく重そうです。
出来るだけ継がずに1本でと思い長い材で設計しましたが、長いということは重いということですね。手で刻まれるのでご苦心いただくことと思います。大工さんには頭が下がります。

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現場も加工もスタートです。





# by frontdesign | 2018-05-25 11:27 | 新築 ポンちゃんの家 | Trackback | Comments(0)

国産材・県産材でつくる木の住まいの設計 奈良県生駒市


by yuriko iwaki